オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

その免許が本当に必要か

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 ホンダとヤマハの原チャリ提携には驚いた。

 私のような世代のおっさんにとって、両社にカワサキ/スズキを加えた4社は絵に描いたようなライバル同士だ。

 ユーザーは完全に分断されており、これらが被ることはあり得なかった。ヤマハファンは、いつまでたってもヤハマファン。ホンダ・カワサキファンについても同様。

 私の友人達が所有していたバイクの代表選手は、

・SR400

・CB400FOUR

・XR400

だったか…

 たまたまであるが、SUZUKIのユーザーはいなかった。

 

 それらの中で、ヤマハ/ホンダの両社が、原チャリに限ってであろうが提携とは…

 ヤマハはJOGの生産をやめてしまうそうだ。

 私、若い頃、JOGを愛用していた。残念。

 

 しかし、上記の朝日新聞の記事に詳しいように、原チャリの国内市場は1980年で200万台規模であったものが最近では何とその1/10にまで縮小しているとか。

 これは辛い。商売にならない。

 聞くところによると、原チャリのライバルは「電動アシストし過ぎ自転車」だとか。

 私は電動機付き自転車は乗ったことがないが、これ、結構便利らしい。

 見た目よりも電動機の補助は強力らしく、日本の一般市街地の坂で登れない場所は皆無とのこと。信じられないくらいスムーズに走れるらしい。

 なるほど。

 外見さえ気にならないなら、お父さん達も駅までの通勤の足にこれを選ぶかも知れない。

 そう言えば、朝の通勤時間帯に電動アシストに乗っているリーマンを見かけたことがある。なるほど。なるほど…

 エコで原チャリより安価、ちょっとした運動にもなるアシスト付き自転車は、免許取得の必要も無い。子供を2人抱えたママさん達にも恩恵大。

 私が気がつかない間に、時代のトレンドは原チャリからチャリンコに移行している。

 近場の移動ツールは、チャリンコがエコ/ヘルシーで完全に主流になったと納得する。今回の件で、時代の変遷を強く意識させられた。

 

 ところで、本件と関連性が感じられる話題がある。

 業界団体から、原付2種免許の解禁要望が出されており政府がその検討に入ったとの噂である。

 今すぐに、ということにはならないであろうが、もし近い将来解禁が実現すれば、小型バイク市場の多少の拡大に寄与することかも知れない。

 現に、私は小型のスクーターは欲しいと思っている。

 早いところ実現して欲しいものだ。

 もし、実現したらVespaが欲しい。Vespaに125ccってあるのかしら…

 解禁については、当然反対意見が出ている。

 私のような、教習を受けていないおっさん達が街に大量繁殖して交通の妨げになったり、事故を多発させるというものだ。

 ごもっともな意見である。

 しかし、私はオートマチックのスクーターに乗ろうとしているので運転については心配ご無用だ。安全に対しても分別と準備、対策は自己責任で行う。心配には当たらない。

 それよりも考えて欲しいのは、そもそもバイクの運転に専門免許が3種類も必要なのか、ということだ。

 ご存知のように、私の世代の少し上では、普通免許で全ての2輪車が運転可能だった。そして、日本人が大好きな「欧米」だとか、「世界の云々」では『バイク免許』など存在しない。

 「危ない!」と言っているのは【日本だけ】だ。

 そして、ほんの40年ほど前の日本は「世界標準」だったのだ。

 一体、何のための免許?

 誰のための規制?

 私にとっては、意味不明である。

 そろそろ、何でもかんでも「規制」「認可」「免許」って止めればいいのに。

 「2輪バイクの国内市場が縮小している」

 思わぬ話題から、この国の歪さを思い出した次第である。

 

 

 

 

無い袖は振るべきではない

 サンスクリット語に「マンジュシュリー」という言葉があるそうだ。

 「マンジュ」は ”妙” 、「優れたこと」、「シュリー」は "吉祥" 、「めでたい=吉」を意味するらしい。このことから、「マンジュシュリー」を中国では「妙吉祥」「妙徳」と訳するとのこと。

 日本ではこれを「文殊」=優れた仏の智慧(ちえ)と言う。一般には文殊菩薩を指している。

 文殊菩薩像は、獅子の上に座り、左手に剣を右手に経典を持っている。剣は煩わしい煩悩を断ち切る仏の智慧を、経典はありがたき大乗仏教の教えを象徴するらしい。

 何とありがたい菩薩であろうか。

 悟りに至る智慧と行動の有り様を私達に指し示して下さっていると言うことだ。

 ありがたい仏様であるが、どこに行けば会えるのかは知らない。

 

 さて、もう一方の「もんじゅ」は遂に引導を渡されるようだ。

 高速増殖炉の方である。

 これまでの総事業費は、建設費5,886億円、運転・維持費4,524億円、総額10,410億円。維持費は平成28年度予算で185億円とのこと。

 笑ってしまうのであるが、このプラント、何と固定資産税がかかっている。それも年間12億円。

 文科省廃炉に3,000億円はかかると言っているこの無用の長物に、年間12億円の資産税とのこと。おかしくて、滑稽で、笑いが止まらない。

 固定資産税は、”資産価値”があるからかかるのだ。

 この放射性廃棄物の巨大な塊に、22年間で250日しか動いていないプラント、それも再利用など不可能な施設に、一体どのような資産価値があると言うのだろう?

 廃炉になった暁には、是非とも差し押さえをして頂き、その貴重な資産のあれこれを税務署の人達に持ち帰り頂きたい。恐らく地元の方々もそれを望んでいる。

 

 

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                                ↑

                          「電気事業連合会HP」より

 

 今回の廃炉の方針は、誰が見ても正論であろう。

 そんなことよりも、何でもっと速く意思決定が出来なかったのかの方が大問題だ。

 これまでに垂れ流され続けた1兆円はもう帰ってこない。回収不能だ。

 高速増殖炉の研究は今後も継続すると政府は宣う。そりゃそうだ。今さら「出来ません」とは言えないだろう。

 そんなこと言えば、私達が「責任者出てこい!」「1兆円返せ!」と責めるからだ。

 政府が止めるに止められない事情は分からんでも無い。しかし、そもそも高速増殖炉なんて本当に実現出来るのか?

 「もんじゅ」がたびたびの事故と運用者の不手際により、永らく稼働停止していた経緯は皆が知っている。

 そもそもの計画が無理筋だったのではないのか?

