オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

どうしても欲しいもの

 撮り鉄がどこそこでトラブルを起こした、迷惑行為をしたとの記事を良く見かける。

 本来、そのようなことに記事としての価値が存在するのか疑問であるが、ネット上では「鉄」達に対し、日頃の鬱憤を晴らしているかのような批判を投げつけている人は結構いる。

 確かに、個人の趣味のために、他人や社会に対し、子供じみた迷惑をはたらく輩は如何なものか、とは思う。

 しかし理解出来ない。

 彼ら(鉄)は、常軌を逸してまで、何故あのような行動をとるのであろうか。何に打ち込んでいるのだろうか?

 美しいと自分が考える写真を撮るためには、安全無視、社会道徳無視、環境破壊OKとは、どういう頭脳構造なのだろう…。理解不能

 電車や車両に、工学的な興味や魅力を感じることがあるのは私も理解出来るが、たかが写真を撮るためだけに、非常識な行動がとれる理由が想像出来ない。

 そもそも、オタクはそういうものだ、との意見は散見されるが、その批判にもさして根拠は見当たらない。

 このような意見は、健全なる鉄道ファンにとっては記事にかこつけた誹謗中傷とも言え、真性の愛好者にとっては如何にも差別的に受け取れる発言だ。

 とは言え、「鉄」に限らず、公衆マナーは遵守せねばならない。趣味が高じての迷惑行為は厳に慎んで頂きたい。

 

 さて、そう言う私も鉄道に関しては「どうしても欲しいモノ」は、実はある。

 これだ ↓

 

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みどりの窓口に設置されていた端末

 

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②車掌さんが持っていた車内補充券

 

 この2つは、可能であれば是非欲しい。

 ①は「マルス端末」とも言われているらしい。私は「みどりの窓口にあったパタパタする端末」と勝手に言っている。

 Google先生はさすがで、上記の表現でもちゃんと検索してくれる。

 左側の穴の空いたボードは「タブレット」と当時は言われていた。行き先と出発地の書かれた穴に棒(端子)を突っ込むようになっている。駅数が多いため、ボードが何枚もノートのようにめくることができるようになっている。

 私はこの端末操作を見るのが大好き。

 今のJRでは、機械式のタブレットではなく、CGになっている。

 あの「パタパタ」いう音が大好きだった。CGでは味気ない。だから今の端末に興味はない。

 しかし、東京の某所に、このCG式端末を猛烈なスピードで操作するJR東の女性社員がいるそうだ(NHKでやってた)。その方は是非見てみたい。

 この端末、まさか手には入らないが、入手出来たとしても家に置き場は無い。やはり、夢は夢だ。

 

 もう一つ欲しいもの。

 これはGoogle先生に教えてもらったのであるが「車内補充券」と言うそうだ。

 昔は、車掌さんがこれを束にして持っていた。

 行き先の変更があった場合の清算をこの長い切符を使って行う。

 最終目的地と保有する切符の継続点に当たる駅名のある場所に、穴を空けることでFrom Toを表す。

 日本全国の地図を網羅しているかは知らないが、結構な束になった切符を車掌さんは持っていらっしゃる。私はこの束がどうしても欲しかった。

 何で?

 いや、別に自分でもそれに穴を空けてみたかっただけ。あちこちに。ただ、それだけ…。

 アホみたいだけど、今でも真剣に欲しいと思っている。

 現在、この「車内補充券」は分厚い携帯型端末になっている。

 清算後の切符は、ちゃっちいレシートみたいなもので出力される仕掛けだ。これじゃ、つまんない。

 あの長い切符が良いのだ。

 写真で分かるように、地図みたいになっていて、どの辺りの地域に何と言う駅があるのかが分かる。これを見てるのが楽しい。

 実はこれにはおまけがある。

 車掌が切符の精算額を計算するために、何やら色んなことを書いてある手帳を参照するのだ。

 詳しくは知らないが、手帳を見てあれこれとその場で精算額を計算する。実はこれも欲しかった。

 一体、どういう仕掛けだったのであろうか?現在のように、モバイルコンピュータが存在しない時代の話だ。

 「車内補充券」…、欲しい!

 

 先日、京都の鉄道博物館の紹介をする番組がNHK BSで放送されていた。

 別に「鉄」でなくとも、これには興味は湧く。

 しかし、何で人は電車に魅了されるのだろうか…

 

 

古戦場にて

 休日を利用して帰省した。

 慣れた東名高速、新名阪道の往復である。しかし、ニュースもある。今年2月に新東名高速の浜松いなさIC〜豊田東ICが開通したことだ。

 これにより、御殿場ICから伊勢湾岸道路までが一気通貫になったので、さっそく走ってみた。

 ゴールデンウィーク中の旅程であったが、大きな渋滞に巻き込まれることもなく、極めて快適なものであった。

 東西を結ぶ大動脈ともいえる主要道路の整備は、利便性はもとより災害時のバックアップ、経済波及効果等、さまざまな利益を関係地域にもたらすことだろう。

 正直、人口減を予測される日本において、東京・大阪間にもう一本の高速道路が必要なのか疑問を持つこともあったが、いざ完成して利用するとその利便性の良さには感心してしまう。

 脱帽だ。

 

 新東名の売り物の一つは、21世型のSA(サービスエリア)が挙げられる。

 永らく高速道路SAの店舗群は、道路公団のファミリー企業が独占してきたが、いつからか規制緩和が行われ、今ではこれにまで無かった多様なお店が立ち並んでいる。

 もちろん、これは良い意味だ。

 以前のSAで摂る食事は、拷問のようなものだった。

 高い、不味い、サービス悪いの3拍子が揃っていた。

 SA、スキー場の食事と言えば、カレーと蕎麦が定番。最低だった。

 それが、今は値段は相変わらず高いが、モノ・味は格段に進化した。これであれば、特定のSAでの食事を狙って旅行する人がいても不思議ではない。旅行の楽しみが増えたと率直に評価したい。日本も棄てたものではない。

