オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

難題…

 困った。

 本当に困っている。

 どうしようか…

 事の起こりは先週金曜日。とある本屋で衝撃的なものを私は見てしまった。

 これだ。

 

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 中を開いてみる。

 そうすると素晴らしいものが…

 

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 急いで値段を確認する。この手のシリーズものは初回だけはアンビリバボーなほど安価なものだ。

 "1299円!!!!!!!!"

 私は速攻で購入した。

 ものはケース越しにであるが見れば分かる。かなり精巧な作りだ。それも1/24スケール。

 このサイズ、品質で1300円なんてあり得ない!それも、TOYOTA2000GT !!!

 あり得ない!

 Oh my god !

 

 中を開くとこのようなものが出てきた。

 

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 圧巻。 

 EXCELLENT!

 何度も言うが、あり得ない!これが1300円!

 このシリーズ、今後、60号まで続くらしい。

 定期購読するな否か、迷っている。

 金額の問題ではない。

 

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 気にしているのは、これが60台も揃ったら、一体、家のどこに置くのだ?と言うこと。

 私は豪邸に住んでいる訳では無い。こんなでかいもの60台も置く場所は無い!

 でも、欲しい!

 でも、全部は買えない!

 今、私は本当にどうしようか困っている。

 

I LOVE YAMAHA

 2006年9月23日、夜8時を過ぎた頃だろうか…。拓郎は "ジャラン〜" とギターを1ストロークした後、ゆっくりと歌い出した。

 なのに永遠の嘘を聞きたくて…♩

 今日もまだこの街で酔っている…♩

 

 1パート目を歌った後の間奏の間に舞台の袖から一人の女性が現れた。会場の観客は最初どよめいた。

「誰?」

 どよめきは、すぐさま大きな歓声に変わった。会場が熱狂した。

 彼女は、2パート目以降を拓郎とともに歌った。

 そう、この曲は彼女が拓郎の復帰を記念して贈ったものだった。

 歌い終わると彼女は何も言わずに微笑みながら舞台を去った。最後に観客に向かって手を振った。

 拓郎はそのとき彼女を紹介する。

中島みゆき!!」

 

 この様子はNHK BSで生放映されていたらしい。私は編集された番組を後日見た。

 とてもよかった。ちょっとだけ涙ぐんでしまった。

 吉田拓郎かぐや姫にとっては、31年振りの「つま恋コンサート」だった。

 

 このコンサートが行われた会場「ヤマハリゾート つま恋」が今年一杯で閉鎖されるとのこと。

 私達、おっさんにとってこの施設は象徴的なものだ。

 やはり「ポプコン」のインパクトが大きい。

 そう言えば中島みゆきポプコン出身だった。世良公則チャゲアスもそうだ。

 ポプコンの場に限らないが、中島みゆきや多くのミュージシャンが演奏するキーボードのフロントにはいつもお決まりのエンブレムが見える。

 YAMAHA

 

  ピアノ、ギターと言えば、やはりYAMAHA、である。いや、KAWAIやRolandもあるが、私はYAMAHAがいい。

 我が家にあるピアノは当然YAMAHAだ(娘が弾いていた)。

 

 私は若い頃ギターを4本所有していた。アコースティック2本、バンジョー、エレキ、全てYAMAHA。購入に当たっては一応他メーカーのものも試している。その上で、YAMAHAを選択している。

 アコースティックギターについては、当時モーリスなどのライバル社もあったが、弾き比べてみると音質の差は明らかだった。

 「モーリス持てばスーパースターも夢じゃない」

 当時、アリスの谷村新司がCMをやっていたが、私の友人を含めてモーリスを持っている者は皆無であった。皆、知っていた。

 ギターはYAMAHAだ。

 

 私が最初に買った原付バイクは「YAMAHA JOG」。

 友人(Filio)が強く勧めたのだ。

 「ゆずさん、バイク買うなら絶対にYAMAHA!」

 彼はオフロードバイクが好きで乗っていたが、いつもYAMAHAだった。「エンジンはYAMAHAが最高!絶対に間違いないから」といつも言っていた。

 そう言えば、TOYOTA2000GTのカムヘッドはYAMAHA製だと彼が言っていた。ホントかいな…

 

 我が家のキッチンテーブルはYAMAHAだ。

 これは彼女のセレクト。

 大理石の使い方がとてもシャレているとのこと。

 そう言えば私の友人は新婚時に購入する家具をYAMAHAで揃えていた。

 

 若い頃着ていたヨットパーカーはYAMAHA

 

 お風呂場を改装する時にYAMAHAのユニットバスを検討した。なんとYAMAHAのユニットバスは、ipodが接続出来るようになっていた。デザインも良い。でも、サイズが合わなくて断念。

 結局、Takara。

 

 バドミントンのラケットはYONEX。私がプレーする訳ではないので…YAMAHAにはできない。

 テニスラケットはKawasaki。これは姉にもらったものだから(何と木製)。

 ゴルフクラブはSPALDING。安かったので。あと私はゴルフに気合いは入れない。入れていれば当然YAMAHAを買っている。

 AVアンプはYAMAHA。現在は、HTR-5067

 音叉はYAMAHA

 メトロノームYAMAHA

 彼女のスキー板はYAMAHA。私はATOMIC。YAMAHAさん、浮気してごめんなさい。

 MSXYAMAHAではない。いや、結局MSXは買わなかった。NEC PC-6001を持っていたので。

 

 YAMAHA製品って、一体何種類あるのだろうか。音叉からプレジャーボート、汎用エンジンまである。そう言えば文房具は作っていないのだろうか…。あれば買うのに。

 「ヤマハリゾート つま恋」の店じまいは、ヤマハの多角経営からの脱却。負の遺産の整理だそうだ。

「音質にこだわった製品や業務用機器を強化し、成長戦略の柱に据える」とのこと(日経新聞より引用)

 経営的にはそれが正しいのかも知れない。

 でも、色んなことをやっているヤマハが私は好きだ。

 YAMAHA のロゴが大好きだ。

 I LOVE YAMAHA

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

赤い3連星

 今、日没後の南の空を見ると縦に見事な3連星が見える。

 3つの星は相当に明るいので誰にでも視認出来るはずだ。

 これは、土星、火星、蠍座のアンタレスがたまたま縦に並んだものだ。

 ご承知の通りアンタレス、火星は元々が赤く見える星。一方、土星は元来赤く見えるわけではないが、3つ並んでいると不思議なことに赤く見える。

 まことに見事な「赤い3連星」が形成されている。

 このような並びを見たのは、私は初めてだ。極めて珍しい天文現象として、是非多くの方に認識頂きたいものだ。

 