 私には "高速増殖炉" は、「錬金術」にしか見えない。 

 劣化ウランからプルトニウムを生成することは、理論上・数式上では出来るのであろうが、それをプラントとして継続的・安定的に実現することは、今の日本の技術では不可能だ、ということではないのか?

 この20年間の「もんじゅ」の人生がそのことを物語っている。また、それ以前の「原子力船むつ」の辿った経緯が、この国の政府・国民の智慧の限界を示しているように見えて仕方が無い("むつ" は母港すら持てなかった)。

 私達の技術力・運用力では「原子力船」すら、実用化出来ていないのだ。

 「もんじゅ」は、粛々とフェードアウトさせるべきだ、と私は思う。

 

 「もんじゅ」の地元福井県では知事をはじめとする関係者が大騒ぎしている。

 「研究停止、施設の廃棄はあり得ない」と…

 しかし、彼らが指向しているゴールは「夢の再生エネルギー」ではない。

 地域経済を支える資金。金だ。

 だから、なんやかんや言っても、関係者は最終的には「電源交付金の代替案を示せ」と腹では思っている。

 分からないでもない。

 しかし、この世に錬金術など存在しない。

 敦賀市の住民は「高速増殖炉が実現するかはどうでも良い」「これまでと同じく地域経済を維持さえ出来れば良い」と考えているのだろうか?

 

 高速増殖炉プランは既に破綻している。

 そんなものに群がって行き延びようなどと考えない方が良いと思う。

 

 「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあるが、それには続きがあるそうだ。

 「三人寄れば文殊の知恵、百人寄っても出ぬは金なり」

 無い袖は振るべきではないし、頼るべきでも無い。

 文殊の智慧は一体どこに行ってしまったのだ…

 

 

 

 

  

 

 

 

10万円のジャケットは買いません

 我が家では、日本経済新聞を購入している。月当たりの購読料は4,509円らしい(口座振替なので意識していない)。

 読売新聞であると4,037円らしいので、日経は割高だ。産経新聞は他誌よりも安いと聞いたことがあるので調べてみると、3,034円であったが、これは朝刊だけの値段とのこと。

 はて、産経には夕刊がないのであろうか。HPを見ただけでは分からなかった。

 

 と言うわけで、日経が他誌よりも割高であるのは間違いないとしても、それ相応の付加価値はある。

 経済欄の専門性は当然のこととしても、30〜40頁のボリュームを有する紙面・記事は多彩かつ、ある意味で充実はしている。

 勝手なことを書いている経済コラムにも、たまに耳を傾けるべき出色のオピニオンはある。

 日常の記事もさることながら、毎週末の別紙特集は結構楽しい。私の妻はよく目を通しているようだ。

 ビジネスパーソンとしても自分もそろそろ枯れてきたなぁ、と実感するこの頃、無理してまで高価な新聞を定期購読する必要もないかと考えていたのであるが、妻の反応は意外にも、

「別に新聞くらいとっててもいいんじゃない。じゃまにならないし」

というもの。

 この手の節約は不要とのことらしい。

 

 と言う訳で昨日の日経朝刊には、月一度のおまけとして「THE NIKKEI MAGAZINE STYLE」が添付されていた。

 今月の特集は、 "ファッション&ライフスタイル" とのこと。

 各種ブランドのスーツ、ジャケット、シャツ、パンツ、ビジネスバッグが中心の特集だった。

 

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↑ コーヒーをこぼしてしまいシワシワ 

 

 「HUGO BOSS」「AZABU THE CUSTOM SHIRT」「Factelier」「PELLE MORBIDA」「ONLY」等のブランドが紹介されていたが、私はこれらを全く知らない。

 恐らく私が無知で無頓着なのであろうが、それにしても全く知らない。銀座辺りに行けばお目にかかれるのだろうか。あるいは、横浜そごうにも陳列されているのか。

 謎だ…

 今まで、この冊子に紹介された商品群で私が「ああ、これ知ってる」と思ったのは腕時計だけ。時計は好きなので、この時だけは一生懸命に見る。

 さて、今回特集の中で、ジャケットだけはちゃんと見てみた。

 ブランドは知らないが、どれもいいな、と正直に思う。しかし、どれも高価だ。OVER ¥100,000 が当たり前のように並ぶ。

 いくらなんでも高過ぎ…。

 日経の読者は皆こんなに高価なジャケット、スーツを着ているのだろうか。

 例えば「Henry Cotton's」のジャケット(ネイビー)は89,000円、パンツは33,000円だ。上下で併せて123,000円。

 

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 パンツはいくらモノが良くとも消耗が激しい。2〜3シーズンでおシャカになる覚悟が必要。これに3万円だすかなぁ。

 私はムリ。

 一方、ジャケットは大切に着れば、結構保つ。良いものであれば、尚更だ。

 私はジャケットはずっと以前から「J-PRESS」を愛用している。「J-PRESS」のフランネル生地は結構頑丈だ。6〜7年は行ける。

 値段も結構するが、その価値はあると思っている。

 3つボタンが良い。

 実は「Brooks Brothers」のジャケットも保有しているのだが、着たときの感触は「J-PRESS」の方が気に入っている。

 やはり、「J-PRESS」のデザイン、生地は良い。すごくリラックスできると感じている。

 できれば、「THE NIKKEI MAGAZINE STYLE」においては「J-PRESS」や「Ralph Lauren」の新作も紹介して欲しい。

 10万円のジャケットを紹介されても困る。

 

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 ところで、左側のモデルさん。

 とても素敵だ。

 誰なんだろう…

 ここに掲載されるジャケットを着れば、彼女に遭えるのか…

 

 

 

役満は自摸るしかない

 随分、前の記憶。

 南場の何局目であったかは覚えていない。

 好調なツモにより私は10巡目辺りで聴牌した。手の内は大三元対々和の ”中” 待ち。自摸れば「大三元四暗刻」のダブル役満だ。

 私は敢えてリーチをかけた。

 理由は正確には覚えていないが「今日のメンバでは、その方が当たり牌が出易い」と判断したからなのは間違いない。

 記憶では、場に三元牌はまだ出ていなかったと思う。私の捨牌からは手役は平和系に見えたはず。序盤戦であるが故に、

字牌なら出る」

 恐らく私はそう考えていた。

 