 今回、浜松いなさIC〜豊田東ICを走ってみたのであるが、ここには岡崎SAと長篠設楽原(ながしのしたらがはら)PAが新設されている。

 せっかくなので、2つとも立ち寄ってみた。

 長篠設楽原PAは、その名が示す通り、古戦場として有名な長篠にある。それも、下りのPAは、織田・徳川連合軍が本陣をおいた茶臼山のすぐ隣に造られている。

 これは、たまたまなのか、それとも「このエリアにPAを造るのであれば茶臼山の傍にしよう。その方が話題になる」と考えたのか。

 後者であれば、素晴らしい発想だと思う。

 このPAは、入るとすぐ幾つかの昇りの旗に気がつく。見てみると、織田、徳川の昇りだ。しかし、それだけではない。

 六文銭の旗もあるのだ。

 なるほど、確かに真田も武田家の家臣であった。大河ドラマに因んでのことかもしれないが、長篠であればこそ出来る企画だ。

 因に、下りのPAは、織田・徳川を、上りは武田をモチーフに建物がデザインされているとのこと。上りのPAは下りに比べるとやや小さめだった(両方行った)。

 PAのお店はアイデア満載だ。ともかく面白い。楽しい。

 食事・買い物・観光の3つが同時に楽しめる。

 これは、新しいSAの楽しみ方の提案でもある。PAでも無ければ、この地に立ち寄ることも恐らく無かったであろう。

 どうせ造るなら、SA・PAも楽しくあったほうが良いに決まっている。

 諏訪湖浜名湖のSAは、その立地だけでも十分に意義があるが、風光明媚でなくても楽しめることを長篠設楽原PAは示している。

 新しいSAの登場を素直に喜びたい。

厚化粧の下

 つい先日、三菱自動車について書いたばかりであるが、私の悪い予想はどうやら当たっているようだ。

 この数日の記者会見の状況を見ていると、事態は目を当てられない方向に向かっている。想像以上に、あの会社は腐っていた…。

 「三菱ブランド」

 関係者は、斯様な偶像にすがっている場合ではない。

 事態の深刻さに鑑みて、早急にありとあらゆる対策を打たないと、本当に会社清算を余儀なくされ兼ねない。

 三菱だから、などとゆめゆめ勝手な妄想をしない方が良い。戦前と戦後では、”財閥” の意味は全く異なっているのだ。

 週刊誌の取材に、三菱自動車社長の親父殿が随分と勝手なことを答えているようであるが、調子をこいていると、世間からは三菱全体がそのような風土・文化なのだと誤解されかねない。あまり風評を見縊らない方が良いと忠告しておく。

 

 さて、菱形の会社はタコ殴りのボコボコ状態である。批判した私が見ていても気の毒なくらいに。まあ、因果応報であるが。

 しかし、少し待って欲しい。

 燃費に関するデータ不正、改ざんは到底許されることではないが、私達、日本人全員が自覚しておくことがある。

 「実用燃費」という考えてみれば奇天烈な日本語がある。

 ご存知のように、燃費のカタログ値と実測値の違いを表した言葉だ。

 一般に、日本車は特にドイツ車に比べると実用燃費が著しく劣る傾向にあると業界では見られていた(結構前から…)。

 私達の世間話の中でも「ドイツ車の実用燃費は良いから」という会話は頻繁にあった。

 一例を示す。

 初代プリウス:28Km/ℓ → 13Km/ℓ(46%)

 2代目プリウス:35.5Km/ℓ → 15Km/ℓ(42%)

 VW UP!:23.1Km/ℓ → 15Km/ℓ(65%)

 私の所有していた車のカタログ値と実用燃費の悪かった時の値の比較だ。

 カタログスペックの目安の話をしているので、敢えて条件の悪い時の数値を出している。それでも、プリウスとUP!の違いは歴然だ。

 実際、UP!は高速道路を走らなくても20Km/ℓ近い燃費を出すことはフツーにある。これは、プリウスには無かった。

 「当たりが悪いんでしょ」

 そうかもしれない。しかし、10年以上、ハイブリッドカーに乗っているのだ。「当たり」で済まされてはたまらない。

 因に「モーターファン別冊 VW UP!のすべて」(H24.11.9発行)に、UP!、アクア、FITハイブリッドの "燃費カタログ値達成率" という記事が掲載されている。

 東京の四谷から首都高、中央高速を乗り継いで富士山を回って河口湖から帰ってくるというルート(330Km)で、この3車の実用燃費がカタログに比べてどうであったかを調査したものだ。

 その結果。

①UP! : 22.7Km/ℓ(91%)

②FIT:25.0Km/ℓ(82%)

③アクア:26.0Km/ℓ(64%)

 

 別段、トヨタとホンダを貶めたい訳では無い。絶対燃費は皆優秀だ。FITは先日、沖縄に行った際にレンタカーを利用したが、3日間で23.0Km/ℓだった。これが実力だと思う。

 私が問題にしたいのは「カタログ値」だ。

 いくらなんでも盛り過ぎだろう。このような数値、日本のどのような道を走っても出てこない。

 本来、日常の利用シーンになぞって走った場合の燃費目安を示したものが「JC08」モードというのであれば、今自動車メーカーがカタログに表示している数値は皆 "偽造"だ。

 スリーダイヤだけを叩けば良いものではない。

 だって、現にVWの実用燃費はほぼカタログ通りではないか。

 日本車は、今回の事件よりもはるか、ずーーーーっと前から、消費者から見ればあり得ない計測数値を カタログに確信犯として掲載してきており、運輸省もそれを見過ごしてきているのだ。

 何のことは無い。自動車業界では、皆、多かれ少なかれ鉛筆を舐めている、ということだ。

 だから、私はこれ以上、三菱のことは責めない。

 それよりも、これを機に業界として真摯に製品を作って欲しい。

 見せかけのカタログスペックではなく、実用的な性能で競争してほしい。

 

 見かけは綺麗な美人であるが化粧の下を覗くととんでもない素顔が隠れている…

 日本の車は、そんなものであってほしくない。

 

 

 

  

 

海に棄てられるダイヤモンド…

 三菱自動車がまたしてもやらかした。今回は、燃費データ不正とのこと。

 私は当ブログでこの自動車メーカーを一度こき下ろしたことがある。一方、ランサーエボリューションを例に褒めちぎったこともある。

 このメーカーが好きなのか、嫌いなのか、一体どっちなんだ?と聞かれても困る。どちらでもないから。

 ただ、私にすれば無視すれば良い存在ではない。気になっているからこそ言及している。

 しかし、今回の一件でこの会社の命運は尽きるかも知れない。

 この事件に対する社会の批判の目は厳しい。当然だ。

 繰り返された不祥事であるからだ。

 一体、この会社の組織、内部統制はどうなっているのだろうか。誰もが持つ疑問だ。

 一件には、社内の数名がかかわったと社長は記者会見で述べていたが、そんなことはあるまい。

 相当数の関係者がこの事実を知っていたはずだ。そして、それを隠蔽していた。と私は見る。

 

 あちこちで専門家が軽自動車における燃費競争の激しさ、過酷さに言及している。

 スズキ自動車の開発者インタビュー記事を読んだことがあるが、軽自動車において燃費をほんの数%改善するには、血の滲むような努力をするそうだ。

 エンジン性能の改良だけではなく、ボディの軽量化、駆動系の摩擦低減、タイヤ性能向上等、総合的な技術革新によって初めて燃費性能の改善が成し遂げられる、ということを開発者は言っていた。

