オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

偉大なる女性たちの系譜

 今日、TVを見ていたら、ホイットニー・ヒューストンが話題になっていた。

 先日亡くなったUSAのスーパースター。

 「ボディガード」は素晴らしかった。

 彼女とケビン・コスナーの魅力が満載、テンコ盛りのエンターテイメントだった。

 しかし、彼女はもういない。見ることはできない。

 少し、あの喪失感が思いだされた。

 そう思えば、これまで歴史には、多くの女性の名が刻まれてきた。思い浮かぶ人物は、人それぞれだろう。歴史に、人々の記憶に、名を残す人物に、男女の隔てはない。

 しかし、歴史上において女性の存在意義を確固たるものと成らしめたり、その絶対価値を示したり、あるいは地位向上をもたらした人物となると、なかなか多いとは言えないかも知れない。

 その中で、彼女は、ホイットニー・ヒューストンは、紛れもなくUSAにおけるクィーン・オブ・ポップスの一人であった。彼女でなければならないものがそこにはあった。

 

 女性は強い(特に日本の今)。

 女性はしなやかだ。

 多くの女性はやさしい。

 まさに、古来から、女性はこの世の太陽であった。

 一方、日本の歴史上、女性という存在の絶対価値を高らしめたのはどのような人達であったのか、それを考えてみた。

 歴史の転換点に名を残す女性は結構いる。でも、”歴史を変えた”のではなく女性のあり方、そのものを変えた人となると結構考え込んでしまう・・・。

 

 例えば、歴史上の女性で存在感としてのNO.1は間違いなく「卑弥呼」だろう。

 これに全ての日本人は異議はないと思う。

 現代の日本では未だ女性総理大臣は誕生していない(USAプレジデントもそうだね)。

 しかし古代、この大和の国を上手く統治したのは”女性”だ、というオピニオンもある。

 魏志倭人伝には、卑弥呼の死後、男の国王が治めたがまもなく国乱になった、仕方がないので、卑弥呼の娘(彼女は独身なのに・・・)を国王にしたら国が治まった、とあるそうだ。

 この国には、女王こそが相応しいのかもしれない。

 次に思い浮かぶのは、紫式部か。

 彼女は今で考えれば、間違いなくノーベル賞級作家であったと想像される。

 しかし、書き物の内容は、私にとってはさっぱり理解できない。失礼ながら、単なるエロ小説、渡辺淳一ばりの変態小説だ。

 日野富子、お福(家光の乳母)などは、歴史上、相当大きな役割を果たしているとは思うが、女性の存在意義を示す、というのであれば違うと思う。

 そのような中では、細川ガラシャはどうだろうか。

 この方の、女としての、妻としての生き様は凄い。散り際も凄まじい。

 この方、日本よりも、ヨーロッパ、カトリックの国の方が有名だ、という話もある。

 クリスチャンとしての立場を貫き通し殉教した彼女の生き様は、当時の日本の時代背景を鑑みると、女性の強さ、儚さの両面を歴史に深く刻み込んでいると言える。

 「散りぬべき 時知りてこそ世の中の 花も花なれ人も人なれ

 彼女こそ、日本にとってのマリアではないか。

 

 さて、近代で考えてみると一番に思い浮かぶのは、津田梅子与謝野晶子だ。

 津田梅子は”津田塾”の創始者。

 この方、何と岩倉使節団の一員としてUSA留学をしている。

 文明開化の時代に、既に女性の地位向上を考えていた人だ。女性の可能性と未来をも見通していた人物。そして行動でそれを示した人。素晴らしい。

 与謝野晶子については、語るまでもない。この方は、庶民に”恋愛”を教えた人だ。その精神は今の世の女性達に生き生きと、脈々と受け継がれている。

 この方の歌は、今詠んでも艶かしい。

 

 そして、昭和・・・。

 

 私は、敢えて文人や政治家、活動家ではなく、芸能人”松田聖子”を挙げたい。

 この人は、昭和の世間の日本の男達に色々なことを教えた。

 

・結婚しても、かわいい奥さんになれる

・結婚しても、アイドルでいられる

・「離婚はするべきではない」は間違っている

・女の幸せと妻の幸せは同時に求めても良い(両立するかは不明)

・男は愛する女性を拘束してはいけない!

・恋愛の結果としての結婚は何度でもあり得る

・母と娘は特別な関係

・50歳でもいいものはいい

・その気になれば、英語なんてペラペラになれるし、バックボーンなんか無くとも起業だってできる。この世は、可能性でいっぱい!

・”好き”であれば色々なステキなものが生み出せる

・いつ老いるか、なんて誰にも想像させない

 

 挙げて行けばキリが無い。

 この人こそ、現代日本における”ミラクル・ウーマン”だ。

 世間一般の男達に、女性達の欲望の深さと信念の強さ、生きる力や無限の可能性を知らしめ、そしてそれを制約・束縛しているかもしれないのは、つまらない自分達であると自覚させた人物の一人。

 もう何年か前になるが、NHKが彼女の”生き方”を追った特集番組を制作した。NHKはその番組に次のようなタイトルを付けた。

 

 「女性の時代の物語」