 その時、下家のAが追いかけリーチをした。

 Aは、顔を覗き込ませて言った。「ゆず、どんな手?」

 私の手牌を見て、Aは絶句した。何も言わなかった。

  上家のUが「ゆず、でっかいの?」と聞いた。

「まあまあ」

 このやりとりを対面のHがじっと見ていた。そして、呟いた。

「ハハ〜ン」

 私はマズイと思った。彼を引っ掛けようと思っていたのに、Aの反応で手牌を読まれたような気がした。

 この場面、例えば私が、純全帯・三色同順一盃口・ドラ2を聴牌していたとしても、恐らくAが示した絶句の表情にはならない。

「でっけ〜」って顔をするくらいであろう。

 Hは恐らくAの表情から私の手牌を読んだ。

「恐らく役満。それは三元牌が捨てられていない場を見れば分かる。恐らく国士無双ではない。『大三元』だ。」

 そして、その読みは当たっていた。

 私は、Hに恐らく上がり牌を読まれたことを覚悟した。

 Aが私の牌列を覗き込んでこなければ、こうならなかったかもしれないが、今さらそう言っても仕方が無い。

「ここは自摸るしかない」

 役満を目指す故に、そう考えた。

 結果、この場は流局となった。見事なのはHである。流局になって手持ちを開いた時、Hの手牌の中には しっかりと ”中” が握られていた。

「やっぱりね。ゆずは危ね〜わ」

 Hはそう言ったが、私はこの勝負に負けたことを自覚した。

 このこと以来、私は自分の手牌を他人に見せることを止めた。リーチをかけたら直ちに牌を伏せることにしている。

 

「でかい成果を目指すのであれば、他人に頼ること無く自分自身の手で成し遂げねばならない。そして手の内は見せるものでは無い」

 麻雀で得た人生の教訓だ(実はそんな大袈裟なものではない…)。

 

 麻雀には、さまざまなローカルルールがあり、それが不便であり、また楽しくもある。

 私は横浜に出てきて、あちこちの人達と麻雀をやってみてそのことが興味深く、また、楽しかった。

ゲイシ

・ワレメ

・花牌

・タテ/ヨコのウマ、等々

 まあ、色々と考えるものだわ。

 しかし、様々なローカルルールの中で、やはりゲーム実行に当たって、よく調整に苦労したのは下記のもの。 

①ルールは「ありあり」or「なしなし」→ものすごく揉める

②ウラドラ、カンドラの扱い

③ダブル役満の取扱(何に適用するか)

④大車輪は役満とするか

 

 そして、これらに加え事前の合意形成を忘れていると思わぬ時に揉めてしまう役満ルールがある。

 無さそうで、意外と起こり得る。

 それが「人和(レンホー)」だ。

 

 これは、「地和(チーホー)」から派生した役満だと推測するのであるが、地家が1巡目に自摸るのではなく、場に捨てられた不要牌を当たるのが「人和」。

 細かな定義では「上家の捨牌にしか当たれない」とのルールもあるそうだ。

  私の友人達は、1巡目全ての捨牌に当たっても「人和」としていた。比較的柔らかい取扱だったようだ。

 この手牌、珍しいことは確かなので、その取扱を満貫とするか役満とするか、それはその地域各々の価値観として決定されていたのだと思う。

 

・・・・・・

 

 民進党とかいう政党の党首が「蓮舫」さんに決まったとのこと。

 妻は「悪くないね。ビジュアルとイメージは大切だよ」と言っている。

 まあ、頑張って下さい。

 

 しかし、ひとつ言いたいことがある。党の幹事長が野田佳彦だと?。

 「人和」いや「蓮舫」は、一体何を考えている?

 民主党時代の政権交代とその失敗要因を忘れたのか?

 今さら、この男を党の幹事長に据えるだと?

 わざわざ、あの忌まわしい記憶を我々に思い起こせとでも言うのか?

 こやつの顔なぞ、見たくもない!

 

 こう思うのは私だけだろうか?

 

 「マニフェスト

 この 本来は堅い意味を持ち、しかしフワッとなっていた”日本語” を日本から駆逐したのはこやつだ。

 21世紀においてさえ「政治家は約束を守らない」「政治家は汚い」を実践して見せたのもやはり、こやつだ。

 私は約束を守らない人の形をした生物を、生涯絶対に許さない。

 若い頃のほんの少し間、政治に関わったことのある者として、これは絶対の不文律だ。

 

 蓮舫代表には、幹事長がどのような人物であれ、頑張ってもらいたいと思っている。

 そして、あなたの名が示すように、大きな成果は他人に頼らず、自らの手で刈り取ってもらいたい。

 役満はツモるものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シン・ゴジラを見て

 先日、シン・ゴジラを鑑賞した。

 妻を誘ったのであるが「NO!」との回答。やはり、以前「クローバーフィールド」を無理矢理誘った反動なのか、後遺症なのか…。SFに付き合ってくれなくなった。

 息子に「シン・ゴジラいかねぇ?昼飯おごるよ」と言ったら

「ムリ!」

 誰も付き合ってくれない。

 結局、私と妻、娘夫婦と4人で一緒に出向き、各々好きなものを見ることになった。

 私は「シン・ゴジラ

 妻と娘は「PET」

 婿殿は「ゴーストバスターズ」を見ることになった。

 Hahaha…、見事にバラバラだ。

 でも、各々の嗜好を表していて興味深い。皆が皆、ゴジラを見たい訳では無い。当たり前だ。

 ラゾーナ川崎の109シネマに行ったのであるが、3種の映画はほぼ似たような時間に始まり、同じ頃に終了した。

 結果、4人で映画に行ってきました、というのと同じである。別々のを見ているのだが…

 

 上映終了後、「つばめグリル」で4人揃って遅めの昼食をとった。

 各々の見た映画の感想を述べあった。どれも、大変面白かったらしい。

 私は婿殿から「ゴジラどうでした?」と聞かれたので、

「良かった。自分の中ではシリーズの最高傑作だと思う」

と答えたら、彼は大層驚いていた。

エヴァンゲリオンみたいですか?」

「ハハ、同じBGMが流れてたよ。とにかく映像が凄い。凄くリアル。ストーリーも面白い。庵野が監督するとこういうゴジラになるんだ、と思った。やられたよ。やっぱり彼は天才だ。」

 以上は、私の正直な感想だ。

 

 印象的であった部分にもう少し触れておく。

・目的の60%は、石原さとみさん(好きなんです)。彼女のスーツ姿は抜群に良かった。流暢な英語を話すのには驚いた。そう言えば、英会話のCMやってたなぁ

長谷川博己さんの臭い演技は庵野監督は織り込み済みなのだと思う。あの臭さが良いのだ。あんな政治家は日本にはいない。ゴジラも彼も日本では架空の生き物だ。

自衛隊がカッコ良かった。幕僚長の「お礼の言葉は無用です。仕事ですから…」のセリフにしびれた。

防衛大臣が突き抜けていて良い。「いいんですね?総理。許可があれば自衛隊は首都の真ん中でも徹底的にやりますよ!」たじろぐ大臣達…。小池百合子都知事がモデルか?との風説もあるが、私は違うと思った。小池さんは、もう少ししなやかに言う(見せる)と思う。

環境庁の課長補佐は確かに良い!

