Suicaの功罪
”Suicaだから、Suicaだから、問題な〜い〜♪”、という歌が流れるCMがある。若いお嬢さんが、Suicaをもってスキップする軽やかなものだ。
このCMは、ICカードを用いた生活の利便性をうまく表現している。実際、東京・神奈川を主な行動範囲としてる私にとって、Suica1枚を持っていれば、おおよそキャッシュを使うことはない。
JR、私鉄、地下鉄、バス、全てがキャッシュレスで使える。また、殆どのコンビニでSuicaが使える。最近は、レストラン、本屋でもSuicaが使える店が多いので、本当に現金を使うことが少なくなった。
また、少し前まで、大阪の地下鉄ではSuicaを使えなかったが、この間、行った際には使えるようになっていた。ようやく、PiTaPaとの相互乗り入れが実現したのだ。
本当に便利な世の中になった。Suica最強。
ところが、そのSuicaが先週、突然使えなくなった。
自動改札にタッチしても、ウンともスンとも言わない。
完全に沈黙したようだった。
駅員さんに見てもらうと「中のICカードが壊れたようです。申し訳ありませんが、カード会社に問い合わせて新しいものと交換して下さい」とのこと。
実はSuicaが沈黙したのはこれが初めてではない。2回目だ・・・。
前回は、2010年の今頃だったと記憶しているので3年しか経過していない。その前も似たような期間で壊れている。
当たりが悪いのか、相性なのか、よく分からないが、長持ちしていない(クレジットカードの更新期間より短命)。
現在、新しいカードが届くのを首を長くして待っている。
先ほど「Suicaは便利」と書いたが、その裏腹に、今はいつも現金を握りしめていないとバスにも乗れないので大層不便をこいている。
この状況下において、JRは運輸会社でありカードの取扱いについては関知してくれない。
そっけないものだ。
自分達には関係ありません、と無視を決め込んでいる。「ご迷惑をかけて申し訳ありません」と謝るのはカード会社の方だ。
新しいSuicaが来るまでの間、自動改札は通過できないので、駅員のいるゲートを毎回定期券を見せながら通ることになる。そうすると、駅員から「ちょっと待って下さい、カードを確認させて下さい」と呼び止められる。
端末でSuicaを読み込んでみて「ああ、故障ですね。通って結構です」
面倒。大層面倒だ。
「定期区間はカードを見れば分かるでしょう。いちいち呼び止めんな!」
思いあまって、先日、駅員にクレームを付けた。
少し前まで関東圏のJRは自動改札ではなかった(大阪は私が子供の頃から自動改札だった)。駅員が切符を切っていたのだ。
世の中、変われば変わるものだ。今のJR駅員は、自分の目を信じないで、端末読取り機を信じるらしい。
バカじゃないか・・・?
本来、定期券は見せて通れば良いのではないのか?
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「ビッグデータ」の時代が来るのか、来ているのか、真偽は定かではない。
これまでも、MISだの、SISだのと ”戦略情報システム” の謳い文句は聞いて来たが、それはウソだった。そんなもん、一向に実現しなかった。
しかし、「今回はこれまでとは違う」と専門家が言っている(過去も専門家がそう言っていたのであるが)。
コンピュータシステムの性能が飛躍的に向上・進化し、戦略情報システムを実現できる環境が整った、と言われているのだ。
「攻殻機動隊」のようなインフラ環境が実現される、ということだ。
ホントに本当なのだろうか・・・
JRがSuicaの利用履歴データを既に販売している、との報道がなされている。
これは、「ビッグデータビジネス」の走りだ。
JRはSuicaの故障と改札の利便性については、全く関与しないくせに、それから派生する乗降履歴データは「自分達のものだ」と言って販売している、ということだ。目くじらたてるほどのことではないが・・・。
「個人情報保護法違反」「プライバシーの侵害」などの懸念がなされているが、恐らくこれは両方とも免責だろう。
乗車履歴は氏名データが含まれない限り「個人を特定する」ものではないので個人情報ではない。
また、以前も書いたが、日本にプライバシー法はない。
どこの誰とも分からない人が、どこからどこへ移動したか、との記録はプライバシー(放っといてもらう権利)とは何の関係もない。
ただ、何となく気持ち悪い・・・というのは分かる。
私も似たような感覚はある。
せめて、販売する前に事前に公表しろよ、そして利用者には何ら問題が発生しないことを周知しろよ、とは思う。
しかし、JR東日本はそのような利用者感情には全く関知しない。
「法的には問題ない」と言っている。
さすが、だ。
”Suicaだから、Suicaだから、問題な〜い〜♪” ということらしい。