決断しないという決断をする国でサミットをして何を決断する?
今、沖縄県で「太平洋 島サミット」が開催されているそうだ。今朝、NHKで次のようなニュースが流れた。
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「島サミット、5億ドルの援助表明へ」<www3.nhk.or.jp/news/html/20120526/k10015391111000.html>
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参加国は、日本,クック諸島(以上共同議長),ミクロネシア連邦,フィジー,キリバス,マーシャル,ナウル,ニウエ,パラオ,パプアニューギニア,サモア,ソロモン,トンガ,ツバル,バヌアツ,オーストラリア,ニュージーランド,米国。
「まあ、こんな時期に景気のいい話で・・・」というのが第一印象。
財政難の我が国ではあるが、外交としてはそれとは別に、果たすべき役割があるということか。
確かに財政収支が赤字だからと言って、いきなりODAだとか対外支援がゼロって訳にもいかないよね。
しかし、小耳に挟んだ話なのだが、これらの参加国(島国、USAは除く)は日本の国連常任理事国入りの支援国でもあるとか。
えっ、そうなの?
一方で中国もこれらの国に接触を図っているとか(支援をちらつかせ?)。
そうなると、これは単なる親睦会ではなく、常任理事国入りのためのロビー活動かい、と考えたくなる。外務省は、常任理事国入りなんてマジで考えているだろうか。私、日本にそんな大役は無理だと思うけど。以下、理由。
まず、国連軍と行動を一つにする軍隊を持っていない。
紛争地域を軍事制圧(語弊はありますが)する時の物理的根拠を持っていない常任理事国なんていても意味ない。
自衛隊は実質的に軍隊みたいなものであるが、集団的自衛権すら行使するには怪しい状況にある。力がない、か弱い人はリーダーにはなれ無い。
口先だけではダメ。
行動とそのバックボーンは人を説得する時に極めて重要。
それから、常任理事国として世界をリーディングする毅然とした判断、決断が我が国の国家元首にできるとは、到底思えない。
例えばある軍事行動に対して、USA/イギリスが賛成(というか提案をする人達です)し、ドイツ/フランスが反対したら日本はどうするだろうか。
好戦的なUSA連合に、「日本は平和主義だから何が何でもダメなものダメ!」って言えるだろうか?
もし、USAに対して言えない国なら日本が常任理事国であるか、ないか、なんて国連にとって何の意味もない。USAにつく事が決まっているなら、今のまま金だけだしてくれればいい。
事務総長はそう考える。湾岸戦争の時、日本はどのような行動をとったが思い出して見よう・・・
さらに重要な事。
世界の人達に重要な影響を与える事案を、私たちは国民的議論の中から結論を導き出す事ができるだろうか。
「決めるのは政治家だ」、なんて言ってはいけない。
かれらがアホな判断をしないよう私たちは監視・コントロールする義務がある。「政治家が勝手にやりました」、何て言い訳、世界に対してできない。
アホな政治家と愚劣なマスコミの情報操作に惑わされず、的確な判断を果たして我々はできるか・・・
何よりも、総選挙の投票率は50%そこそこ、世論調査をやれば30%が「どちらとも言えない」と回答する国民性。
これは、日本国民が、ある命題を与えられた時に、右か左かの決断をできないことを表している。
最適解にしか ”OK” をだせない。
間違った選択の機会自体を避ける性向がある。
そして回答放棄、決断先送りの結果は、マジョリティへの賛意と何ら変わらない。本来、回答放棄、保留なんてできないのが常任理事国の国民選択ではないか。
今の私たちにはその選択は無理。
そして、他の国の政治家もそれを知っている。
特に中国とロシアは。
難しい問題、判断に迷う課題を突きつけられた時、今の日本はマジョリティであるUSA連合についてしまうことを知っている。
特にこの2国にとって日本はハエと同じ。全くもって必要のない国。目障りなだけ。USAは一つで十分だと思っている。
戦争ばかりが国連の仕事では無いが、世界が日本に期待する調整役って何だろう?
もし、あるとすれば、USAをなだめる事、紛争の平和解決に徹する事(理想論を押し通す)、核兵器の永久放棄のきっかけを常任理事国内に広げる事だと思う。
一体、何の為の常任理事国入りなのか?
Mr.NODA、教えて下さい。
まさか、「名誉のため」とか「日本の国際的地位うんぬん」なんて言わないでよ。
それを貶めているのはあなた達なんだから。