・エスプリの利いた皮肉があちこちに散りばめられている。石原さとみさんのセリフに思わず笑ってしまった。「私の国では重要事項は大統領が決めるわ。あなたの国では誰が決めるの?」

京浜急行とJRの扱いの差が面白い。

・武蔵小杉は、本当に破壊しても良いと思う。あそこさえ無ければ、湘南新宿ラインは混雑しないのだ。

シン・ゴジラに超兵器は登場しない。純粋に人と "シン" の闘いを描いている。それが良い。人には知恵がある。同志がいる。日本を救おうという決意がある。ヤツと闘えるのは自分達だけだ。自分達が何とかするんだ。そういうメッセージがヒシヒシと伝わってくる。「日本も捨てたもんじゃない」。このセリフに救われる。長谷川さんが自衛隊員に激を飛ばすシーンは「インデペンデンス・デイ」のホイットモア大統領の演説を彷彿させる。泣けるシーンだった。

・ラストシーンでゴジラのシッポの先に溶けた人らしきものが映っている。これは何の暗示なのだろうか。ゴジラが人を食べているという意味か?はたまた、ゴジラの正体は人類だとでも?まぁいいや。考えても仕方が無い。庵野氏がよくやる謎掛け、揺さぶりだ。

庵野さん、エヴァどうするんだよ。

 

 当日、ゴジラを上映する劇場は混雑していた。満員だった。

 私の右隣に座ったのは小さな女の子2人を連れたご夫婦だった。左隣はカップル。そのまた左はじいさん3人。

 このような方々と同席したのは、たまたまかもしれないが、ゴジラヒットの理由を見た気がしている。

 以外と、多くの世代にファンがいるのだ…

 

 

 

難題、その2

 困った。本当に困った。

 「1/24 国産名車コレクション」を定期購読するどうか迷っている最中にデアゴスティーニから凄いシリーズが出てきた。

 「フェラーリ」だ。

 

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 どうしよう…

 国産車だけでも迷っているのに、フェラーリまでどうしよう…

 いや、全部はいらない。

・250GTO

・ディーノ

・288GTO

・512BB

テスタロッサ

・308GTB

・365GT4 BB

 

 これくらいでいい。

 欲しい…

 

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 このシリーズも60号までの発行を予定しているらしい。

 先の「国産名車」と合わせると何と120台にもなる。

 どう考えても、置く場所が無い。

 なんちゅう難題なのだ…

難題…

 困った。

 本当に困っている。

 どうしようか…

 事の起こりは先週金曜日。とある本屋で衝撃的なものを私は見てしまった。

 これだ。

 

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 中を開いてみる。

 そうすると素晴らしいものが…

 

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 急いで値段を確認する。この手のシリーズものは初回だけはアンビリバボーなほど安価なものだ。

 "1299円!!!!!!!!"

 私は速攻で購入した。

 ものはケース越しにであるが見れば分かる。かなり精巧な作りだ。それも1/24スケール。

 このサイズ、品質で1300円なんてあり得ない!それも、TOYOTA2000GT !!!

 あり得ない!

 Oh my god !

 

 中を開くとこのようなものが出てきた。

 

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 圧巻。 

 EXCELLENT!

 何度も言うが、あり得ない!これが1300円!

 このシリーズ、今後、60号まで続くらしい。

 定期購読するな否か、迷っている。

 金額の問題ではない。

 

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 気にしているのは、これが60台も揃ったら、一体、家のどこに置くのだ?と言うこと。

 私は豪邸に住んでいる訳では無い。こんなでかいもの60台も置く場所は無い!

 でも、欲しい!

 でも、全部は買えない!

 今、私は本当にどうしようか困っている。

 

I LOVE YAMAHA

 2006年9月23日、夜8時を過ぎた頃だろうか…。拓郎は "ジャラン〜" とギターを1ストロークした後、ゆっくりと歌い出した。

 なのに永遠の嘘を聞きたくて…♩

 今日もまだこの街で酔っている…♩

 

 1パート目を歌った後の間奏の間に舞台の袖から一人の女性が現れた。会場の観客は最初どよめいた。

「誰?」

 どよめきは、すぐさま大きな歓声に変わった。会場が熱狂した。

 彼女は、2パート目以降を拓郎とともに歌った。

 そう、この曲は彼女が拓郎の復帰を記念して贈ったものだった。

 歌い終わると彼女は何も言わずに微笑みながら舞台を去った。最後に観客に向かって手を振った。

 拓郎はそのとき彼女を紹介する。

中島みゆき!!」

 

 この様子はNHK BSで生放映されていたらしい。私は編集された番組を後日見た。

 とてもよかった。ちょっとだけ涙ぐんでしまった。

 吉田拓郎かぐや姫にとっては、31年振りの「つま恋コンサート」だった。

 

 このコンサートが行われた会場「ヤマハリゾート つま恋」が今年一杯で閉鎖されるとのこと。

 私達、おっさんにとってこの施設は象徴的なものだ。

 やはり「ポプコン」のインパクトが大きい。

 そう言えば中島みゆきポプコン出身だった。世良公則チャゲアスもそうだ。

 ポプコンの場に限らないが、中島みゆきや多くのミュージシャンが演奏するキーボードのフロントにはいつもお決まりのエンブレムが見える。

 YAMAHA

 

  ピアノ、ギターと言えば、やはりYAMAHA、である。いや、KAWAIやRolandもあるが、私はYAMAHAがいい。

 我が家にあるピアノは当然YAMAHAだ(娘が弾いていた)。

 

 私は若い頃ギターを4本所有していた。アコースティック2本、バンジョー、エレキ、全てYAMAHA。購入に当たっては一応他メーカーのものも試している。その上で、YAMAHAを選択している。

 アコースティックギターについては、当時モーリスなどのライバル社もあったが、弾き比べてみると音質の差は明らかだった。

 「モーリス持てばスーパースターも夢じゃない」

 当時、アリスの谷村新司がCMをやっていたが、私の友人を含めてモーリスを持っている者は皆無であった。皆、知っていた。

 ギターはYAMAHAだ。

 

