オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

福祉目的税を創設し禁煙しよう

 消費税を巡る論議、与野党の協議も大詰めに来ているようだ。3党合意(究極の談合)も取れたとの事であり、もう間もなく、議会で採決に入るのだろう。消費税が10%にまで上がった場合、所謂、税の逆進性対策として、定額給付なるものが提案されているらしいが、果たしてどこに落ち着くのか。

 だいたい、大型間接税を税収の柱にしようとしているくせに、逆進性対策に悩み、揉めるのもおかしな話だ。広く薄く(いや、濃く)課税するんだから、個人の収入なんか本来関係ない。背反する2条件の両立を図ろうとしているが、それはどだい無理な話だと思う。最終的には、訳の分からない継ぎ接ぎだらけの仕掛け(税体系)にしかならないような気がする。

 税金を優しく上げる事なんて絶対ムリ。

 私たちも公平性とか、納得性とか、弱者対策とか、無理難題を押し付けたり、変な期待をしてはいけないと思う。そもそもがエグイことをやるんだから。制度にフレキシビリティや全体調和を持たせるといっても、自ずと限界がある。

 

 ”福祉目的税”なる耳当たりの良い税制が出てくる事自体が怪しい。政府も野党も官僚も、年金制度を維持する為に増税するんだと言わんばかり。これって、国民を騙そうとしているよね。どなたかが言っていたが、お金に色はついていない。目的税なんて導入しても、余ったりしたら絶対に他に流用される。その時は徴収した時の名前なんか関係ない。道路特定財源や自動車関連税のこれまでの使われ方を見ていれば、何の躊躇いもなく財源の流用が行われる事は明らかだ。分捕った後の使い道は政府が勝手に決めてもいいのが常識。

 あと、注意しなきゃいけないのは、「年金財源は消費税で」なんて決めてしまうと、原資が足りなくなったら、消費税をさらに上げてもいい、という理屈が出てくる可能性があること。”年金”は、エサにしているだけ。こんな明け透けな引っかけに、すぐ年寄りが飛びつくからいけない。

 食品は低税率あるいは非課税にする案もあるらしいが、これも頂けない。食品の定義をする事自体はさして難しい事ではない。「口に入れるものは食品」って決めれば良い。「サプリは食べ物か嗜好品か」なんて、どうでも良い議論が発生することはあるかもしれないが。

 課税するモノによって、税率が変わるということの方が問題。これって、昔あった物品税を復活させるのと同じだよね。そうなると、俄然贅沢品は高率にするべきだ、という意見が噴出する事になる。貧乏人ではなく、金持ちからたくさん取れ!ってね。政府も高所得者にお願いする方が気が楽だし、これで決定。富裕層には痛くも痒くもなし。

 こちらの、贅沢品を決める事の方が難しい。さて、何をもって贅沢品と定義しましょうか。お酒は?ジャケットは?リーガルシューズは?グンゼのパンツは?ケータイ(柄ゲーとスマホで違ったりして)は?

 これらは贅沢品ですか?

 これは、今話題のナマポ問題とも微妙に関係性がある。ナマポを支給されている人がipadやPCを持つのは贅沢だ、パチンコをするな、車やエアコンなんてとんでもない!

って言う人いるでしょ。こういう人達にとっても贅沢品の定義は、「低所得者に持たせるべきではないもの/持たせたくないもの」なんですよ。意地悪だね。

 ナマポを支給される人達の慎ましやかな生活形態を自分たちで勝手に定義し、その生活の中に含まれてはいけない物品を嗜好品、贅沢品と定義し、高税率をかけるという考え方。

 最終的には、家賃、食品、下着類等の生活必需品だけが非課税になり、残りのものは全て高税率ってことになるんじゃないか?もちろん、パチンコなんて50%くらいの消費税がかかる。暇な人しか行かないし。たばこなんて2000%!そしたら皆、即禁煙するよね。高級バッグなんかは20000%。女性の見栄の撲滅に一役。VWゴルフは50%だけど、ベンツ、BMWは100%。あの手の業界の方々にはたくさん納めてもらいましょう。

 何だか決めるのが楽しそうだね。業界団体の財務省への陳情が爆発的に増えたりするかも・・・

 そう考えていたら、増税というのは社会構造や人の意識を変化させる一つの機会にも見えて来た。私が総理だったら税率で日本を変えてみせる!(ホンマか?)