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 このフォーメーションは、今だけだ。

 年内、土星は蠍座と天秤座を行ったり来たりしているが、火星は凄いスピートで蠍座、射手座、山羊座を駆け抜けて行く。

 この3連星はあと1ヵ月も続かない。

 蠍座は今、夜10時くらいには地平線に没してしまう。また、その時間は今後どんどん速くなる。

 そして、秋になると蠍座は日没になっても姿は見えなくなる。

 本当に今だけの3連星だ。

 

 実は今からおよそ2ヵ月後の10月28日、17時に似たような見事な3連星が観測出来るかも知れない。

 シミュレーションでは、火星に替わって金星がその場所にいるのだ。

 上記の時間にほぼ一直線になる。これも、凄い光景だ。

 しかしながら、10月末の夕方5時。西の地平線ぎりぎりのところだ。

 うまく見えるだろうか…

 是非、実現して欲しい。

 

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 太陽が沈み切っていない。明るくて見えないかも…

暑気払い

 今年の夏も暑い。

 熱い時には逆療法で「辛いもの」を食べると元気が出るとか。

 ホントか嘘か知っている訳ではないが、この数日カレーを頻繁に食している。

 妻が外出していることが多いので、昼食は自前で調達せねばならない。たまには自炊をするのであるが、今年は気が向かないのでもっぱら買い出したものを食している。カレーもレトルトや近所の弁当屋さんから調達している。

 レトルトは「銀座カリー」の中辛を選んでいる。これを「サトウのご飯」にかけて食する。

 

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 とても美味しい。これで十分。〆て300円程度。

 コスパは最高だ。

 一方、近所のオリジン弁当の「バターが決めてのチキンカレー」もお気に入りだ。

 素のカレー(トッピングなし)で450円。

 これ、めっちゃ美味しい。

 

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 カツカレーにすると相応の値段になってしまうが、なかなか贅沢な代物になる。たかがお弁当、しかし侮り難し。私はこれが結構気に入っている。

 

 あと、暑気払いにこれもお勧めだ。

 

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 場所は沼津ICから20分程度。

 三島広小路駅のすぐそば。

 お店の待ち時間は、2〜3時間。大したことはない。

 夏を楽しく過ごしましょう。

 

 

 

三浦には三崎がある

 横浜新道の戸塚料金所を潜ってからおよそ50Km。1時間程度の距離。

 三浦市三崎。

 三浦半島の南端になる。

 ここは「まぐろ(鮪)」の聖地だ。

 今年4月の高速道路料金改定の恩恵を受けている数少ない路線である「横浜横須賀道路」。地元の人達は "ヨコヨコ" と読んでいる。

 湘南方面からヨコヨコをアクセスする者にとっては、横浜新道の料金が200円→320円に改定されたため、首都高速への接続は負担が増えたが、それを補ってもおつりがある。三崎へのアクセスは、俄然、割安になった。

 衣笠ICを降りて三浦縦貫道に入り、134号線に合流し、そのままひたすら真っすぐ行くだけ。

 

 先日、数年ぶりに「まぐろ」と「スイカ」を目当てに三崎に行ってきた。

 休日であったが、梅雨明け前、夏休み前のせいか、人出はさほど多くはなかった。駐車場にも空きがある。

 最初の目当てはマグロ丼。

 鉄火にするか漬けにするか、いつも迷う。三崎のマグロ丼はどちらも捨て難く美味しい。よって、入ったお店のメニューを見て、その日の気分で決めている。

 今回、行った店は「鮮味楽」。いつも行列が出来ている人気店。

 前々から機会があれば行こうと決めていた。

 

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 このお店、少々値段は高いがその価値はある。しっかりとした寿司が堪能出来る。

 マグロ丼は極めて美味であった。

 

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 シャリは多くない。

 しかし、マグロの切り身は見た目以上に太く大きく分量がある。だから、シャリは少なめで十分だ。

 これで、丼にしっかりとシャリが載っていると、恐らく普通の人は食し切れない。残すことになると思う。

 よって、これがベスト。

 極めて美味。

 パーフェクトである。

 

 因に、この店は一定金額(確か3000円)以上で駐車券のサービス付き。精算時にもらうことを忘れないこと。

 

 食後は「みさきまぐろ倶楽部 うらり店」に直行。この日は、お店の方からマグロの頬肉を勧められたので、それを購入した。そこら辺のスーパーでは目にしないもの。これも美味。

 この「うらり店」で2000円以上の買い物をすると三浦縦貫道路の通行券(300円相当)がもらえる。忘れずにもらおう。帰り道のヨコヨコまでが無料になる。

 

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 そして帰路、道沿いの農家でスイカを購入。軒先では試食を豪快にさせてくれる。私は、大きなスイカの切身を3つ食べた。所望すれば、恐らくいくらでも食べさせてくれると思う。

 三浦は大根が有名であるが、スイカも十分に美味しい。今回は2000円の巨大なモノを買った。

 おまけに、トマト(超新鮮)を4つ貰った。 

 

 

 神奈川県には三浦半島がある。

 三浦には、とても美味しい野菜がある。

 夏はスイカ。

 年中、マグロ。

 ああ、三崎があって良かった…

 

 

いざ、モンロー主義へ

 先日、USAの共和党大統領候補トランプ氏が指名受諾演説を行った。

 7/23日経新聞にはその演説要旨が掲載されている。

 内容を思い切り要約すると次のようになる。

 

クリントン夫婦とその取り巻きは、自分達に有利な政治・経済システムを作ってきた。彼女はそのスポンサー達の操り人形だ。この腐敗構造を是正するには政権交代するしか無い

・不法移民による犯罪を減らす(撲滅する)。メキシコとの国境沿いに壁を作ってでも(費用はメキシコ持ち)。移民に制約を設けることも止む得ない。USAを愛するもの以外を国内には入れない

・アホみたいな外交はもうしない。イラン合意、リビアへの軍事介入、シリアへの内政干渉は前政権の失態。もう放っておく。私にはUSAが大事

NATOはいらない。だからもう金は出さない。日米安保も見直す。日本は自分で自分を守ること。そのためには核兵器を保持しても構わない。USA軍に駐留してほしいなら経費を出せ

