餃子を2人前下さい
高校のすぐそばに「王将」があった。
土曜日の部活終了後、よくバレー部の仲間達と食べに行った。
当時は、一人で10人前の餃子を食べ尽くすとお店の壁に名前を掲示してくれるサービス(お遊び)を何処の店舗でもやっていた。
うちのチームのエースは、体も大きく(足のサイズは28cmだった)大食漢であったが、その彼にあっても10人前は「無理」と言っていた。
当時の値段は120円程度だったと記憶している。大きく、ニンニクがたっぷり入った濃厚な味の餃子を、店主が一つ一つ手で包んで作っていた(目の前で作っていた)。メニューは、「ラーメン」なども書いてあったが、実質的には餃子一本だった。
今の王将は、中華料理店としての店構えをしていることから、メニューのバリエーションも多くなり、餃子も恐らく工場で製造したものを各店舗に配布しているのだと思う。
私の記憶では、やはり当時の「手作り餃子」の方が味では勝っていると思う。今でも十分に美味しいと思うが。
大学生の時は、徹夜麻雀をする際には、メンバーと王将の餃子を腹一杯食べてから「いざ、勝負」したものだった。懐かしい。
お金も無い頃、安く、美味く、お腹一杯にしてくれるのが「王将の餃子」だった。関西圏の多くの人にとって、この餃子はとても馴染みの深い食べ物だ。
横浜に引っ越してきた頃、近辺に王将がないものか、と一生懸命探した。当時はインターネットはもちろん、グーグルも無かったので、「口コミ」で探すしか方法は無かった。
相応の手間の結果、「新宿西口」(JRの高架向こうだったので南口に近い)と「自由が丘」にお店があることを知った。
関西から来た友人達に紹介してあげると、皆、相当喜んでくれた。
そうか・・・。「王将の餃子」はお好み焼きと並んで、私たちのソウルフードだったのか・・・。
今では、多くの駅のそばに「王将」がある。
時々、餃子2人前を食べている。1人前ではなく、2人前。3人前は無理。この食べ方が昔からの流儀。
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誰が社長を撃ったのだろう。
拳銃なんて、民間人は所有していない。業界の関係者だろう。
そもそも常識の通用しない連中であるが、それにしても驚くべき事件だ。
当局には、早急に犯人を捕まえて頂きたい。拳銃と刃物を携帯しないことが大前提の国で、このような事件が発生するのは許されないはずだ。社会の基本構造に歪みが生じている証左だ。
マフィア VS 餃子。
こんな、アンバランスな対立は無い。
イリーガルは、庶民のエリアにまで入り込まないで欲しい。当局は、私たちの生活圏、精神的テリトリを防衛して欲しい。
本当に気が滅入る。
私の心身の一部が、「王将の餃子」で組成されていることを自覚した事件だ。