 そもそも、軽自動車は燃費が良い。

 よって、その改善は容易なことではないのだ。

 三菱自動車の開発陣に対し、経営者から燃費改善の厳命が出ていたことは容易に想像がつく。開発陣が燃費改良の技術的限界からこの行為に走った可能性は高いと想像出来る。

 いくら、経営陣が燃費データ不正を知らなかったとは言っても、せめて完成車の環境性能が開発側から伝えられた際、その根拠についてはプレゼンを受けている筈だ。

 さもなければ、一方でプロモーションが出来ない。

 新車発表会の場で、如何にして燃費性能を向上させたか、について幹部が取材側に説明出来ないではないか。

 で、あるから、改ざんされた燃費性能の根拠について、経営者は開発者からエンジンでXX%、軽量化でXX%、駆動系のフリクション低減でXX%と、具体的な改良の内訳を説明されている筈だ。

 そして、各開発セクションは、経営者に説明した燃費改善の根拠となるデータを持っている(捏造している)はず。

 

 つまり、社長が記者会見で言ったように、ほんの数名の悪事によっては、燃費データの改ざんはできない。

 VWの例がそれを示している。

 VWの不正が発覚した際、日産のカルロスゴーンCEOは「多くのスタッフがかかわっている可能性がある」と当初から言っていた。

 それは、自動車の開発が多数のユニットに分けて行われており、故に、新型車の最終性能はユニットの総合力で決定されるからに他ならない。

 つまり、極論すれば新型車の性能改善は単独のユニット、チームだけではなし得ないということ。

 不正があれば、関係部署全てがそれに気がついていてもおかしくないのだ。皆、その道のプロなのだから。

 おかしいものはおかしい。それが分かるのがプロの技術者だ。

 残念ながら、三菱自動車の内部統制はガタガタであると断言せざるを得ない。

 「不正は一部の邪な思想を持った異端児が起こしたものであり、多くの社員は真面目に業務に精励している」との評論は、感情論に過ぎないかも知れない。

 恐らく、今後、多くの消費者は三菱の車には手を出さないだろう。

 

 リコール隠しの際には、三菱グループが総力をあげてこの自動車会社を救済した。

 善し悪しは別にして、さすが ”スリーダイヤ” と思わせたものだ。

 今回は、どうなのであろうか…

 この会社を救済する意義は、三菱グループとして未だ存在するのだろうか。

 私は三菱にはかかわりの無い人間なので、これについては想像もできない。

 この事件に対し「三菱にとどまらず、日本の自動車メーカー全てのブランドが失墜する恐れすらある」との危機感を表明した政府関係者もいる。

 で、あれば三菱グループとしても安易な救済処置は躊躇われるだろう。

 

 ゴルゴ13に「死闘、ダイヤ・カット・ダイヤ」というエピソードがある。

 ここに出てくる「アングロ=デ・ロアズ社」は、ダイヤモンドの産出から販売まで独占している巨大カルテルである。

 ロアズ社は、世界中で産出されるダイヤモンドを全て買い取り、一部を余剰ダイヤとして地下の金庫にストックしたり、あるいは海中に投棄することで、ダイヤモンドの希少価値を創り出している。

 ゴルゴ13は、ロアズ社の会長ソロモンの所有する1050カラットの巨大ダイヤの狙撃を依頼される。

 「ダイヤを傷つけるにはダイヤ以外になし」と比喩される地上最強硬度を持つダイヤモンドにあっても「分子凝集力の最も弱い箇所に鋭い衝撃を与えると破壊出来る」と加工職人のワイズコフは言う。

 結果、ゴルゴ13は巨大ダイヤの破壊(狙撃)に成功する。

 1050カラットのダイヤモンドが空中に飛び散るシーンは見事な描写で描かれている。

 

 日本製品のブランドを守るため、あるいは治療不可能な不治の病に冒された病巣体として、ダイヤモンドは海に棄てられるのだろうか、それとも砕かれるのだろうか…

 

 

 

 

隙をつく災厄

 故小松左京氏によるベストセラー「日本沈没」には『超広域震源地震』という超地殻変動が出てくる。

 この小説の中で、日本列島は太平洋プレートの沈降位置の激変により、日本海プレートに押され、日本海溝に折れ曲がるように沈降する。最終的に日本列島のほぼ全域が沈没してしまうのであるが、その引き金を引くのが先の『超広域震源地震』と呼ばれる架空の地殻変動である。

 これは、志摩半島から紀伊半島中央部を横断し、四国中央部を東西に走って九州中央部を北東から南西へ抜ける「中央構造線」に一斉に超巨大地震が発生するという設定だ。この超巨大地震により西日本は上下に引き裂かれ急速に水没していく。

 超広域に及ぶ断層のずれがもたらした地震の被害は途方もない規模になり、小説の中では西日本の住民200万人が一挙に犠牲になるという、史上空前の大災害として描かれている。

 この話はフィクションであり、あくまで空想の話の筈だった。

 

 2016年4月14日21:26、熊本地方にM6.5、最大震度7直下型地震が発生。

 そして、16日01:25、M7.3の地震が追い打ちをかけた。

 昨日からNHKは現地の様子を詳しく伝えるとともに、被災者を励ます放送を繰り返している。

 現地の惨状は見るのが辛い。凄まじい。

 阪神淡路大震災兵庫県南部地震)を思い出す。

 あの時も、当初伝えられた被害は大したものではなかった。しかし、時間が経つにつれその全容は明らかになり、想像を絶する被害が阪神地区にもたらされたことが後に分かった。

 あの地震断層が動いたことによるものだ。

 忘れかけた頃にもたらされる災厄…

 現地の方も、まさか熊本に大地震が起きるとは予測していなかったのではないか。

 過去を振り返るとあの地方に大きな地震が無かった訳では無い。

 しかし、多くの人々は三陸地方、関東地方の震源に気をとられていたのではないか。

 私達の気持ちの隙をついて発生するのも地震という災厄の特徴だ。

 

 警告が無かった訳では無い。

 政府の地震調査委員会が想定していた活断層震源とする地震には、布田川・日奈久断層帯も含まれていた。その発生確率は「30年以内に3%」となっている。

 これを私達は何と捉えれば良かったのであろうか…

 

 「中央構造線」は四国の中央部を走り伊予地方に至る。

 そして、その西方にある伊方、佐田岬豊後水道を超えた先に別府・万年山断層帯があり、布田川・日奈久断層帯はその延長線に存在する。

 警告はあったと受け止めるべきであろう。

 そして、熊本に起きた災厄は、いつ私達の住む地域に起きるか分からないという教訓を示している。

 日本列島は活断層に乗っかっているようなもの。

 決してひと事ではないのだ。

 

たかがバカラ…と思う

 正確な日時は覚えていないが、10数年前、私は滞在したコペンハーゲンのホテルでカジノに行った事がある。

 また、これも良く覚えていないが、ハワイかグアムで無修正のエロビデオを見た経験がある。

 ドラッグはやったことはないが、拳銃はハワイで撃った。37口径のリボルバーだ。

 ダーティハリーに習って、44マグナムを撃ってみたかったが、そのようなバケモノは何処にでも置いてあるものではないらしい。

 

 以上のことは、現地では合法であるが日本では違法行為だ。

 その事について、今でも私は罪悪感は無い。

 何故なら、日本では出来ないことであるから、わざわざ外国に行った時にやってみたのだ。

 これは、倫理的にいけないことなのだろうか?