・ISは許さない。イスラム教も許さない。イスラエルは友達

TPPは国内の製造業を破壊するので廃止。NAFTAもいらん。中国のダンピングを許さない。自由貿易協定なんていらない。国別に協定する。弱者(国)救済に興味は無い

所得税法人税の大減税をする

・国内雇用を取り戻す。製造業の海外進出を名目にした従業員解雇は許さない

オバマケアは廃止。銃規制に賛成

・私が大統領になった時に進めるのは、グローバリズムではなくアメリカニズムだ

 

 こうして纏めてみると、究極の泡沫候補と見られていたトランプ氏であるが、言っていることは支離滅裂なことばかりではなさそうだ。

 彼は「自国第一主義だ」と言ってる。

 「世界の警察はやめる」

 「パックスアメリカーナのような都合の良い仕掛けは維持出来ない」

 「中東のことなんてどうでも良い。勝手に戦争をしていろ。ただし、USAを巻き込んだりしたら十倍返しだ」

 「国が集まって自由貿易圏を形成したり、集団安全保障をUSAの資金で実現したりすることに興味は無い。自分の事は自分でやるから、俺のことは構うな」

 と、言っている。

 これまでUSAがとってきた政治姿勢、外交方針から見ると、とんでもない方針転換であるが、例えば現代史におけるロシアの位置付けを見てみれば、大国としてあり得ない振る舞いとまでは言えない。

 ましてや、近年の中国の傍若無人な振る舞いを踏まえれば、十分に理性的な外交姿勢とも捉えられる。

 USAは、経済・産業の競争力が極めて高い、自立した国だ。他国の世話になることはない。だから、これまでは他国の面倒を見てきた。まるで、世界家族の長兄のように。

 その役割を終え、自らの道を進むと言っているように聞こえる。

 で、あれば私達にとやかく言う権利はないだろう。

 自力自決が世の中の基本姿勢だ。

 過去のサルコジ氏やプーチン氏、あるいは、お隣の国家主席の言動と人となりを思い浮かべてみる…

 意外と次期大統領候補は、"まとも" かも知れない。

 単に、70年前の国家観を復古しただけ。

 モンロー主義への回帰。

 USAのロシア化、中国化が進んだだけ、かもしれない。

 

国民的議論は不要です

 今から28年前、多くのフラッシュ点滅の中で「平成」という元号が小渕官房長官から発表された。TVニュースは早速、街中をゆく人にマイクを向けていた。

 「平成?ピンと来ない」

 「別に昭和のままでいいのでは?」

 「いいですね。平和に成る、っていうイメージ」

 3番目の意見を表明したのは、若い女性の方だったと記憶している。私も同感だった。「平成」という元号は一発で気に入った。

 日本では新しい天皇が即位すると元号が変わる。

 今上天皇の健康状態が兼ねてから懸念されるような状態であれば、新元号の準備は自ずと関係者により水面下で進められている。

 あるいは、天皇が一般に見て高齢であるとの認識がなされているのであれば、それは健康状態によらず、何年かの確信的な事前準備期間をもって検討されているのだと思う。

 現に「平成」については、そうであったと聞く。

 元号は、慣行として中国の古典から引用されるらしい。色々と気になる行動をしている隣国であるが、私達の文化に多大なる影響と恩恵をもたらしてくれている。近々、またお世話になるのかも知れない。

 

 天皇陛下が生前退位の意向を示されているとのこと。

 昨日から、TV、新聞は賑やかだ。

 「陛下のご意志のままにして差し上げれば良いじゃん…」と私は考えていたが、ことはそんな単純ではないらしい。

皇室典範の改正がないと生前退位はできない

天皇が退位の意向を示すことは憲法への介入、政治への干渉となる

天皇退位後の身分・名称をどうする

④前天皇と現天皇が同時に存在すると権威が2つに分断され色々と揉める

⑤皇后さまのご処遇をどうするのか。雅子さまは健康上の理由で皇后さまほどの公務はこなせないのではないか

⑥そもそも、近代では前例がないのでそんなことやりたくない、考えたくない、という国民の意識がある

 ざっと、このような旨のことが新聞には書いてある。

 確かに…、ことは複雑だ。

 しかし、②の考え方は如何なものか。憲法学者法律学者が黙っていないというが、まさか後醍醐天皇の新政を再現するわけではあるまいし、陛下の意向の真意はそのようなものではないだろう。あまりに杓子定規過ぎる。

 ③は「上皇」でいいんじゃね?

 ④も南北朝時代じゃあるまいし、と思ったが、でもそんなこともあるのかな…?国民が天皇派と上皇派に別れるとでも言うのかしら。そんなことが起きたら確かに大変だ。

 ⑥は「国民的議論が必要」とマスコミが喧伝する理由。そして、皇室典範の改正には時間が必要、数年間はかかる、との言い方の根拠であろう。

 

 天皇陛下は、既に80歳を超えられている。健康状態も決して万全と楽観視できないかもしれない。なのに、2年も3年もかけて議論しろとマスコミ、有識者は言うのだろうか。

 それまで(議論が終わるまで)は、これまで通り激務を有無を言わずこなせ、働け、と言うのだろうか。

 自分から天皇を止めたい、と発言されるのは憲法違反で重罪ですよと言うのか(恐れ多い)。

 安保法制が憲法違反であることを承知で、ほんの数ヵ月間の議論と強行採決で早々に成立させた政府と、それを傍観した専門家、有識者は、皇室典範の改定には2年も3年もかけるべきだと言うのか。

 私は目眩がする。

 「国民的議論」などしなくとも、私達の意思は決まっている。

 

 「陛下の思うままにして差し上げたい」…だ。

 

 私達に変な責任を転嫁しないで欲しい。

 南北朝時代を反省するのであれば、その方策を検討・提示するのは専門家と政府の仕事だ。

 建前論を振りかざして、このまま陛下をこき使うつもりなのであれば、それこそブラック国家だ。

 今こそ、ソーリのリーダーシップが求められている。

 

 

 

 

 

 

