オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

 「古書の秋」

 私は古本を探すのが好きだ。

 最近は、amazonのマーケットプレイスで探していた本を見つけることも多い。買いたい本の多くは、若い頃買いたくても買えなかった本だ。

 今はもう廃盤になっているものは、中古市場で探すしか手段は無い。

 あまりオークションは好きではないので手を出さない(出せない)。

 やっぱり”せどり”は敵だ。

 しかし、考えて見ると、彼らは新書本の価格差を商売ネタにしているので、希少本・レア物については、あまりバッティングしないかもしれない。

 中古の専門書、レア物の値付けには相応の知識と経験が必要だ。それは、某古書チェーンのアルバイト店員には失礼ながら無理だと思う。

 逆にいうと、某古書チェーンの狙い目は105円の専門書にある。まれに、ものすごいレア物を見つけることがある。105円で・・・。

 

 やはり、ゆったりと落ち着いて掘り出し物を見つけるのであれば、神保町にいくのが一番だ。私は1ヵ月に1回程度は足を運んでいる。

 よく行くのは「明倫館」。

 高杉晋作の通った名門校の名を持つこのお店のラインナップは素晴らしい。店主は素晴らしい値付けをしている。

 中には、プレミアがついて倍以上の値段がついているものがある。

 しかし、それは、おいそれとは手に入らない本であることは事実であり、しっかりとした市場原理、経済法則に基づいて商売が行われていることがよく分かる。

 最近、新しい目のモノが増えたようで、少し寂しい気分ではあるが。

 

 ネット/古書店で見つけた掘り出し物の一例。

      ↓

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 上段の左から、「管理工学」「天体軌道論」「フラムスチード天球図譜」「マネジメント」(P.F.ドラッカー)

 下段は左から、「OSへの構造的アプローチ」(上、中、下)、「4.4BSDの設計と実装

 

 これらは、興味のない人には100円の価値もないと思う。しかし、私にとっては宝物だ。

 

 「管理工学」は、経営工学書だ。プロジェクトマネジメントで使われる方法論(ややクラシックな)を理解するのに良い。定価4200円を2000円。

 こんな古い理論を説明したものは、既にどこにも売っていない。

 

 「天体軌道論」は定価4800円。今でも書店で売っている。定価より安かった(半額ぐらい)ので買った。

 何とこの本、初版であるだけでなく、著者の長谷川先生のサイン入りである。

 どうやら、発行の記念に贈ったものらしく、内側に贈られた方の名前と一緒に「謹呈」と書いてある。

 こんなありがたい本、私なら絶対に売らない。

 私がありがたく頂いておきます。

 

 「フラムスチード天体図譜」はレア物だ。東京の丸善や八重洲ブックセンタにも置いていない。

 「ヘベリウス天体図」は八重洲ブックセンタに置いてあるが、フラムスチードはない。

 ネットでマメに探しているうちに見つけた。お店まで行って直接買って来た。これは、以前からどうしても欲しくて、ずっと探していたものだ。

 

 「Management」

 これは、ドラッカー博士の名著「マネジメント」の原本だ。昨年、ベストセラー本のおかげで、知った方も多いかも知れない(あの話の中に出てくるのはこの本の日本語ダイジェスト版)。神保町の古書店のワゴンの上に野ざらしになっていた。

 1000円。これも初版本のようだ。

 実は、この本のとある一節の原文を読んでみたいと前から思っていたので買った。この話はまた別の機会に紹介したい。

 この本、原文で読むようなものではない。日本語で読むべきものだ(一行も読み落とさな無い為にも)。

 

 「OSへの構造的アプローチ」(上、中、下)は、IBMオペレーティングシステム”MVS”の解説本だ。これは現在では入手できないと思う(誰も欲しがらないと思うけど)。

 IBMのOSの構造がとても詳しく説明されている。オープンシステムが主流の現在では、技術的には意味はないかもしれないが、そもそもOSとはどのような構造しているのか、を知る上では良書だ。

 技術者として「基本の基本」を押さえる意義はあると思っている。この本、定価は3冊で14000円であるが、明倫館で2050円で買った。

 

 「4.4BSDの設計と実装」は安いので買った。たしか、600円だったと思う。状態は非常に良い。新品同様だ。レアではない。

 定価は、$55.95USと書いてある。恐らく八重洲で買うと7000円位はすると思う。UNIXの解説本であり、読むのは相当辛い。私は、「UNIX4.3BSDの設計と実装」(日本語版)をもっているので、これと見比べ併せて読んだ。

 

 ネットで古書を探せるようになったのは大変嬉しく、また便利なことだ。以前よりも、飛躍的に入手し易くなった。

 しかし、足で探すのもまた楽しい。

 たまには、神田界隈をのんびり歩くのも悪くない。

 これからは、読書の季節だ。

 

 

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