 

 バドミントン男子のトッププレイヤー2人が、無期限登録停止、無期限出場停止になったとのこと。

 理由は、違法カジノ店でバカラをやったから。

 以前も書いたが、我が家では私以外は皆バドミントンプレイヤーだ。

 この事件については、皆、ショックを受けていた。

 「もったいない…」

 これが大凡の意見。

 彼らは、まさに日本のトッププレヤーだと私の家族は証言していた。

 で、あれば本当にもったいない。

 大概のギャンプルは、多くの国では合法だ。

 皆が大好きなUSAを例にとれば良い。ラスベガスで散財した人は芸能人、財界人、政治家、その他業界を問わず山ほどいる。恐らく、アスリートの中にも相当数いる筈。バレていないだけだ…

 何故、あの2人にあのような惨い仕打ちが必要なのであろうか。

 一罰百戒?

 私は、あの2人がそんな大した犯罪を起こしたとは思えない。

 倫理観?

 スポーツマンシップ

 コンプライアンス

 道徳心

 どの観点で、バドミントンプレーヤーの彼らを「相応しくない」と断罪出来るのであろうか。

 何に相応しくないのか…

 何が好ましくないのか…

 一体この国は、どのようなギャンブルが健全で、なにが不健全と定義したいのであろうか。

 競馬・競輪・競艇は健全で、高校野球優勝校を占うのは不健全なのか。

 私は、賭け事は嫌いだしやらないが、やった人に社会的制裁を与えることはやり過ぎだと思っている。

 一体皆、何を浄化したいと考えているのだろうか…

 世界中にファンがいるサッカーでは、トトが常識的に行われており、日本でも公営ギャンブルになっている。

 トトと、バカラの何が違うというのだ。

 いかがわしい、と言うのであればその理由を明確に説明して欲しい。

 ギャンブルをやらない私に言わせれば、世間の人々は大概何やらの賭け事をやっているはずで、皆いかがわしく不潔だ。

 パチンコの完璧なる違法を放置しておきながら、バドミントンプレイヤー2人を完膚なきまでに制裁するこの社会(バドミントン協会)に私は嫌悪を覚える。

 先日、プロ野球の賭博行為を批判した私であるが、ここまでくると逆に社会の矛盾の方を指摘したくなる。

 この行為が何を守り何を生むと言いたいのであろうか…

 

 

 

 

美ら海の国

 九州の南端、鹿児島市から南にさらに650Kmの距離。人口はおよそ142万人(2014年現在)。

 そこは、周りを海に囲まれた別世界だ。

 珊瑚礁の海がとても美しい。「美ら海」とも呼ばれる。

 下は宮城島の海。

 珊瑚礁が見える。

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次は、瀬底島の海。

本州では見ることのできない風景だ。

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美ら海水族館から見た夕日。

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水族館にはジンベイザメが3頭もいる。その大きさは圧巻だ。

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首里城。復元は今も続いている。

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「1マイルの軌跡」と呼ばれた国際通り

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 20年ぶりに沖縄に行ってきた。

 忘れられない思い出になった。

 ありがとう、沖縄… 

詐称もシャレのうち

 もう随分と前にTVで見たお話。

 志村けんの番組で、彼が研ナオコとショートコント(寸劇)をやる場面があった。

 研ナオコは、愛する旦那と今晩こそ子づくりをしようと、スタミナ満点の料理を作って彼の帰りを待っていた。

 それを知ってか知らずか、志村は夜遅くに酔っぱらって帰宅する。

 こんな時間まで何処をほっつき歩いていたのか尋問するナオコ。

 それをうざったいと振り払う志村。

 志村は思わず愚痴を言う。

「報道関係の仕事はな、付き合いとか色々とあるんだよ!分かるだろ、それくらい!」

 ナオコは、志村の顔に最大限接近し言い放つ。

「新聞配達のどこが報道関係の仕事じゃ!」

 会場は大爆笑。

 私もひっくり返って笑った。腑が捩れる…

 

 彼は突然、私に言った。

「ゆずさん、私、今の仕事止めて田舎に帰ることにしました。」

「えっ!また何で…」

「実家の仕事を継ぐことになったんです。これまで、兄貴(長男)がその筈だったんですが、事情が変わって」

「ふ〜ん、そうなんだ…。実家の事業であるなら仕方ないか…」

「でも、何か冴えないんですよね。」

「何で?」

事業って言ったって、実家の家業はガス屋です。」

「お米とか醤油とかも配達するやつか…」

「そお」

「いいじゃん、別に。地元密着の仕事だよ。大事なことだ」

「でも、東京で仕事している方がいいなぁ」

「…」

「ゆずさん、何かカッコいい名目ありませんかね?」

「家業を継ぐ?」

「そお!」

「…。実家のエネルギー事業を継ぐことになったってのはどうだ」

「ガスですよ?」

「ガスはエネルギーだ」

「そうですね!」

 

 彼は実家のある岡山に帰って行った。

 しかし、私は2年後、彼と友人の結婚披露宴で再会した。

 彼曰く。

「いや〜、ゆずさん、エネルギーは流行んないですね!」

 本当に楽しい人だ。今は、某上場企業の人事部にいる。

 

 経歴詐称したとかで、ショーンだか、マクドナルドだか、川上だとか言う人が世間から責められているらしい。

 MBAとかパリの何とかとか、コンサルタントとか、整形とか、色んなことをやっていたとかいないとか…ハーフなのかクォーターなのか、いや熊本の田舎者だとか…、一体何が本当なのだ?

 

 私もたまには「報道ステーション」で彼のことは見ていた。

 それまでは随分と派手な経歴だな、とは思っていたが、その内実は、ほとんど先ほどの「報道関係」「エネルギー事業」のネタとレベルは変わらないらしい。

 何だか、私は笑ってしまった。

 いや、彼はちょっと経歴を盛っただけの話だよね。私も20代の頃は先に触れたようなジョークは言っていたので分かる。

 これが、番組を全て降板するほどのことなのかね…

 これまでも、コメンテーターの顔にカメラが向く度、プロフィールが表示されるのは見ていて正直、ウザかった。

 「…が趣味」「…が得意」「…に定評がある」

 これからは、川上氏が映る度に、これまでの嘘の華々しい経歴が表示されるとともに、「これらは少し盛っています」というスーパーが挿入されるのだろうか…

 

 この騒動の背景に、番組提供側、視聴者に一種のブランド信仰があったことは否定できまい。

 そういう私も、何だか、ちょっと自分自身が恥ずかしく思ってしまった。

 「MBAでハーフで男前かぁ。羨ましい〜」

 正直そう思っていた自分が馬鹿なのだ。

 私は彼のことをそんなに悪くは思っていない。私自身が俗物なのだ。

 

 私はそれよりも、自分の芸名(本名含む)をアルファベットで書いて見せて、世界に通用する呼び名、あるいは自分は日本人ではなく外国籍人だと言わんばかりの顕示をしているミュージシャンの方が見ていて恥ずかしい。

 所詮、”TARO” と書いても日本人は日本人なのだ。

 「太郎」でいいだろう。

 それとも、彼らは、自分の真の存在を認めたくないのか… 

 日本人ではなく、外国人になりたいのだろうか?