ゼウスが残したもの

 全知全能の神。その名をゼウスという。

 ゼウスは全知全能であるが、実はお下劣でスケベ、下半身は人格無しだった。

 彼は、女に目がない。

 ゲスの神様だった。

 女をモノにするためにはどんなことでもする。全知全能を使って。

 ある日、ゼウスは野原で絶世の美女を見かけた。

 ゼウスはどうしても彼女を手に入れたかった。どうすれば想いを遂げられるか懸命に考えた。そして、その熟考の末、彼は ”牛” になった。

 全知全能の神が…である。

 その後、野原にいるフツーの牛さんの振りをして彼女に近づいた。

 彼女は、すぐ、その牛に気がついた。

 純白でとても美しい牡牛。彼女は、牛の頭を撫でた。

 牛は嬉しそうに鳴いた。

 彼女は牛が気に入った。そして、それにまたがった。

 牛は、しばらく野原を歩いていたが、海辺に着くと突如走り出した。そして、そのまま海に飛び込んだ。

 彼女は大層驚いたが、海中では魚やイルカ、そして妖精たちが彼女を歓迎した。

「あなたは誰?」

「私は神々の王、ゼウス。恐れることは無い。愛ゆえにこのような姿でお前を迎えにきた」

 ゼウスは、彼女を自分が生まれた土地、地中海に浮かぶ島、クレタ島に連れて行った。そして、二人は夫婦となった。

 ゼウスは、その記念に自らが変身した牛の姿を夜空に投影した。

 それが現在で言う「牡牛座」だ。

 残念ながら、牡牛座に品位というものを感じられない。

 彼女の名は「エウロパ」という。やがて、彼女が住む新しい土地はその名をとって「ヨーロッパ」と呼ばれることとなった。

 

 

 ほどほどの年月生きていると、とんでもない事件に出くわしたり、あるいは出来事を見聞したりするものだ。

 私のなんでもない人生の中でも1990年にあったドイツ統合や湾岸戦争は、記憶に残る大事件の一つであった。

 そして、今回のブリテンEU離脱

 これは、まぎれもなく大事件であり、後年、歴史教科書に掲載されることになるだろう。

 まさか、このようなことが起きるとは夢にも思っていなかった。

 壮大な社会実験の ”終焉 ” の始まりを今、私達は見ているのだろうか。

 

 欧州からは遠いところに住む私達日本人には、ブリテンの人達の気持ちは分からない。

 果たして、北アイルランドスコットランドは王国連合に残るのか、あるいはブリテンから離脱し、EUへの加盟を目指すのだろうか…

 日本では二言目には「欧米」という言葉を発する人がいるが、そもそも、欧州とUSAは各々が同じ政治体制・文化・メンタリティを有する国ではない。

 USAは州の連合体であり、50の制度・文化をもつ地域の集まりだ。建国して200年と少し。若い、連合体国家だ。

 そして、欧州は古い歴史を持つおよそ50の国家から形成される。

 それぞれが有史以来、独自の文化・歴史を刻んできている。

 その中で、EU加盟国は28ヵ国。

 およそ、半分だけだ。

 ひとくくりに「欧米」などと呼べるものではない。

 

 今回の一件が、他の加盟諸国に与える精神的インパクトは無視出来ない。今後、ブリテンに追随する国が出てくることも否定出来ない。

 果たして、欧州の鉄の結束は破綻してしまうのだろうか…

 

 日本のマスコミは世界的な経済危機が来るかのように煽りまくっている。今朝の日経新聞もこの通り。

 

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↑ ユーロ導入前の各国のコイン6ヵ国分。当時、国同士の行き来がどんだけ不便だったか想像出来る? 

 

 株価の下落により時価総額の5%、およそ330兆円が1日で失われた、と言うがこれはホントではない。330兆円は、金(GOLD)かプラチナか、円か石油に変わっただけだ。失われた訳では無い。お金が証券から別のものへと形を替えただけだ。

 このような算数に一体何の意味があると言うのだろう。

 考えるべきは、金の問題ではない。別にある。

 

 それからこれを機に言っておきたい。

 少子高齢化を突き進む日本において、その解決策に「移民」というキーワードを安直に発していた人達よ。

 「ユーロに学べ」

 移民政策など、そんな簡単に言い出すものではない。

 国家のアイデンティティに関わる重要問題だ。

 真の差別の無い国家・地域社会が日本に簡単に作れると妄想しているのか?

 今でもさまざまなハラスメントを根絶できず、ブラックな労働観が蔓延するこの国で。

 この国の民族構成は比較的シンプルだ。それにもかかわらず、差別が存在するのだ。 評論家は、身の程を自覚すべきだろう。

 

 

 「この地で、二度と戦争を起こさない」

 恐らくEU設立の当初の理念・目的は、そのようにシンプルなものであったと思う。

 しかし、時は流れ、やがて理想だけではその結束を維持することが出来なくなってきた。

 「私達は私達」

 ブリテンの人達の自力自決の崇高な理念。

 ブリテンは、時計の針を戻したのか…、あるいは進めたのか。

 ゼウスの忘れ形見は、果たして今後どのような歴史を刻むのであろうか。

 

 

 

 

 

 

 

ダイヤモンド印の価値

 横須賀の海洋開発研究機構(JAMSTEC)で、「しんかい2000」のディスプレイ(実物)を見学したことがある。

 自力で深々度まで潜水、浮上できる有人潜水調査船は世界でも極めて珍しく、ほんの数隻しか存在しないそうだ。現在、海洋国日本には、最新式の調査船「しんかい6500」が就航していている。

 

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 「しんかい」は、実物を見ると分かるが、極めて精巧・精緻な技術で製造されている。他社がおいそれとは真似ることの出来ない造船技術だ。

 私は説明者に聞いた。

 「これ、どこの会社が作っているんですか」

 「名前は言えないんですが…」

 「当然、独自設計ですよね」

 「もちろん」

 「どこでも作れる訳では無い」

 「そうですね。特定のところでないと作れません」

 「三菱(重工)だな…」

 「まあ…」

 

 こういう特殊な製造物に出くわすと「スリーダイヤ」の名を聞くことが多い気がする。そして、その事実が「三菱」という会社の凄さを物語る。

 最新鋭の打撃巡洋艦ディーゼル式潜水艦。これも、恐らく三菱重工製だ。

 多くの人達は、H-ⅡAロケットの打ち上げ映像を見たことがあると思う。そして、その絵を通じて「JAXA」そして「三菱重工」という文字(社名)を見ている。三菱=日本有数、あるいは国内最高のコンストラクター、とのイメージがあることは間違いない。

