七夕のアルタイル
週末、東京を離れていた。
こちらに戻って来たら、梅雨明けの報が入っていた。
何だか、随分と早い梅雨明けだ。
今年、西日本は大変な雨に見舞われていたようだが、東京・横浜は大した豪雨もなく、夏を迎えることになった。これはこれで良かった。
今日は、七夕であるが、梅雨明けして迎えるなんて、こちらに来てからあっただろうか・・・。
振り返って、考えてみたりしたが記憶に無い。
やはり、とても珍しいことではないか、と思う。
今日は、「earth day」でもあり、少し暑いが、それでも穏やかな夜空が見られることと思う。
織姫と彦星も喜んでいるだろう。
この2つの星は、天の川を挟んだ明るい星だ。正式名称は、ベガ(vega)とアルタイル(altair)。ベガはこの時期、ほぼ天頂近くに見えている。
アルタイルは、わし座のシッポのところに光っている。星座は、十字になっているので夜空の中にあって、比較的見つけやすい。
実際には、琴座とわし座が天の川を隔てて位置しているとも思えないが、伝説のこの2人は実距離でどれくらいの遠距離恋愛をしているのだろうか。
1年に1回しか逢えないそうであるが、それでも人に比べれば星の寿命は永い。
アルタイルは主系列星で、太陽の約2倍の質量とのことであるから、これからも40〜50億年くらいは寿命があるかもしれない。この2人は、これからも年に1度のデートを数えきれないほど繰り返せる。それほど悲観することもない。
アルタイルは、地球から16.5光年の距離にある比較的 ”近い” 恒星だ。よって、以前から地球外生命の探査先として、あるいは、SF映画の舞台として、よく話のタネになってきた。
SF映画の傑作「禁断の惑星」は、このアルタイルの4番目の惑星を人類の移住先として描いている。16.5光年という距離は、私達人類にとってはとても「現実感」のある数字だ。
例えば「北極星」までは、光速でも400年かかる。オリオン座のベテルギウスなら500年。「やはり遠いなぁ〜」「行くのは無理」と諦めてしまう。
しかし、アルタイルなら16.5光年。実はおおいぬ座のシリウスなら8.6光年だ。
「これなら行けそうだ・・」
いや、相当遠いけど。
まだまだ先のことであるが、これらご近所の星が私達の旅行先となることも、あり得たりして・・・。
なんて、七夕の星空を見ながら考えている。