 

 であれば、日本のブランド信仰も大したものである。

 彼と遜色無いではないか…

  

 

 

決別

 以前、ゴルフを止めた理由の一つはつまらない賭けが慣習となっていることを述べた。

 日本は不思議な国で、国が定めたジャンルの賭博は合法で、それ以外は一切が違法という制度をとっている。

 賭博を何故規制する必要があるのかという学術的な解釈にあまり興味はない。とにかく、これにのめり込むことにろくなことがないことは明らかであるので、自身の道徳心から私は賭けはやらない。

 そして、以前も触れたがこの類いの遊戯の最も煩わしく鬱陶しいことは、周りがそれをやれば自分もやらねばならないという、不愉快極まりない同調圧力があることだ。

 何度も言うが、それが嫌な人間にとってこのことは、どうしようもなく鬱陶しいことこの上ない。

 ギヤンブルにのめり込むつまらぬ人間に限って、この同調圧力を強くかけてくる。

 そして、その場は、まるで高レートの掛け金をライズする者ほど、勇者と見るような低劣な風潮が支配する。

 私は、このような空気感がたまらなく嫌いだ。反吐が出る。

 ただ、やりたい人は勝手にやれば良い。別に制止しない。

 私を巻き込まなければそれで良い。好きなだけ、散財・浪費すれば良い。

 いまさら、彼らの人間性を問うことも無い。法律違反であるが、それも訳の分からない理屈を背景に作られたものだ。合理性には欠ける。

 「射幸心を煽る」

 全くくだらない否定理由だと思う。

 花札、麻雀、パチンコと野球賭博の品性の違いなど私には理解出来ないし興味も無い。

 だから、世間というよりも、マスコミが某野球選手をタコ殴りする理屈が私には理解不能だ。

 

 某野球チームにおいては、円陣を組んだ際に、金銭授受を伴う賭博もどきの行為があったことが報道されている。

 球団側は「士気を鼓舞するため」と、苦しい・見苦しい・みっともない言い訳をしている。

 今年からチームの指揮をとるあの監督もやっていたのであろうか?だとすれば、最低である。

 今シーズンから、某チームが負け試合でベンチ前で円陣を組んだら、恐らくファンは皆「今日のレートはいくらだろう」と考えることだろう。

 あの人達は、こう思われることが、野球選手、プロフェッショナルスポーツに携わる人間として恥ずかしくないのであろうか。

 今回の一件で、彼らのいる業界が私の思う最も嫌いな風土のもとで構成されていることがよく分かった。

 彼らは法律で定義される賭博はやっていないかもしれないが、私に言わせれば、その背景・文化・コンテクストはイリーガルの世界と同じだ。

 

 あの業界は私の忌避する価値観で構成されている。

 もはや盟主でなければ「巨人」でもない。

 バットとグローブで着飾ったギャンブラーだ。

 今、某球団だけでなく、他にもその例があると言われている。

 これはプロ野球自死とも言える。

 別に業界としての浄化、再発防止は求めない。

 私はこの職業スポーツと決別する。

パソコンの神髄

 大学の研究室には、MZ-80Bが設置されていた。

 システム構成は、PC本体+8inch FDD(2台)+EPSON製ドットプリンタ。これに、CP/MをローディングしFORTRANを走らせていた。

 MZ-80は通常、内蔵されているカセットテープ装置からOS(MS-DOSではない)あるいは、アプリケーションを直接ローディングする仕組みをとっていたが、私達の研究室では、外部記憶装置としてFDDを接続する豪勢な構成をとっていた。

 当時のFDD、ドットプリンタ(ストックフォーム対応)はとても高価で、PC本体(ディスプレイ抜き)の価格と同等以上のものが少なからずあった。

 今考えると、このシステムは少なくとも70万円以上はしていたと思う。

 

 さて、この高価なPCシステムを使って我が研究室は、一体 ”何を” していたのか?

 詳しくは分からないが、磁気振動の共振現象の解析を行っていた、と研究生(同級生:OKI君と呼ぶ)から聞いたことがある。

 そのような複雑な計算を、何故、わざわざパーソナルコンピュータ(PC)を使ってやるのか?

 どうやら、私が抱いた素朴な疑問、そのものがOKI君の研究テーマのひとつであったようだ。

 大学の構内には、ちゃんと計算センタがあった。メジャーな大学ではなかったが、大型メインフレームは設置してくれていた。

 IBM3081だったらしい。

 私も計算センタのIDはもっていたので、ほんの数回であるが利用したことがある。IBM3081は当時の最新鋭機で、日本では日立、富士通三菱電機が関わった産業スパイ事件で注目を浴びたシステムだ。大学は、このシステムをTSSで運用していた。

 本来であれば、先ほどのような複雑な共振系の計算は、このホストコンピュータを用いて行うはずだ。現にOKI君以外の研究生は、皆そうしていた。

 だが、OKI君の研究テーマは「パーソナルコンピュータを用いた磁気振動〜XXX計算… 」だった。

 PCをメインフレームの代用とし、本来大型コンピュータで行っていた複雑・精緻な科学技術計算をパソコンでやってしまおうという、意欲的な取り組みだった。

 IBM VS MZ-80…

 MZ-80Bにとっては、その存在意義を示すとともに、PCという新たな技術製品の未来可能性を問う輝かしい挑戦であったと想像する。

 

 研究室のMZ-80Bは毎日、朝から夜まで黙々と計算をしていた。毎日、ただ黙々と。

 その間、実は、人間(OKI君)はすることは…ない。OKI君は日中の大半が暇だった。

 よって、彼はよく私達の研究室で遊んでいた。

 そして、夜遅くに計算結果がプリンタから打ち出されると、それを見て、うな垂れては帰っていった。

 OKI君の去った後のMZ-80Bのディスプレイには、何やら不思議な模様が描かれていた。

 私達は、MZ-80BとOKI君を横目で見ながら、「あれ、一体何やってるんだろうね」と言っていた。

 当然であるが先生からは「関係者(OKI君)以外はPCには触るな」と言われていた。

 