 私が最初に買った原付バイクは「YAMAHA JOG」。

 友人(Filio)が強く勧めたのだ。

 「ゆずさん、バイク買うなら絶対にYAMAHA!」

 彼はオフロードバイクが好きで乗っていたが、いつもYAMAHAだった。「エンジンはYAMAHAが最高!絶対に間違いないから」といつも言っていた。

 そう言えば、TOYOTA2000GTのカムヘッドはYAMAHA製だと彼が言っていた。ホントかいな…

 

 我が家のキッチンテーブルはYAMAHAだ。

 これは彼女のセレクト。

 大理石の使い方がとてもシャレているとのこと。

 そう言えば私の友人は新婚時に購入する家具をYAMAHAで揃えていた。

 

 若い頃着ていたヨットパーカーはYAMAHA

 

 お風呂場を改装する時にYAMAHAのユニットバスを検討した。なんとYAMAHAのユニットバスは、ipodが接続出来るようになっていた。デザインも良い。でも、サイズが合わなくて断念。

 結局、Takara。

 

 バドミントンのラケットはYONEX。私がプレーする訳ではないので…YAMAHAにはできない。

 テニスラケットはKawasaki。これは姉にもらったものだから(何と木製)。

 ゴルフクラブはSPALDING。安かったので。あと私はゴルフに気合いは入れない。入れていれば当然YAMAHAを買っている。

 AVアンプはYAMAHA。現在は、HTR-5067

 音叉はYAMAHA

 メトロノームYAMAHA

 彼女のスキー板はYAMAHA。私はATOMIC。YAMAHAさん、浮気してごめんなさい。

 MSXYAMAHAではない。いや、結局MSXは買わなかった。NEC PC-6001を持っていたので。

 

 YAMAHA製品って、一体何種類あるのだろうか。音叉からプレジャーボート、汎用エンジンまである。そう言えば文房具は作っていないのだろうか…。あれば買うのに。

 「ヤマハリゾート つま恋」の店じまいは、ヤマハの多角経営からの脱却。負の遺産の整理だそうだ。

「音質にこだわった製品や業務用機器を強化し、成長戦略の柱に据える」とのこと(日経新聞より引用)

 経営的にはそれが正しいのかも知れない。

 でも、色んなことをやっているヤマハが私は好きだ。

 YAMAHA のロゴが大好きだ。

 I LOVE YAMAHA

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

赤い3連星

 今、日没後の南の空を見ると縦に見事な3連星が見える。

 3つの星は相当に明るいので誰にでも視認出来るはずだ。

 これは、土星、火星、蠍座のアンタレスがたまたま縦に並んだものだ。

 ご承知の通りアンタレス、火星は元々が赤く見える星。一方、土星は元来赤く見えるわけではないが、3つ並んでいると不思議なことに赤く見える。

 まことに見事な「赤い3連星」が形成されている。

 このような並びを見たのは、私は初めてだ。極めて珍しい天文現象として、是非多くの方に認識頂きたいものだ。

 

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 このフォーメーションは、今だけだ。

 年内、土星は蠍座と天秤座を行ったり来たりしているが、火星は凄いスピートで蠍座、射手座、山羊座を駆け抜けて行く。

 この3連星はあと1ヵ月も続かない。

 蠍座は今、夜10時くらいには地平線に没してしまう。また、その時間は今後どんどん速くなる。

 そして、秋になると蠍座は日没になっても姿は見えなくなる。

 本当に今だけの3連星だ。

 

 実は今からおよそ2ヵ月後の10月28日、17時に似たような見事な3連星が観測出来るかも知れない。

 シミュレーションでは、火星に替わって金星がその場所にいるのだ。

 上記の時間にほぼ一直線になる。これも、凄い光景だ。

 しかしながら、10月末の夕方5時。西の地平線ぎりぎりのところだ。

 うまく見えるだろうか…

 是非、実現して欲しい。

 

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 太陽が沈み切っていない。明るくて見えないかも…

暑気払い

 今年の夏も暑い。

 熱い時には逆療法で「辛いもの」を食べると元気が出るとか。

 ホントか嘘か知っている訳ではないが、この数日カレーを頻繁に食している。

 妻が外出していることが多いので、昼食は自前で調達せねばならない。たまには自炊をするのであるが、今年は気が向かないのでもっぱら買い出したものを食している。カレーもレトルトや近所の弁当屋さんから調達している。

 レトルトは「銀座カリー」の中辛を選んでいる。これを「サトウのご飯」にかけて食する。

 

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 とても美味しい。これで十分。〆て300円程度。

 コスパは最高だ。

 一方、近所のオリジン弁当の「バターが決めてのチキンカレー」もお気に入りだ。

 素のカレー(トッピングなし)で450円。

 これ、めっちゃ美味しい。

 

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 カツカレーにすると相応の値段になってしまうが、なかなか贅沢な代物になる。たかがお弁当、しかし侮り難し。私はこれが結構気に入っている。

 

 あと、暑気払いにこれもお勧めだ。

 

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 場所は沼津ICから20分程度。

 三島広小路駅のすぐそば。

 お店の待ち時間は、2〜3時間。大したことはない。

 夏を楽しく過ごしましょう。

 

 

 

三浦には三崎がある

 横浜新道の戸塚料金所を潜ってからおよそ50Km。1時間程度の距離。

 三浦市三崎。

 三浦半島の南端になる。

 ここは「まぐろ(鮪)」の聖地だ。

 今年4月の高速道路料金改定の恩恵を受けている数少ない路線である「横浜横須賀道路」。地元の人達は "ヨコヨコ" と読んでいる。

 湘南方面からヨコヨコをアクセスする者にとっては、横浜新道の料金が200円→320円に改定されたため、首都高速への接続は負担が増えたが、それを補ってもおつりがある。三崎へのアクセスは、俄然、割安になった。

 衣笠ICを降りて三浦縦貫道に入り、134号線に合流し、そのままひたすら真っすぐ行くだけ。

 

 先日、数年ぶりに「まぐろ」と「スイカ」を目当てに三崎に行ってきた。

 休日であったが、梅雨明け前、夏休み前のせいか、人出はさほど多くはなかった。駐車場にも空きがある。

 最初の目当てはマグロ丼。

 鉄火にするか漬けにするか、いつも迷う。三崎のマグロ丼はどちらも捨て難く美味しい。よって、入ったお店のメニューを見て、その日の気分で決めている。

 今回、行った店は「鮮味楽」。いつも行列が出来ている人気店。

 前々から機会があれば行こうと決めていた。

 