 そして、それはイメージだけではない。事実、この会社にしか作れないものは数多く存在すると思う。私達がそれを知らないだけだ。

 その会社から派生したのが「三菱自動車」。

 設立は1970年。意外と新しい。

 三菱自動車は、自動車生産数では国内ではマイナーの存在だ。しかし、ヒット作、名作も数多く輩出している。

・ギャランΣ、Λ

パジェロ

ランエボ

 上記は自動車史にしっかりと刻まれた名車だ。

 そして、”痛い”車もちゃんと作っている。

デボネア

・スタリオン

GTO

 が代表格。これらは全くもって他の追随を許さない”痛さ”だった。

 

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 けなしているばかりではない。

 スタリオンは親しい友人が所有していた。

 実は、この車、一度、乗せてもらったことがある。

 見かけはみっともない、どうしようもないスタイルをしているのであるが、乗ってみるとちゃんとしたスポーツカーであることが分かる。

 メーター周りのデザインが凄く良い。カッコ良いのだ。着座位置も低く如何にもスポーツカーといった雰囲気を持っている。

 そして、速い。バカッ速。

 その分、燃費は悪い。

 燃料タンクは100ℓ入ると友人が言っていた。

 「本当か?」と思ったのであるが、この車はUSAでも販売していたのであり得ることだ。

 

 GTOについては、以前、こき下ろしたことがあるが、デザイン自体は好きだ。カッコいいと思う。ただ、FFでスポーツカーもどきを作ってしまう性根が気に食わないだけ。

 GTOシャシーは「ギャラン」だ。「ギャラン」の車台を流用している限り、この車がFFであることは仕方の無いこと。いや、FFベースの車台で4WDスポーツカーを作った三菱を褒めてあげるべきかも知れない。スポーツカーとしての出自が悪いだけで、モノ自体は悪くない。

 

 パジェロランエボの偉大さについては、もはや説明の必要が無い。

 これらが自動車技術史に残した功績は大きい。本当に素晴らしい車だった。

 

 ちょっと前に日本経済新聞が「三菱重工日立製作所が経営統合!!」という大スクープ記事を出したことがある。

 日本を代表する2大企業の合併ということもあり、結構な話題となった。

 結果として、この記事は「ガセ」であった訳だが、この後「三菱日立パワーシステムズ」は設立された。全てが「ガセ」であった訳では無い。

 当時ネットで「三菱が日立のような3流会社と合併する訳が無い」という意見を見た記憶がある。

 私はこの意見に違和感を持っていた。

 この意見を投稿した者は以下のうちのどれかに分類される。

①三菱関係の者

②日立関係の者

③三菱/日立と仕事をしたことがある者

④上記のいずれでもない者

 私が違和感を持ったのは「日立製作所は3流会社なのか?」ということだ。

 ①〜③に属する者が投稿した意見であれば一考に値する。何故なら、三菱/日立の内情・現実を知っているからだ。

 ①であれば、それは三菱社員の本音。

 ②であれば、日立社員の自虐的叫び、絶望の意思表明。

 ③であれば、仕事面で日立に懲り懲りの目にあわされた者だろう。

 ④の場合。確たる根拠も無く日立を3流会社と言っていることになる。

 いくら便所の落書きとは言え、日本を代表する総合電機メーカーを「3流」と一刀両断にするのであるから、発言者は大した見識である。

 そしてそれは、そのまま三菱のブランドの高さを示していることになる。

 三菱 > 日立、と言っているのだ。

 三菱は一流。それに比較すれば日立は2流以下であり、身分不相応の日立ごときが合併する立場には無い、と言っているのだ。

 この感覚が日本人の平均的なものだと言うのであれば、三菱ブランドは大したモノだと思う。

 ・・・

 そして、それが三菱自動車の ”弱点” だ。

 日本を代表する企業群団。国家を支えてきたエリート。高い技術力。人々のそれへの信奉。決してつぶれることがない会社。恐らく、他の企業が何年経っても得ることのできない企業ブランド。

 これらの価値観に裏打ちされたプライドが改革の障壁になっている。変革の芽を潰している。

 

www3.nhk.or.jp

 

 三菱自動車の再生は果たして成されるか…

 罪は深い、と思っている。 

 

 

 

 

  

DVD/BDコンテンツの将来

 最近、JCOMで番組を見ていて少し嬉しいことがあった。

 「火の鳥:鳳凰編」「デビルマンOVA(誕生編/シレーヌ編)」「魔法少女まどか☆マギカ(全話)」が放映されたのだ。

 上記は、各々以前に見たことがあるのであるが、どうしてももう一度見てみたくなり、DVDを購入しようかと考えていた矢先のことだった。

 私は暇人であるが、かといって、日中昼間からずっとTVを見ている訳にはいかない。少しは仕事もしなくてはならないし、会社らしき所にも行かねばならない。番組表等で事前にあらゆるコンテンツの放映予定が分かっていれば、見逃すこともないのであるが、中々そうもいかない。

 いつ、どのようなコンテンツが放映されるのか、手軽に認識できる方法があればいいのにと日頃から思っている。

 

 どうしても見てみたい番組があれば、それを叶える一番の近道はコンテンツをDVD/BDで購入することだ。しかし、値段が高い。何故か凄く高い。だから、何でかんでも買ってしまう、という訳にはいかない。

 その点、2〜3年待っても構わない、と居直ることができるのであれば、JCOMで放映されるまで待てば良い、ということだ。

 若い人には耐えられないと思うが、私のようなおっさんになると大丈夫だ。待てる。十分に待てる。

 この考え方で、ずーーーーーっと待っているのが「魔法少女まどか☆マギカ:叛逆の物語」だ。

 この話、さすがにおっさん一人で映画館に足は運べなかった。息子に『「マドマギ」見に行かね?』と聞いたら、「おやじ、何それ?」と言われた。

 エヴァンゲリオンに誘ったら「ゴメン、友達と行く」

 おっさんはアニメひとつ見るのも大変なのだ。

 と、言う訳で早く「魔法少女まどか☆マギカ」放映しないかなぁ…、と待ち続けている。

 以前、刑事コロンボのBDを購入した話を書いたが、実は今でも某CHでこの番組は放映されている。つまり、BDを買わなくても全話見ることは可能であるということ。マメにチェックさえすれば。

 これは、STAR TREKについても同様だ。

 で、あれば今後、コレクションにするつもりがなければ、特定の番組見たさにDVD/BDを購入することは無いかもしれない。ひたすら、JCOMでの放映を待ち続ける…

 今、JCOMでの放映を心待ちにしているシリーズは、例えば以下のもの。

 

・「物語」シリーズ

・救急指令ソルブレイン

帰ってきたウルトラマン

サンダーバード

 