 しかし、ある日、ある研究生がPCの空き時間(使っていない日)を見つけて、いたずらを仕掛けた。

 先ほどから、OS(CP/M)のマニュアルを見ながら何かやってるな、と思っていたら、彼はOSの警告音(BEEP)パラメータを書き換えていたのだ。

 いつもは、JOB ABENDの際には「ピロ・ピロ・ポ!」と発するMZ-80Bが、ある日以降、「ピロ・ピロ・ピロ・ポ、ピロ・ピロポー!」と言うようになったのだ。

 これには、同室にいた研究生達はビックリし、その後大笑いした。

 彼が書き換えたBEEPパターンがかなり奇天烈な音を発したからだ。

 MZ-80Bは、朝から晩まで黙々と仕事を黙ってこなすだけだ。

 彼が声を上げるのは、ALEART、あるいはJOB ABEND、すなわち「不具合」があったときなのだ。

 その時にPCが発するBEEPが、ひょうきんであれば、それはそれでかなり面白い。

 OKI君はPCの前でJOB ABENDメッセージを見て呆然と立ち尽くすのであるが、それを知らせる警報音は、とてつもなく人をバカにしたような面白おかしい音声だった。

 私達はしばらく大笑いしていた。

 OKI君は、計算結果がでるまでひたすら待っている。

 松田聖子の歌を流したり、コーヒーを飲んだりして時間が過ぎるのをひたすら待っている。

 そして、10時間近く経って、「ピロ・ピロ!ピロ・ピロ!ピロ・ピロ・ピロポ〜!」の音声とともに「ジョブは異常終了しました…」と印字されたシステムメッセージをプリンタ用紙から読み取る。

 これを毎日やるのはけっこうキツイ。

 心が折れる

 一体、IBMのホストコンピュータを使っていれば、OKI君の研究はいつ頃終わっていたのだろうか…

 彼は私達と一緒に卒業した。

 研究は無事成就したのだろう。

 MZ-80Bもよく頑張った。

 私達はいつしかMZ-80Bに感情移入していたのかもしれない。

 

 一度、研究室に個人所有のPC-8001、FM-8を持ち寄ってMZ-80Bを交えたベンチマークテスト(簡単な科学技術計算)をやったことがある。

 結果は、MZ-80Bの勝ちだった。

 理由は想像であるが、結構シンプルかもしれない。

 MZ-80B以外は、ROM内蔵のMS-BASIC。MZ-80BはRAMにロードされる自社製BASIC

 ROMよりRAMの方がアクセスタイムが短い(速い)のは当たり前。

 MZ-80Bは、より速いストレージ上でアプリを走らせるという、正当な利用技術を用いている。まず、前提としてROM読み出しのマシンより速いのだ。

 CPUは、FM-8がMC6809、それ以外はZ80との違いはあるが、まあそれはそれ。私達は、性能はほぼ互角と捉えていた。

 (当時、CPU単体で比較すれば6809の方が速いのではないか、と言う評論はあった)

 MZ-80Bは、高性能でデザインも抜群。値段も高すぎることは無い。

 素晴らしいマシンだった。間違いなくPC史に残る名機であったと思う。

 

 ホストコンピュータの機能を個人に提供する…

 ”パーソナルコンピュータ” という名称がそれを意味するのであれば、MZ-80Bは紛れもなくその魁であった。

 目のつけどころは鋭かった。

 SHARPには、パソコンの神髄を味わせてもらっている。

 

 さらば、シャープ。

 

 

 

 

 

 

 

老人は図書館への立ち入りを禁ずる

news.livedoor.com

 

 とても意外な記事を目にした。

 何と、一部の地域では図書館での自習を禁止しているというのだ。詳細はリンクした記事を参照願いたい。

 

 以前、触れたことがあるが、私は大学受験を控えていた頃、大阪市立図書館には良く通っていた。

 そして、多くの参考書、静かな学習環境には大いに助けて頂いた。

 私の家は狭かったこともあり、静かに勉強をするには不適な場所だった。だから、平日夕方までは学校の図書館、定時後は中之島の図書館に通っていた。

 あの環境があったからこそ、受験勉強が思うままにできたのだと思っている。

 そのような経験をもつ者としては、世の大人は、せめて受験生には自習の場を与えてやって欲しいと切に思っている。

 一般の方が本を読むスペースがない、席がない、というのは確かに不便なことと思う。しかし、一方で、弁当持参でず〜っと居眠りをこいている老人も世間の図書館には多数いる。そして、その数は今後も爆発的勢いで増加して行くことだろう。

 言っておくが、図書館は昼寝をする場所ではない。それとも、法律で定めないと昭和のジジイ達はそんなことも理解出来ず、マナーを守れないのか?

 本を読む気が無い老人は、即刻図書館から出て行くべきだ。そして学生、若者に席を譲るべきだ。

 いつも、電車では席を譲ってもらっている筈。今回はその恩返しをすべきだ。

 私もまもなく彼らの仲間入りをする。しかし、彼らのような静的傍若無人な振る舞いはしない。したくない。

 暇を持て余すからと言って、図書館に来るな。

 ドトールコーヒーに行け。いや、既にそこも彼らで一杯であるが…

 

 今、この国は、恐ろしい方向に向かっている。

 老人は、私の世代を含めてまだまだ増える。増殖する。

 そして、若い世代の人口は先細っていく方向にある。

 今に、この国は老人だらけになる。やつらは、ありとあらゆる公共施設、遊戯施設、娯楽施設を占拠することだろう。

 すさまじくウンザリする。

 その例を見たいのであれば、たとえば国立美術館に行って見れば良い。

 成田空港

 ゴルフ場

 ボーリング場

 コンサートホール

 健康ランド

 ヨドバシカメラ

 豪華寝台列車

 そして公園…

 そこには、アリのようにおびただしい数の老人達が生息している。そして彼らは口々に唱えている。

 「我々を大切にしろ」と…

 

 ほんとうに気持ちの悪い国だ。

 若い人が極度に少なく、ジジ・ババばかりの国…

 

 そう言う私もいずれ老人になる。

 しかし、弁当を持って図書館に行き、そこで居眠りなどをする人間などには絶対にならない。

 学習に対する矜持を失ってまで生きていたくない。

 

 図書館での自習場所に関する折衷案を出す。

 休日は老人は図書館への立ち入り禁止とする。65歳以上は入館禁止だ。

 これで、若い人達、受験生はゆっくりと読書、勉強に専念出来る。

 一方、平日はジジイも入館OK。

 これで良いだろう。

 どうせ、ジジイは平日も休日もない。

 いつも朝から暇なのだ。

 図書館で寝るなら平日にせよ。

 その時間帯、受験生達は学校にいる。棲み分けだ。

 浪人生はどうなる、との意見が出そうだがそれは論外で良い。

 今時、大学は浪人までして行く所ではない。

 図書館の席を老人と奪い合ってまで大学を目指してどうする。そんな意義はないと思う。

 因に、大学に行くことの意義は、巷に大量繁殖している老人達にでも聞いてみればよい。

 きっと、素晴らしい回答をしてくれることと思う。

 

