オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

VW UP!にDSG搭載はあり得ない

 今日、久しぶりにVWのディーラーに行ってきた。

 理由は、注文しておいた「フロントサンシェード」と「アロマ」を受け取るため。

 サンシェード(フロントウィンドにおく日除け)は、もう何十年も前にガソリンスタンドで貰ったポケモン絵柄のものが使えなくなったので、これを機にVW純正のものを使う事にした(これは彼女の発案)。

 

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 「アロマ」は市販のものでもいいと思うのだが、彼女がVWのものをもう一度使いたい、と言うので別の種類ものを購入する事にした(3種類あるとのこと)。

 注文したものを持って来てもらう間に、展示してある車を拝見した。

 広告にも出ているVW Beatle のFenderモデルが展示されていた。色はブラック。

 それまで、あまり気にも留めていなかったのであるが、実車は相当に「イイ」感じだった。インパネは一部木目調に仕上げられていた。

 驚いたのはタイヤが太い事。まるでスポーツカーが履くようなタイヤだった。

 Beatleは2ドアであるが、倒すためのレバーはシートの肩に付いてた。試しに引っ張ってみたのであるが、とてもスムーズに操作できた。これなら、2ドアでも後席への乗り降りに不便はないな、と思った。

 Beatle、思ったよりも「イイ」と思う。丸く可愛いデザインのはずなのに、精悍な佇まいを感じさせた。

 

 良い機会なので、VWのエンジンルームを見てみようと思い、BeatleとVariantのボンネットを開けてみた。

 Variantのエンジンルームは満杯、ぎっしりだった。恐らく、加吸系(スーパーチャージャーかターボ)であろうパーツがエンジン上部にどっかりと乗っかっていた。まさに、満載状態で他に何も追加できる余地がなかった。意外とエンジンルームは長大に感じた(FFなのにね)。

 一方のBeatle。エンジンルームには大きな隙間があった。恐らく、自然吸気モデルだったのだと思う。エンジンに余計なものはくっついていなかった。とてもシンプル。

 よって、エンジン下部に付いているミッションが見えた。

 DSGだ。

 そこで思ったのであるが、

 「これはUP!には搭載できないな」

 

 こんな大きな物、UP!のエンジンルームに入らない。どう考えても無理、だ。

 UP!のエンジンルームは極めてコンパクトだ。何をどうやっても、こんなでかいトランスミッションは入りきらない。コストの問題ではない。

 購入する際、営業は「DSGの搭載はありません」と断言していたが、これはエンジニアリング的に見ても正当な見解だ。絶対にDSGは入らない。

 

 と、いう訳で、マイナーチェンジでDSG搭載を期待している人は諦めた方がいい。

 アイドリングストップ機能くらいは、搭載できるかも知れないが、メカの追加は現実的には不可能だと思う。

 そもそも、そんなことしたら、この車の軽量で低燃費、しかしどっしりと高速を走る、という特徴がスポイルされてしまうと思う。この手の車にハイメカを搭載しようというのは、日本人が考えそうな誤った価値観だ。

 これは、これで良いのだ。

 この車の限界まで削り取った機能面をコストを優先した貧乏くささと捉えるのか、VW流の徹底した合理主義と捉えるのかは、人それぞれの主観であり、価値観だ。他人がとやかくいうものではないだろう。

 しかし、これだけは言っておきたい。

 「リアの窓が開閉できない」ことを ”貧乏” と捉え、この車を否定する人は、車の機能性をまじめに考えていない人だ。一般的な使用法の中で、リア窓を開ける事など、99%あり得ない。

 そのような機能は、「無いより、あった方がマシ」な程度のことであり、慣れてしまえば何でも無い。そんな些細な事で、モノを評価するのは視野が狭過ぎると思う。

 半年、使ってみて断言できる。リア窓なぞどうでも良い。

 

 この車は、既に9000台が販売されたらしいが、街中で見かける事は無い。

 未だ、珍しい車だ。

 何だか、それが嬉しい。