 一方、以下の番組については、JCOMでの放映のおかげでDVD/BD購入に至らなかったもの。

 

銀魂

イニシャルD

黒子のバスケ

世界名作劇場小公女セーラ/ロミオの青い空/7つの海のティコ、等)

ガンダムユニコーン

アルスラーン戦記

レ・ミゼラブル

NHK 映像の世紀

・Discovery CHのドキュメンタリーの多くの作品

 

 因に大概の映画については欲求を満足済みだ。

 JCOM最高。

 しかし思うに、今後、誰がDVD/BDをあの値段で購入するのだろうか。

 BDは全て1000円にしないと売れない、と心配している。

 

 

 

 

18歳への難問

 参議院選挙は7月10日が投票日となった。

 先の国会閉幕直後の首相記者会見での表明により、与党側の選挙争点は「消費税増税の延期」を是とするか、非とするかだ、と定義された。

 増税延期は、経済の客観情勢から見て恐らく妥当な判断なのだと思う。相当前から専門家の一部の方々は「延期」を提唱されていた。

 政府は認めなかったが、2014年4月の8%への税率引き上げの影響は相当なものだったようだ。このままの経済情勢で10%への引き上げが実施された場合、景気への打撃は致命的なものになったことだろう。

 アベノミクスの正否は、こういっては何だが、もうどうでもいい。

 日銀が如何なる金融政策を打ち出そうと、政府がどれだけ土建屋に仕事を与えようと、一般消費者の家計には何の福音も与えないということが、自明ではあったが、安倍政権下で改めて証明されたということだ。

 今後、「・・・〜ミクス」という訳の分からん恥ずかしい政策名を使う総理大臣は2度といないであろう。

 これまで本当に恥ずかしかった。

 

 さて、今回の参議院選挙から、選挙権が18歳にまで拡大される。

 若い世代の投票率がどうなるのか、少し興味がある。

 恐らく、20歳と18歳の投票率に大きな差が出るとも思えないが、ともかく彼らがどのような判断をするのかは興味がある。

 しかし、彼らにとってはいきなりの難問であるとは思う。

 首相は「参院選で消費増税延期の信を問う」と表明した。

 自民党が勝てば(連立与党で過半数確保)、臨時国会で延期のための法案が出され、消費税はめでたく2年半、延期となる。しかし、公約を守れなかっただけでなく、自らの政策失敗を認めようともしない「嘘つきの政権」を支持することを意味する。

 一方、現政権を否定するのであれば、どこかの野党に投票せざるを得ない。

 しかし、統一名簿すら作れない野党に政権交代の夢を託す楽天家、というか、愚か者は恐らくいまい。

 18歳の彼らは、いきなり究極の選択をしなくてはならない。

 どこに投票しても、意思表明としてはろくなものではない。

 よくよく考えれば、どの政党も支持するに足りないのだ。

 カレーみたいなウンコとウンコみたいなカレー、どちらがいい?と聞かれているようなもの。ふざけるな、と彼らも言いたいと思う。

 そして、このことが若い世代の絶望、虚無感、政治へのシラケを誘発している。

 私達はこんな社会の状況を放置していて良いのだろうか。

 あんなアホな政治家をこのまま生息させておいて良いのだろうか。

 東京都知事の記者会見を見て、皆、何とも思わないのだろうか。

 「新しい判断」と公約破棄の違いは何なのか。高校生にも分かるように説明する大人はいないのか。

 

 ある世論調査によると、増税延期の賛成/反対は各々30%程度で拮抗している。

 しかし、問題は残りの40%近くが「どちらとも言えない」と回答していることだ。

 どちらでもない?

 それを思考停止というのだ。

 考えていない。

 この40%の人間は恐らく投票には行かない。公民権を放棄する。どうでも良いと思っている無責任な大人たちだ。

 このようなアンケート結果を世の大人たちは恥ずかしいとは思わないのか?

 この国の美徳は死んだ。

 そう、「この国はすでに死んでいる」のかも知れない。

 「日本、死ね」と言われるまでもなく…

 

 

We shall not perish from the earth.

 先日、読売新聞で興味深い記事を見かけた。以下がそれだ。

 

トランプの小学生英語が米国民にササる訳 : 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20160527-OYT8T50012.html?from=tw

 

 要するに、何故、トランプ候補のスピーチがアメリカ国民にかくも受けているのか、と言うと敢えて場に応じた、分かり易い言葉を選び、飾ること無くどちらかというと庶民的(?)な俗っぽい内容であるからだ、ということらしい。

 う〜ん、分かったような、分からないような。

 引き合いに出されている日本人政治家は田中角栄。なるほど…

 しかし、トランプ氏と言えば、角栄というよりは麻生太郎の方が近い気がするが如何だろうか。我が国においては、太郎は十分に下品だ。資産家で横柄だし。

 何でもトランプ氏の英語のレベルは、引用記事によると6年生レベル未満だそうだ。え〜って感じがする。

 この記事の中でも引用されている見本が、かの有名なリンカーンゲティスバーグにおける演説だ。

 この演説がUSA史の中で最も優れているという説は、D・カーネギーの著書「話し方入門」にも出てくる。

 リンカーンのレベルは11年生、日本でいうと高校2年生とのこと。これで、高校生なんだ…

 スピーチの見本であると、あちこちで絶賛されているので、それを引用しておく。ソースは何とアメリカ大使館のポータルサイト

 

Four score and seven years ago our fathers brought forth on this continent, a new nation, conceived in Liberty, and dedicated to the proposition that all men are created equal.

Now we are engaged in a great civil war, testing whether that nation, or any nation so conceived and so dedicated, can long endure. We are met on a great battle-field of that war. We have come to dedicate a portion of that field, as a final resting place for those who here gave their lives that the nation might live. It is altogether fitting and proper that we should do this.

But, in a larger sense, we can not dedicate - we can not consecrate - we can not hallow - this ground. The brave men, living and dead, who struggled here, have consecrated it, far above our poor power to add or detract. The world will little note, nor long remember what we say here, but it can never forget what they did here. It is for us the living, rather, to be dedicated here to the unfinished work which they who fought here have thus far so nobly advanced. It is rather for us to be here dedicated to the great task remaining before us - that from these honored dead we take increased devotion to that cause for which they gave the last full measure of devotion - that we here highly resolve that these dead shall not have died in vain - that this nation, under God, shall have a new birth of freedom - and that government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth.