 

 

苗場という基準 

 たまたま、NHK BS1でFIS W杯アルペンスキーをやっているのを見た。

 近年は、モノスキー、スノーボードも大流行りだが、やはりアルペンスキーは良い、凄い。

 30°を超える斜面のコースを大小のターンを駆使して降りて行く。

 速い者が勝ち。ただそれだけ。

 シンプルであるが、確固たる基本技術の裏付け・積み上げがなくてはあのような速度で斜面を滑降はできない。

 美しさであれば、デモンストレーション・スキーであろうが、スキー本来のより速く滑るという面でスラローム(回転)という競技の醍醐味に勝るものは無い。

 極限状態で板を操るアスリート達には何かが取り憑いているように見える。そして、別の意味で”美しい”。

 一体、全体、どのような訓練を重ねればあのような滑りができるのだろうか…

  

 2月13日、14日、苗場スキー場で大会は行われていた。

 そう、あの「苗場」だ。

 今回の大回転のコースは、ゴンドラで昇った山頂駅からの斜面。

 あの山の上(頂上ではない)からプリンスホテルを見下ろす名物コースだ。

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 ここは相当の急斜面で、いつも昼過ぎにはコブだらけになっていたような気がする。

 アスリート達はこの難コースを凄まじいスピードで滑走していた。世界最高峰の技術をもつプレーヤーが、「苗場」の難コースにアタックしていた。

 今、日本のスキー場でW杯が開催されている。

 とても素晴らしいことだと思う…

 

 スキー人口のピークは、バブル時代の1993年の1860万人だそうな。その後、減少を続け最近では770万人程度とのこと。

 人口は、最盛期の半分以下の規模ではあるが、スキー好きにとって、それはそれで良い面もある。

 ピーク時のスキー場はごった返しており、とてもゆったりと滑るような環境には無かった。

 リフト待ち30分なんて当たり前。

 当時、私は日帰りスキーが多かったが、先輩M氏(AE-86/RX-7のあの人)とは「1日10本」がノルマだった。スキー場のリフト渋滞なんて言語道断である。今ぐらいの方が空いてて良いでないの?

 

 とはいえ、苗場は違った。

 このスキー場はあらゆる面で ”凄い”

 

 まず、そのスキー場としてのその規模。

 フロントのゲレンデがめちゃくちゃ広い(だからスラローム競技が出来る)。

 頂上も高い。そこまで、ほぼ一気に行けるゴンドラが2基も設置されている。

 クワッドリフトが多く、その輸送能力は半端ではない。少し行列はできるが、絶対に長くはならない。キャパシティとトラフィックが断トツに高いのだ。

 苗場は人も多く集まるが、施設の消化能力が圧倒的に高いため「待ち」のストレスを感じさせないのだ。これは、さりげなく駐車場に関しても同様だ。

 とても大切なことであるが、苗場の駐車場は「広い」。

 どんだけ混んでも入場出来ないことは無い。かならず、来場者を迎え入れてくれる。

 東京からのアクセスが良い。

 そして、関越トンネルの手前にある。その割には雪質は悪くはない。

 パウダーを見たいのであれば湯沢まで行くしかない。湯沢や津南と苗場を比べれば、その差は明らかだ。しかし、月夜野ICでOKという気楽さは捨て難い。

 何と言っても、その気になれば「チェーン無し」「ノーマルタイヤ」で行けるのだ。

 ビギナーにとって、圧倒的に敷居が低く、そして ”本格的” なのだ。

 そう、苗場が何と言っても素晴らしいのは

 「ミーハー」OK

 「本格派」OK

 であることだ。

 オシャレでかつ本格的であるということ。

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 私は、スキー場選びの基本は、「苗場」にあると思っている。

 アクセス、ゲレンデ、リフト能力、ゲレンデ内のレストエリア(これ結構大事)、ホテル施設、そしてリフト券の値段を踏まえ、全体のパフォーマンスでスキー場は評価すべきだ。

 苗場のリフト券は、5700円。

 果たして、どれほどのスキー場が ”これ” と競争出来るのだろうか…

 

 幸いにも、日本には素晴らしいスキー場が多くある。

 私のお勧めも紹介させて頂きたい。

 

ニセコひらふ・・・圧倒的なコース

・協和(秋田)・・・町営でこの規模。そしてホスピタリティ

蔵王・・・やはり行っておくべき所

・ハンターマウンテン塩原・・・アクセスの良さ、そしてオシャレ

・宝台樹・・・近い、コースが多彩

・玉原・・・とにかく近い、広い

・天神平・・・一番速くオープン。12月に滑れる

・サンメドウズ清里・・・近い、お手軽、優しい、子供連れ向き

・菅平・・・広大なゲレンデ、ため息がでる

・八方尾根・・・北海道でなくても本場のスキー場はあるという証明

 

 八方尾根は、映画「銀色のシーズン」の舞台になった。場所柄、関西からの来場者も多い人気スポットだ。文句無し。

 苗場基準で見ても、小さなスキー場であっても十分に行く価値のあるものはある。軽井沢は食事やファミリーゲレンデが良くお勧めだ。軽〜く滑りたい人に丁度良い。

 今が…旬だ。

 

 

 

 

ネズミの傲慢

「弊社としては、常に『パークの価値に見合った価格』を提示したいと考えております。今回の価格改定も、顧客満足度調査などの指標を踏まえた上で決定いたしました」

 

  今回の入園料値上げに関するオリエンタルランド(OLC)の言い分である。

 7400円…

 TDLにそれだけの価値がある、とOLCは言う。

 「いやなら来るな」と言っているに等しい。「上から」どころか天頂からの目線と言える。

 昨年の入園料値上げの理由の一つはアトラクション増設の資金捻出だった。OLCは、フツーの企業であれば、銀行からの借り入れか、あるいは増資により行われる資金調達を入園料の値上げという、常識では考えられない方法で行った。

 先に値上げをしておき、その果実は数年後に入園者に還元されるという、およそ受益者負担という価値観とは相反するやり方だった。

 TDL内にいかなるアトラクション、夢の遊戯施設を作るのはOLCの勝手であるが、まだ見もしないもののために、先攻して入園者がお金を払う仕掛けというのは如何なものか。

 私は到底腑に落ちない。

 だから、TDLには行かないと決めていた。

 その矢先の今回の再値上げである。

 頭がどーにかしている。

 野村証券の某アナリストは「8500円程度までの値上げであれば入園者減少はない」と何やら根拠レスのことを言っている。

 こんなバカなことがあっていいものか…

 USJの値上げがこの暴挙の手助けをしていることはあるだろう。

 矛盾することを言うようだが、私はUSJなら8500円出しても行ってみたいと思っている。

 それはまだ、2、3度しか行ったことがなく、その欲求があるからだ。

 しかし、ねずみランドは違う。これまで何度行ったか、もう覚えていない。10回目ぐらいまでは覚えているが、その先は不明だ。

 今のTDLに行く価値は私にはない。彼女と娘には未だ価値があるようだが…

 

