都会の人達の眠れない夜
この数日間、ニュース番組をみると「暑い」を連発している。
この時期、大した事件もニュースネタもないらしく、どの番組も 館山 VS 四万十 の暑さ勝負をダラダラと流している。
確かに暑い。
しかし、キャスターから「暑いですね」と語りかけられても、「そうですね」と返事をする気にもなれない。「他に言うことはないんかい!」とツッコミを入れている。
私のビールと枝豆の消費量は増えるばかりだ。お腹の張りも・・・。
こう暑いと、夜によく眠れない。どうしても、朝までに1〜2回は目が覚めてしまう。
私は、もともと睡眠が浅い。睡眠時間もさほど多くない。5〜6時間程度。これ以上は眠れない。のび太君のように、いつでもどこでもいつまででも寝ていられるような体質ではない。
夏は落ち着いた睡眠が取れなくて毎年不自由をしている。しかし、それはどうやら私だけではないらしい。
先日、日経に「安眠グッズ」のコーナー記事が掲載されていた。
皆さん、「快眠」を求めて色々と考え工夫をしているようだ。
夜、スムーズに睡眠に入る為のグッズとして意外にも「ホームプラネタリウム」が紹介されていた。これには少し驚いた。「ホームプラネタリウム」を観賞用としてではなく、内蔵タイマーを利用して睡眠グッズに利用しようというもの。
↑ これだ。
なるほど、以前からこの商品は「日周運動」に加え「タイマー」機能が搭載されていた。寝る前にこれで天井に満点の星達を投影し、その流れの中で睡眠に落ちようとする作戦だ。
確かにこれはイケル。
本来と少し用法・用例が違うような気もするが・・・
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しかし、そもそも「ホームプラネタリウム」が睡眠促進に使われなければならない情けない理由の一つは、都会が余りに喧噪だからではないか?
私は結構な田舎に住んでいるが、それでも夜、窓を開けたままでは眠れない。何故なら、外が煩いからだ。
夜中でも騒がしいのは、外を走るトラック、バイクの音だ(何でか知らないがトラックが良く走る。家の前が抜け道に使われているようだ)。
こんなブイブイという機械音、騒音を聞かされたら、先ほども書いたように夜中でも一発で、スーパーサイア人として覚醒してしまう。
「オラ、怒ったぞ・・」
↑ 天井に投影したもの(下の丸いのは電灯)。6万個の星が現れる。結構すごい・・・
夜ぐらい、静かにしてもらえないものだろうか・・・
以前は、お盆の今頃は彼女の実家でよく過ごしたものであるが、夜は窓を開けると蛙(びっき)と虫の鳴き声がしていた。
この音が慣れてくると囁きのように聞こえて、夏の過ごしやすい気候と相俟って、すごく良く眠れた。
子守唄を聞きながら眠るイメージだ。
プラネタリウムが無くとも、空には手で掴める程の星たちが見えていた。
南の空低くには「さそり座」が見えており、胸元のアンタレスが赤く燃えているのがはっきりと分かった。
因に「さそり座」のシッポの部分は夏の銀河(天の川)にかかっているため、シーイング良好の時の眺めは絶景だ。まさに真夏のスーパースター。
都会とは違い、そこには贅沢な悠久の時間・空間が存在する。
今は、随分と無機質な場所に来てしまったものだ、と思う。
何で、私達はプラネタリウムが無ければ眠れないような所にいるのだろうか・・・