87年前、われわれの父祖たちは、自由の精神にはぐくまれ、人はみな平等に創られているという信条にささげられた新しい国家を、この大陸に誕生させた。

今われわれは、一大内戦のさなかにあり、戦うことにより、自由の精神をはぐくみ、自由の心情にささげられたこの国家が、或いは、このようなあらゆる 国家が、長く存続することは可能なのかどうかを試しているわけである。われわれはそのような戦争に一大激戦の地で、相会している。われわれはこの国家が生 き永らえるようにと、ここで生命を捧げた人々の最後の安息の場所として、この戦場の一部をささげるためにやって来た。われわれがそうすることは、まことに 適切であり好ましいことである。

しかし、さらに大きな意味で、われわれは、この土地をささげることはできない。清めささげることもできない。聖別することもできない。足すことも引 くこともできない、われわれの貧弱な力をはるかに超越し、生き残った者、戦死した者とを問わず、ここで闘った勇敢な人々がすでに、この土地を清めささげて いるからである。世界は、われわれがここで述べることに、さして注意を払わず、長く記憶にとどめることもないだろう。しかし、彼らがここで成した事を決し て忘れ去ることはできない。ここで戦った人々が気高くもここまで勇敢に推し進めてきた未完の事業にここでささげるべきは、むしろ生きているわれわれなのである。われわれの目の前に残された偉大な事業にここで身をささげるべきは、むしろわれわれ自身なのである。―それは、名誉ある戦死者たちが、最後の全力を 尽くして身命をささげた偉大な大義に対して、彼らの後を受け継いで、われわれが一層の献身を決意することであり、これらの戦死者の死を決して無駄にしない ために、この国に神の下で自由の新しい誕生を迎えさせるために、そして、人民の人民による人民のための政治を地上から決して絶滅させないために、われわれ がここで固く決意することである。

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 文法としては、決して難しくはないと思う。そして、それがリンカーンの良い所。そして、内容とその表現は歴代の誰よりも高潔であるという…

 

 先日、オバマ大統領が広島市を訪問し核なき世界の実現に向けたスピーチを行った。

 謝罪無き内容が云々、という人もいるが、私は新聞で彼のスーピ全文を読んで素直に感動した。

 ただ単に、彼の伝えたいとするメッセージに共感した。

 2009年1月20日、ワシントン連邦議会前での就任演説も気に入っている。

 彼は政治家であり、その演説にさまざまな思惑が隠れていたとしても当然である。

 しかし、私は彼の演説は好きだ。

 

 

若冲展、その後…

 熱狂と言ってもいい状況の中、若冲展は終わった。

 入場者数は、何と44万人とのこと。1日当たり1万人以上が訪れた計算になる。

 多くの人々が、300年前の天才が残した名画に酔ったことだろう。私もその中の一人だ。

 実は若冲展において残念なことが一つあった。

 展覧会のカタログが品切れしていたのだ。

 私は絶対に買うつもりであったので、相当にショックだった。

 会場では、後日の郵送申し込みを受付けていた。もちろん、迷うこと無く申し込んだ。

 発送は、23日以降とのこと。値段は3000円。送料は無料。

 3000円はこの手の書籍としては相場。カタログは毎回買っている訳ではない。気が向いた時だけだ。この前は2011年夏の「空海密教美術展」で買って以来になる。

 何とも待ち遠しい気持ちを押し込めて私は申し込み手続きを行った。

 

 5月27日(金)、カタログは着荷した。

 あの感動が再来した。

 見ての通り、表紙自体が既にアートである。装丁も非常に丁寧で美しい。

 一端であるが内容を紹介させて頂く。

 

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 このようなものがこの値段で手に入ることがありがたい。

 展覧会自体が素晴らしいものではあったが、このカタログはその内容を記録・記憶しておくに相応しいものである。

 たった3000円でこれが手元に置けることは幸運だ。

 手に取ってみて、本に心を動かされたのは一体何年ぶりだろうか…

 宝物にしたいと思う。

 

若冲が大好きな日本人

 日曜日(5/15)に「若冲展」に行ってきた。

 連日、凄い人出で会場が混雑を極めていることは知っていた。平日でも2時間待ちは当然と噂されていた。

 しかし、どうしても見てみたかったので、彼女を誘ってみたら「いいよ」との返事。

 彼女は若冲のことは全く知らない(現代画家だと思っていたらしい)。

 しかし、どうやら友人などから話を聞いて興味を持っていたようだった。

 私達は、美術館での待ち行列を覚悟して、朝一番で出発した。

 2人とも涼しい服装で水分も持参。2〜3時間の待ち行列を想定して完全武装の準備をした。

 上野に到着したのは9時過ぎ。開館は9時30分だ。

 美術館に到着すると、既に長い行列ができていた。

 チケットは前日に彼女がファミマで購入してくれている。

 直ちに行列最後尾に並ぶ。

 係員のプラカードによると、待ち時間は「240分」とのこと。

 「・・・」

 である。

 

 しかし、ともかく並ぶ…

 現地は大変な混雑であったが行動に迷うことはなかった。

 係員の方が

「入場券購入の方はこちらです…」

「既にチケットをお持ちの方はこちらに並んで下さい」

 と、丁寧にエスコートしてくれている。

 私達が並んだ後も、続々と人がやってくる。ほんの数分もすると、私達の後ろには驚くような行列ができていた。そして、その行き先は遥か彼方だ。

「一体、この行列、どこからどこまでいくんだ?」

 その日は熱い朝であったが、逆に背筋が寒くなった。

 

 列は延々と続く。

 どうやら、美術館の周りをとり囲んで、その先で折り返しているようだった。

 皆さん、私達と同様に覚悟の上の行列らしく、さまざまな準備をされていた。

 文庫本を持ち、日傘をさして並んでいるご夫人・紳士が多く目についた。タブレットを手にする人もいる。

 中には、Mac Book Airを手のひらに乗せて何やら入力しながら並ぶ人や、ビシッとスーツ・ネクタイを決めたビジネスマンらしき方がいた。着物姿のご夫人も数人いらっしゃった。

 年齢層は、まさにさまざま。決して中高年ばかりではない。外人さんもいた。

 ベビーカーに小さな子供を乗せ、ひたすら日光から守るように列に並ばれているママもいる。

 そもそも、若冲展が大変な人気で壮絶な混雑をしていることは知っていたが、それにしても、日曜の朝から、炎天下をかいくぐりこれだけの人達が行列を作るとは、やはり驚きだった。

