オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

夏目雅子とメダリスト

 夏目雅子さんが亡くなって、何年が経ったのだろうか。

 この女優を初めて見たのは、映画ではなく、宇津井健さんが出ているTVドラマだった気がする。それはもう奇麗な人で、子供心にドキっとした。

 このような容姿端麗で、清潔感がある女優は、なかなか見る事はできない。

 色々なドラマ、映画に出演されているが、この人を”女優”という絶対的ポジションに位置づけたのは、「鬼龍院花子の生涯」という映画であろう。

 この作品における彼女の評価は絶大だった。

 しかし、私はこの映画に興味が無く、見てもいない。当時は、清純派女優が際どいシーン(エロ)を演じるとして注目され、宣伝映像でもしきりに流れていた(今、このようなシーンで驚く人はいないと思う)。

 彼女自身は、お嬢様女優と揶揄されていることがイヤで、この映画で自分に対する世間の評判を破壊したかった、というようなことを後日語っている。「なめたらいかんぜよ!」と啖呵を切っているシーンが有名であるが、私は興味が無い。

 

 私は夏目雅子主演映画で最も好きなのは、「時代屋の女房」。

 

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 涙壷のシーン

 

 直木賞受賞作を映画化したものだ。

 ここに出てくる夏目雅子は凄く良い。彼女の魅力が全て凝縮されている。

 私は、この1本だけで十分だ。

 このイメージだけを抱いて、これからも彼女のファンでいる。

 

 この人は、好きなものとして、「冬」、「白」、「ひまわり」、「スパゲティ」、をあげている。

 好きな言葉は、「一期一会」。俳号は「海童」。

 京都をイメージさせるが、生まれは東京、横浜育ちだそうだ。

 着物がとても良く似合う。

 私にとって大和撫子、日本美人のベースはこの人だ。

 私達が失いつつある日本人の気品、佇まい、を見せてくれる数少ない女優だった。

 この希代の女優は、突然、有名作家と結婚し世間を驚かせた。彼女の方がぞっこんだったらしい。

 

 そして、ある日、突然、亡くなった・・・。

 

 

 あの日以来、彼女を見る事は永遠に出来なくなった。

 白血病であったとのことである。本田美奈子さんも同じ病で急逝している。

 しかし、渡辺謙さんは、奇跡のカムバックを果たしている。人生は分からないものだ。

 

 彼女の遺族は、彼女の好きだった花の名をとって「ひまわり基金」を創設された。この活動の中に、彼女の面影を見る事ができる。

 全てが失われたわけではない・・・。

 

 今、彼のメダリストは夏目雅子似だと誰かが勝手に吹聴している。

 どこが似ているのか教えて欲しい。