 今回の値上げによる入園者減少はOLCは想定していないとのこと。

 大した自信である。

 丸1日かけても、ろくにアトラクションに乗れない現状を放置しておきながら、『パークの価値に見合った価格』などと良く言えたもんだ。

 何よりもあの食事のプアさは何なのだ。

 この数年間、パレードだって見たこと無い。あんなもん、とっくに飽きてしまっている。現に我が家の彼女達の主目的は「買い物」だ。ネズミを見ることではない。

 アナ雪、BB-8も見てみたい気はするが、あの傲慢を助けるようであればそれが不愉快だ。

 

 「いやなら来るな」

 分かった。当分行かない。

 世のTDLファンの行動までは予測不能だ。

 しかし、これで入園者の減少を見るようなことがあれば、完全な経営ミスだ。

 考えてもみよ。

 TOYOTAプリウス開発のためにカローラの価格を上げたか?

 「価値に見合う価格」とな…

 とんでもない傲慢である。

 

  

 

やり過ぎプリウス

 新型プリウスはめでたくも絶好調の売れ行きとのこと。

 紛れもなくTOYOTAのハイブリッドシリーズのフラグシップカーであり、ハードウェアの先進性という意味では国内最高峰に位置するものであろう。

 注目の燃費は、何と40.8Km/ℓにまでなっている。初代が28.0Km/ℓであったことを考えるとその進化は著しい。

 初代は、発売当時で見れば、その開発コンセプト、設計・品質、完成度、デザイン、実用性は他を圧倒していたが、現行モデルもその先進性のアドバンテージは維持されていると言って構わないだろう。

 インテリアが良い。抜群だと思う(2代目のインテリアはBooであったが…)。

 あのフロントに配置されたメーターは視線移動が少なく相当見やすいと想像する。実用性が高い。

 

 …だが、気になる面も幾つかある。

 まず、値段。最安モデルで243万円。最高モデルで320万円。相当高価なシロモノである。因に先代(3代目)は、205万円〜327万円だ。ベースが高くなっているのは一目瞭然。

 燃費も細かいことを言えば40.8Km/ℓはEモデルで、その他のグレードは37.2Km/ℓ。

 先代は36.5Km/ℓ〜38.0Km/ℓであるから進歩はしているが、実際にそのアドバンテージが給油時に実感出来るかはビミョーだろう。

 何よりも、40.8Km/ℓはカタログスペックであり、実用燃費は良くても7割程度であろう。それでも街中を走って25Km/ℓ以上も出るのであれば、それは凄いことではある。

 

 一番気になっているのはスタイリングだ。

 あのフロントマスク…ブサイクだと思う。好みの問題であろうが。

 先進的なデザインであるとは思うが、やり過ぎ…だ。

 私は恥ずかしくて乗れない。

 さらに、致命的なのは後方視界だ。

 フロントからリアにかけてなだらかに競り上がるボディラインを引いて、それをハッチバックにしている。

 一見、リアウィンドウは大きいが、極度に寝かせてあるため、運転席から見る後方視界は絶望的に狭くなる。

 2代目、3代目もそうであったが、プリウスを運転していて一番困るのは首都高速への進入だ。

 後方の見切りが悪いため、大変進入し辛い。特に首都高速には右側レーンに進入させるランプ(例えば羽田)があるため、その度に恐ろしい目に遭うことになる。

 これに、大雨が加わると、これはもうアトラクションだ。

 以前も書いたが、大雨の日にプリウスは運転するべきではない。その弱点は、今回、さらに強化・拡大されてしまっている。

 とても素晴らしい車であるのだが、残念な車でもある、と思う。

 だからと言って、4ドアセダンでプリウスを作ってほしいと言うと「それじゃぁ、SAIを買いなさい」と怒られるだろう。

 因にプリウスを好きで買っている人を挑発しているつもりは無い。ただの感想だ。

 

 注目のプリウスであるが、その存在がTOYOTAの先進性を誇示する時代は既に終わっているかもしれない。

 「MIRAI」に未来があるかも怪しい。

 ハイブリッドはあくまでも燃料電池への繋ぎ。

 しかし、水素が環境性能の到達点であるかは、未だ結論は出ていない。

 テスラの存在は不気味だ…

 

離婚率について

 「今、日本では結婚した3組に1組が離婚している」というような話を聞いたことがある。

 げっ、凄い世の中になったなぁ〜、と能天気に捉えていたのだが、ちょっと待てよ。

 私の周りにも離婚した知人・友人は何人かいるが、3人に1人などという恐ろしい数ではない。

 幾らなんでも、そんなにポンポンと別れてはいない。ほとんどの方々は不満はあろうとも、平和に結婚生活を継続している。ご近所の皆様方を含めて…

 では、一体「3組に1組」という数字の根拠は何なのだろうか。暇だし、少し調べてみた。

 厚生労働省が「人口動態統計」というものを出している。これを見てみると、平成26年の離婚数は22.2万件とある。そして、それに対して婚姻数は64.9万件。

 「離婚率」という言葉があるが、政府が出している数値は1.77。これは、人口1000人あたりの割合を算出したものだ。因にUSAの離婚率は3.6、ドイツ2.19、フランス1.97だ。これを見るに、日本の離婚率が特段高い訳では無い。

 では、「3組に1組」という衝撃的な数値はどこから来たものかと言えば、

 離婚数22.2万件÷婚姻数64.9万件=34.2%

 であろう。

 しかし、この計算、おかしくないか?

 その年に結婚したカップルが次の年までに、その中の34%が離婚するのか、と言えばそういうことでは当然ない。

 こんな計算に意味は無い。

 

 「人口動態統計」には、恐らく国勢調査の結果を反映したと思われる「家族類型別一般世帯数」という数値が掲載されている。それによると平成22年の世帯数は5184万だ。

 その中で、「夫婦のみ」「夫婦と子供」世帯を合計したものは、2468万世帯。

 因に、母子家庭、父子家庭の合計は452万世帯。

 この年の離婚数は25.1万件。

 本来、離婚の度合いを計るのであればこの数値を用いるべきであろう。

 25.1 ÷ (2468.4+25.1)=1.00%

 これが本当の「離婚する度合い」に近い数値だ。

 100組に1組程度。

 これが多いのか、少ないのかは分からない。また、ただ離婚さえしなければ、それでハッピーという単純なことでもないだろう。

 昭和に比べれば離婚するカップルが増えていることは事実だ。

 

 お互いが人生を共に生きていく最良のパートナーであることが何よりも大切なことだと思う。