 

 一方、現地には多くのスタッフが配置されていた。

「4列に並んで下さい。他の方の通行のための道を空けて下さい」

「待ち時間は長くなりますので途中での水分補給を欠かさないで下さい」

「気分が悪くなったら、最寄りのスタッフに声をかけて下さい。大丈夫でしょうか…?」

「並んでいる方々で交代して木陰で休憩をとるなど無理をしないで下さい」

「小さなお子様、ご高齢の方々への配慮をお願いします」

 多くのスタッフが、並んでいる途中で卒倒する人が無いよう、色々な声掛けをしてくれていた。

 行列の途中には給水所が設けられている。

 人々は行列を一時離れ、水を手にするとまたもとの行列に戻る。混乱は無い。

 また、行列は主催者側が意識していたのか不明であるが、木陰が続く通路沿いにエスコートされていた。だから直射日光を浴び続けた訳では無い。

 そして、これには私達も助けられたのであるが、現地スタッフが日傘を配っていた。この日傘は、美術館の入口で回収された。

 係員は、タイミングを見計らって注意喚起を行う。

「この先に自動販売機があります。必要であれば飲料水の購入をして下さい。列を離れる場合は、周りの人に声をかけて下さい」

 この行列は大変な苦行ではあったが、トラブルを出来る限り起こさない努力を主催者側がしてくれていることは理解出来た。

 また、それが如何にも日本らしい配慮だと感じた。

 結局、私達は3時間待って入場した。

 本来であれば、誰もこのような行列に好きで並ぶ人などいまい。

 それもこれも皆「若冲」が見たいからだ。良く我慢したものだ。

 そして、その甲斐はあった。

 

 圧巻だった。

 絵を見てこれほど圧倒されたのは初めてだ。会場では、ため息と感嘆の声があちこちから聞こえた。

 

 300年前の天才画師に多くの人が熱狂した。

 夢を見ているような1時間であった。

 そして、それにたどり着くまでの間の人々の想いや行動は、いかにも日本人らしかったような気がする。

 そう、私達は若冲が大好きな日本人なのだ。

  

 

 

 

どうしても欲しいもの

 撮り鉄がどこそこでトラブルを起こした、迷惑行為をしたとの記事を良く見かける。

 本来、そのようなことに記事としての価値が存在するのか疑問であるが、ネット上では「鉄」達に対し、日頃の鬱憤を晴らしているかのような批判を投げつけている人は結構いる。

 確かに、個人の趣味のために、他人や社会に対し、子供じみた迷惑をはたらく輩は如何なものか、とは思う。

 しかし理解出来ない。

 彼ら(鉄)は、常軌を逸してまで、何故あのような行動をとるのであろうか。何に打ち込んでいるのだろうか?

 美しいと自分が考える写真を撮るためには、安全無視、社会道徳無視、環境破壊OKとは、どういう頭脳構造なのだろう…。理解不能

 電車や車両に、工学的な興味や魅力を感じることがあるのは私も理解出来るが、たかが写真を撮るためだけに、非常識な行動がとれる理由が想像出来ない。

 そもそも、オタクはそういうものだ、との意見は散見されるが、その批判にもさして根拠は見当たらない。

 このような意見は、健全なる鉄道ファンにとっては記事にかこつけた誹謗中傷とも言え、真性の愛好者にとっては如何にも差別的に受け取れる発言だ。

 とは言え、「鉄」に限らず、公衆マナーは遵守せねばならない。趣味が高じての迷惑行為は厳に慎んで頂きたい。

 

 さて、そう言う私も鉄道に関しては「どうしても欲しいモノ」は、実はある。

 これだ ↓

 

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みどりの窓口に設置されていた端末

 

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②車掌さんが持っていた車内補充券

 

 この2つは、可能であれば是非欲しい。

 ①は「マルス端末」とも言われているらしい。私は「みどりの窓口にあったパタパタする端末」と勝手に言っている。

 Google先生はさすがで、上記の表現でもちゃんと検索してくれる。

 左側の穴の空いたボードは「タブレット」と当時は言われていた。行き先と出発地の書かれた穴に棒(端子)を突っ込むようになっている。駅数が多いため、ボードが何枚もノートのようにめくることができるようになっている。

 私はこの端末操作を見るのが大好き。

 今のJRでは、機械式のタブレットではなく、CGになっている。

 あの「パタパタ」いう音が大好きだった。CGでは味気ない。だから今の端末に興味はない。

 しかし、東京の某所に、このCG式端末を猛烈なスピードで操作するJR東の女性社員がいるそうだ(NHKでやってた)。その方は是非見てみたい。

 この端末、まさか手には入らないが、入手出来たとしても家に置き場は無い。やはり、夢は夢だ。

 

 もう一つ欲しいもの。

 これはGoogle先生に教えてもらったのであるが「車内補充券」と言うそうだ。

 昔は、車掌さんがこれを束にして持っていた。

 行き先の変更があった場合の清算をこの長い切符を使って行う。

 最終目的地と保有する切符の継続点に当たる駅名のある場所に、穴を空けることでFrom Toを表す。

 日本全国の地図を網羅しているかは知らないが、結構な束になった切符を車掌さんは持っていらっしゃる。私はこの束がどうしても欲しかった。

 何で?

 いや、別に自分でもそれに穴を空けてみたかっただけ。あちこちに。ただ、それだけ…。

 アホみたいだけど、今でも真剣に欲しいと思っている。

 現在、この「車内補充券」は分厚い携帯型端末になっている。

 清算後の切符は、ちゃっちいレシートみたいなもので出力される仕掛けだ。これじゃ、つまんない。

 あの長い切符が良いのだ。

 写真で分かるように、地図みたいになっていて、どの辺りの地域に何と言う駅があるのかが分かる。これを見てるのが楽しい。

 実はこれにはおまけがある。

 車掌が切符の精算額を計算するために、何やら色んなことを書いてある手帳を参照するのだ。

 詳しくは知らないが、手帳を見てあれこれとその場で精算額を計算する。実はこれも欲しかった。

 一体、どういう仕掛けだったのであろうか?現在のように、モバイルコンピュータが存在しない時代の話だ。

 「車内補充券」…、欲しい!

 

 先日、京都の鉄道博物館の紹介をする番組がNHK BSで放送されていた。

 別に「鉄」でなくとも、これには興味は湧く。

 しかし、何で人は電車に魅了されるのだろうか…