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 このお店、少々値段は高いがその価値はある。しっかりとした寿司が堪能出来る。

 マグロ丼は極めて美味であった。

 

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 シャリは多くない。

 しかし、マグロの切り身は見た目以上に太く大きく分量がある。だから、シャリは少なめで十分だ。

 これで、丼にしっかりとシャリが載っていると、恐らく普通の人は食し切れない。残すことになると思う。

 よって、これがベスト。

 極めて美味。

 パーフェクトである。

 

 因に、この店は一定金額(確か3000円)以上で駐車券のサービス付き。精算時にもらうことを忘れないこと。

 

 食後は「みさきまぐろ倶楽部 うらり店」に直行。この日は、お店の方からマグロの頬肉を勧められたので、それを購入した。そこら辺のスーパーでは目にしないもの。これも美味。

 この「うらり店」で2000円以上の買い物をすると三浦縦貫道路の通行券(300円相当)がもらえる。忘れずにもらおう。帰り道のヨコヨコまでが無料になる。

 

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 そして帰路、道沿いの農家でスイカを購入。軒先では試食を豪快にさせてくれる。私は、大きなスイカの切身を3つ食べた。所望すれば、恐らくいくらでも食べさせてくれると思う。

 三浦は大根が有名であるが、スイカも十分に美味しい。今回は2000円の巨大なモノを買った。

 おまけに、トマト(超新鮮)を4つ貰った。 

 

 

 神奈川県には三浦半島がある。

 三浦には、とても美味しい野菜がある。

 夏はスイカ。

 年中、マグロ。

 ああ、三崎があって良かった…

 

 

いざ、モンロー主義へ

 先日、USAの共和党大統領候補トランプ氏が指名受諾演説を行った。

 7/23日経新聞にはその演説要旨が掲載されている。

 内容を思い切り要約すると次のようになる。

 

クリントン夫婦とその取り巻きは、自分達に有利な政治・経済システムを作ってきた。彼女はそのスポンサー達の操り人形だ。この腐敗構造を是正するには政権交代するしか無い

・不法移民による犯罪を減らす(撲滅する)。メキシコとの国境沿いに壁を作ってでも(費用はメキシコ持ち)。移民に制約を設けることも止む得ない。USAを愛するもの以外を国内には入れない

・アホみたいな外交はもうしない。イラン合意、リビアへの軍事介入、シリアへの内政干渉は前政権の失態。もう放っておく。私にはUSAが大事

NATOはいらない。だからもう金は出さない。日米安保も見直す。日本は自分で自分を守ること。そのためには核兵器を保持しても構わない。USA軍に駐留してほしいなら経費を出せ

・ISは許さない。イスラム教も許さない。イスラエルは友達

TPPは国内の製造業を破壊するので廃止。NAFTAもいらん。中国のダンピングを許さない。自由貿易協定なんていらない。国別に協定する。弱者(国)救済に興味は無い

所得税法人税の大減税をする

・国内雇用を取り戻す。製造業の海外進出を名目にした従業員解雇は許さない

オバマケアは廃止。銃規制に賛成

・私が大統領になった時に進めるのは、グローバリズムではなくアメリカニズムだ

 

 こうして纏めてみると、究極の泡沫候補と見られていたトランプ氏であるが、言っていることは支離滅裂なことばかりではなさそうだ。

 彼は「自国第一主義だ」と言ってる。

 「世界の警察はやめる」

 「パックスアメリカーナのような都合の良い仕掛けは維持出来ない」

 「中東のことなんてどうでも良い。勝手に戦争をしていろ。ただし、USAを巻き込んだりしたら十倍返しだ」

 「国が集まって自由貿易圏を形成したり、集団安全保障をUSAの資金で実現したりすることに興味は無い。自分の事は自分でやるから、俺のことは構うな」

 と、言っている。

 これまでUSAがとってきた政治姿勢、外交方針から見ると、とんでもない方針転換であるが、例えば現代史におけるロシアの位置付けを見てみれば、大国としてあり得ない振る舞いとまでは言えない。

 ましてや、近年の中国の傍若無人な振る舞いを踏まえれば、十分に理性的な外交姿勢とも捉えられる。

 USAは、経済・産業の競争力が極めて高い、自立した国だ。他国の世話になることはない。だから、これまでは他国の面倒を見てきた。まるで、世界家族の長兄のように。

 その役割を終え、自らの道を進むと言っているように聞こえる。

 で、あれば私達にとやかく言う権利はないだろう。

 自力自決が世の中の基本姿勢だ。

 過去のサルコジ氏やプーチン氏、あるいは、お隣の国家主席の言動と人となりを思い浮かべてみる…

 意外と次期大統領候補は、"まとも" かも知れない。

 単に、70年前の国家観を復古しただけ。

 モンロー主義への回帰。

 USAのロシア化、中国化が進んだだけ、かもしれない。

 

国民的議論は不要です

 今から28年前、多くのフラッシュ点滅の中で「平成」という元号が小渕官房長官から発表された。TVニュースは早速、街中をゆく人にマイクを向けていた。

 「平成?ピンと来ない」

 「別に昭和のままでいいのでは?」

 「いいですね。平和に成る、っていうイメージ」

 3番目の意見を表明したのは、若い女性の方だったと記憶している。私も同感だった。「平成」という元号は一発で気に入った。

 日本では新しい天皇が即位すると元号が変わる。

 今上天皇の健康状態が兼ねてから懸念されるような状態であれば、新元号の準備は自ずと関係者により水面下で進められている。

 あるいは、天皇が一般に見て高齢であるとの認識がなされているのであれば、それは健康状態によらず、何年かの確信的な事前準備期間をもって検討されているのだと思う。

 現に「平成」については、そうであったと聞く。

 元号は、慣行として中国の古典から引用されるらしい。色々と気になる行動をしている隣国であるが、私達の文化に多大なる影響と恩恵をもたらしてくれている。近々、またお世話になるのかも知れない。

 

 天皇陛下が生前退位の意向を示されているとのこと。

 昨日から、TV、新聞は賑やかだ。

 「陛下のご意志のままにして差し上げれば良いじゃん…」と私は考えていたが、ことはそんな単純ではないらしい。

皇室典範の改正がないと生前退位はできない

天皇が退位の意向を示すことは憲法への介入、政治への干渉となる

天皇退位後の身分・名称をどうする

④前天皇と現天皇が同時に存在すると権威が2つに分断され色々と揉める

⑤皇后さまのご処遇をどうするのか。雅子さまは健康上の理由で皇后さまほどの公務はこなせないのではないか

⑥そもそも、近代では前例がないのでそんなことやりたくない、考えたくない、という国民の意識がある

 ざっと、このような旨のことが新聞には書いてある。

 確かに…、ことは複雑だ。

 しかし、②の考え方は如何なものか。憲法学者法律学者が黙っていないというが、まさか後醍醐天皇の新政を再現するわけではあるまいし、陛下の意向の真意はそのようなものではないだろう。あまりに杓子定規過ぎる。

 ③は「上皇」でいいんじゃね?

 ④も南北朝時代じゃあるまいし、と思ったが、でもそんなこともあるのかな…?国民が天皇派と上皇派に別れるとでも言うのかしら。そんなことが起きたら確かに大変だ。

 ⑥は「国民的議論が必要」とマスコミが喧伝する理由。そして、皇室典範の改正には時間が必要、数年間はかかる、との言い方の根拠であろう。

 

 天皇陛下は、既に80歳を超えられている。健康状態も決して万全と楽観視できないかもしれない。なのに、2年も3年もかけて議論しろとマスコミ、有識者は言うのだろうか。

 それまで(議論が終わるまで)は、これまで通り激務を有無を言わずこなせ、働け、と言うのだろうか。

 自分から天皇を止めたい、と発言されるのは憲法違反で重罪ですよと言うのか(恐れ多い)。

 安保法制が憲法違反であることを承知で、ほんの数ヵ月間の議論と強行採決で早々に成立させた政府と、それを傍観した専門家、有識者は、皇室典範の改定には2年も3年もかけるべきだと言うのか。

 私は目眩がする。

 「国民的議論」などしなくとも、私達の意思は決まっている。

 

 「陛下の思うままにして差し上げたい」…だ。

 

 私達に変な責任を転嫁しないで欲しい。

 南北朝時代を反省するのであれば、その方策を検討・提示するのは専門家と政府の仕事だ。

 建前論を振りかざして、このまま陛下をこき使うつもりなのであれば、それこそブラック国家だ。

 今こそ、ソーリのリーダーシップが求められている。

 

 

 

 

 

 

ゼウスが残したもの

 全知全能の神。その名をゼウスという。

 ゼウスは全知全能であるが、実はお下劣でスケベ、下半身は人格無しだった。

 彼は、女に目がない。

 ゲスの神様だった。

 女をモノにするためにはどんなことでもする。全知全能を使って。

 ある日、ゼウスは野原で絶世の美女を見かけた。

 ゼウスはどうしても彼女を手に入れたかった。どうすれば想いを遂げられるか懸命に考えた。そして、その熟考の末、彼は ”牛” になった。

 全知全能の神が…である。

 その後、野原にいるフツーの牛さんの振りをして彼女に近づいた。

 彼女は、すぐ、その牛に気がついた。

 純白でとても美しい牡牛。彼女は、牛の頭を撫でた。

 牛は嬉しそうに鳴いた。

 彼女は牛が気に入った。そして、それにまたがった。

 牛は、しばらく野原を歩いていたが、海辺に着くと突如走り出した。そして、そのまま海に飛び込んだ。

 彼女は大層驚いたが、海中では魚やイルカ、そして妖精たちが彼女を歓迎した。

「あなたは誰?」

「私は神々の王、ゼウス。恐れることは無い。愛ゆえにこのような姿でお前を迎えにきた」

 ゼウスは、彼女を自分が生まれた土地、地中海に浮かぶ島、クレタ島に連れて行った。そして、二人は夫婦となった。

 ゼウスは、その記念に自らが変身した牛の姿を夜空に投影した。

 それが現在で言う「牡牛座」だ。

 残念ながら、牡牛座に品位というものを感じられない。

 彼女の名は「エウロパ」という。やがて、彼女が住む新しい土地はその名をとって「ヨーロッパ」と呼ばれることとなった。

 

 

 ほどほどの年月生きていると、とんでもない事件に出くわしたり、あるいは出来事を見聞したりするものだ。

 私のなんでもない人生の中でも1990年にあったドイツ統合や湾岸戦争は、記憶に残る大事件の一つであった。

 そして、今回のブリテンEU離脱

 これは、まぎれもなく大事件であり、後年、歴史教科書に掲載されることになるだろう。

 まさか、このようなことが起きるとは夢にも思っていなかった。

 壮大な社会実験の ”終焉 ” の始まりを今、私達は見ているのだろうか。

 

 欧州からは遠いところに住む私達日本人には、ブリテンの人達の気持ちは分からない。

 果たして、北アイルランドスコットランドは王国連合に残るのか、あるいはブリテンから離脱し、EUへの加盟を目指すのだろうか…

 日本では二言目には「欧米」という言葉を発する人がいるが、そもそも、欧州とUSAは各々が同じ政治体制・文化・メンタリティを有する国ではない。

 USAは州の連合体であり、50の制度・文化をもつ地域の集まりだ。建国して200年と少し。若い、連合体国家だ。

 そして、欧州は古い歴史を持つおよそ50の国家から形成される。

 それぞれが有史以来、独自の文化・歴史を刻んできている。

 その中で、EU加盟国は28ヵ国。

 およそ、半分だけだ。

 ひとくくりに「欧米」などと呼べるものではない。

 

 今回の一件が、他の加盟諸国に与える精神的インパクトは無視出来ない。今後、ブリテンに追随する国が出てくることも否定出来ない。

 果たして、欧州の鉄の結束は破綻してしまうのだろうか…

 

 日本のマスコミは世界的な経済危機が来るかのように煽りまくっている。今朝の日経新聞もこの通り。

 

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↑ ユーロ導入前の各国のコイン6ヵ国分。当時、国同士の行き来がどんだけ不便だったか想像出来る? 

 

 株価の下落により時価総額の5%、およそ330兆円が1日で失われた、と言うがこれはホントではない。330兆円は、金(GOLD)かプラチナか、円か石油に変わっただけだ。失われた訳では無い。お金が証券から別のものへと形を替えただけだ。

 このような算数に一体何の意味があると言うのだろう。

 考えるべきは、金の問題ではない。別にある。

 

 それからこれを機に言っておきたい。

 少子高齢化を突き進む日本において、その解決策に「移民」というキーワードを安直に発していた人達よ。

 「ユーロに学べ」

 移民政策など、そんな簡単に言い出すものではない。

 国家のアイデンティティに関わる重要問題だ。

 真の差別の無い国家・地域社会が日本に簡単に作れると妄想しているのか?

 今でもさまざまなハラスメントを根絶できず、ブラックな労働観が蔓延するこの国で。

 この国の民族構成は比較的シンプルだ。それにもかかわらず、差別が存在するのだ。 評論家は、身の程を自覚すべきだろう。

 

 

 「この地で、二度と戦争を起こさない」

 恐らくEU設立の当初の理念・目的は、そのようにシンプルなものであったと思う。

 しかし、時は流れ、やがて理想だけではその結束を維持することが出来なくなってきた。

 「私達は私達」

 ブリテンの人達の自力自決の崇高な理念。

 ブリテンは、時計の針を戻したのか…、あるいは進めたのか。

 ゼウスの忘れ形見は、果たして今後どのような歴史を刻むのであろうか。

 

 

 

 

 

 

 

ダイヤモンド印の価値

 横須賀の海洋開発研究機構(JAMSTEC)で、「しんかい2000」のディスプレイ(実物)を見学したことがある。

 自力で深々度まで潜水、浮上できる有人潜水調査船は世界でも極めて珍しく、ほんの数隻しか存在しないそうだ。現在、海洋国日本には、最新式の調査船「しんかい6500」が就航していている。

 

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 「しんかい」は、実物を見ると分かるが、極めて精巧・精緻な技術で製造されている。他社がおいそれとは真似ることの出来ない造船技術だ。

 私は説明者に聞いた。

 「これ、どこの会社が作っているんですか」

 「名前は言えないんですが…」

 「当然、独自設計ですよね」

 「もちろん」

 「どこでも作れる訳では無い」

 「そうですね。特定のところでないと作れません」

 「三菱(重工)だな…」

 「まあ…」

 

 こういう特殊な製造物に出くわすと「スリーダイヤ」の名を聞くことが多い気がする。そして、その事実が「三菱」という会社の凄さを物語る。

 最新鋭の打撃巡洋艦ディーゼル式潜水艦。これも、恐らく三菱重工製だ。

 多くの人達は、H-ⅡAロケットの打ち上げ映像を見たことがあると思う。そして、その絵を通じて「JAXA」そして「三菱重工」という文字(社名)を見ている。三菱=日本有数、あるいは国内最高のコンストラクター、とのイメージがあることは間違いない。

 そして、それはイメージだけではない。事実、この会社にしか作れないものは数多く存在すると思う。私達がそれを知らないだけだ。

 その会社から派生したのが「三菱自動車」。

 設立は1970年。意外と新しい。

 三菱自動車は、自動車生産数では国内ではマイナーの存在だ。しかし、ヒット作、名作も数多く輩出している。

・ギャランΣ、Λ

パジェロ

ランエボ

 上記は自動車史にしっかりと刻まれた名車だ。

 そして、”痛い”車もちゃんと作っている。

デボネア

・スタリオン

GTO

 が代表格。これらは全くもって他の追随を許さない”痛さ”だった。

 

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 けなしているばかりではない。

 スタリオンは親しい友人が所有していた。

 実は、この車、一度、乗せてもらったことがある。

 見かけはみっともない、どうしようもないスタイルをしているのであるが、乗ってみるとちゃんとしたスポーツカーであることが分かる。

 メーター周りのデザインが凄く良い。カッコ良いのだ。着座位置も低く如何にもスポーツカーといった雰囲気を持っている。

 そして、速い。バカッ速。

 その分、燃費は悪い。

 燃料タンクは100ℓ入ると友人が言っていた。

 「本当か?」と思ったのであるが、この車はUSAでも販売していたのであり得ることだ。

 

 GTOについては、以前、こき下ろしたことがあるが、デザイン自体は好きだ。カッコいいと思う。ただ、FFでスポーツカーもどきを作ってしまう性根が気に食わないだけ。

 GTOシャシーは「ギャラン」だ。「ギャラン」の車台を流用している限り、この車がFFであることは仕方の無いこと。いや、FFベースの車台で4WDスポーツカーを作った三菱を褒めてあげるべきかも知れない。スポーツカーとしての出自が悪いだけで、モノ自体は悪くない。

 

 パジェロランエボの偉大さについては、もはや説明の必要が無い。

 これらが自動車技術史に残した功績は大きい。本当に素晴らしい車だった。

 

 ちょっと前に日本経済新聞が「三菱重工日立製作所が経営統合!!」という大スクープ記事を出したことがある。

 日本を代表する2大企業の合併ということもあり、結構な話題となった。

 結果として、この記事は「ガセ」であった訳だが、この後「三菱日立パワーシステムズ」は設立された。全てが「ガセ」であった訳では無い。

 当時ネットで「三菱が日立のような3流会社と合併する訳が無い」という意見を見た記憶がある。

 私はこの意見に違和感を持っていた。

 この意見を投稿した者は以下のうちのどれかに分類される。

①三菱関係の者

②日立関係の者

③三菱/日立と仕事をしたことがある者

④上記のいずれでもない者

 私が違和感を持ったのは「日立製作所は3流会社なのか?」ということだ。

 ①〜③に属する者が投稿した意見であれば一考に値する。何故なら、三菱/日立の内情・現実を知っているからだ。

 ①であれば、それは三菱社員の本音。

 ②であれば、日立社員の自虐的叫び、絶望の意思表明。

 ③であれば、仕事面で日立に懲り懲りの目にあわされた者だろう。

 ④の場合。確たる根拠も無く日立を3流会社と言っていることになる。

 いくら便所の落書きとは言え、日本を代表する総合電機メーカーを「3流」と一刀両断にするのであるから、発言者は大した見識である。

 そしてそれは、そのまま三菱のブランドの高さを示していることになる。

 三菱 > 日立、と言っているのだ。

 三菱は一流。それに比較すれば日立は2流以下であり、身分不相応の日立ごときが合併する立場には無い、と言っているのだ。

 この感覚が日本人の平均的なものだと言うのであれば、三菱ブランドは大したモノだと思う。

 ・・・

 そして、それが三菱自動車の ”弱点” だ。

 日本を代表する企業群団。国家を支えてきたエリート。高い技術力。人々のそれへの信奉。決してつぶれることがない会社。恐らく、他の企業が何年経っても得ることのできない企業ブランド。

 これらの価値観に裏打ちされたプライドが改革の障壁になっている。変革の芽を潰している。

 

www3.nhk.or.jp

 

 三菱自動車の再生は果たして成されるか…

 罪は深い、と思っている。