オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

彼は、靖国神社に何を願いに行ったのか・・・

 1年が終わろうとしている。

 新聞もTVも今年1年を振り返る話題が多い。例年の事であるが。

 日本人は、忘れっぽい、とマスコミが揶揄することがある。

 最近もあったことだが、こっぴどく自民党が選挙で負けたか、と思えば、いつのまにか政権に復帰していたりする。「NO」と言っても、いつのまにかその理由を忘れてしまい、つい、安定志向の選択をしてしまう習性(?)を皮肉ってのことだと思う。

 それに、同意する一面はある。

 今年の印象に残ったニュース、と言われても1月、2月に何があったかなど、もう覚えていない。以前も書いたが「自民党がダメな理由」すら、思い出せないのだ。今年の10大ニュースなど、候補を挙げてもらわないと到底ではないが決めきれない。

 で、あるが、日時を構わず特に印象に残ったモノであれば言える。

 韓国、中国との関係悪化だ。

 今年ほど、この2国との関係が悪化し続けた年も珍しいのではないか。

 どちらの責任か、とのイシューには感心が無い。正確に言うと考えたくない。

 日本人である以上、結論は愛国心バイアスを考慮しても決まっているから。そのことに、貴重な価値観がある訳ではない。単に、世論を煽る事に加担するだけだ。それは、バカバカしい。

 首相が靖国神社に参拝するのは、個人的には結構だと思っている。

 しかし、このタイミングでそれを強行する事にメリットは1つもない。誰も彼の「根性」を讃えたりはしないと思う。

 「国民との約束を果たせた」との弁であるが、どこの国民を指して言っているのだろうか?

 果たすべき約束で、優先順序がもっと高いものはいくらでもある。

 「税と社会保障の一体改革」はどこに行った?

 消費税増税は決めたが、財政健全化はどうなった。来年度予算を見る限り、何も改善の見込みが無い。あと、どれくらい消費税率を上げるつもりなのであろうか?

 福島原発の処理と、東北の復興事業はどうなっている?これこそ、喫緊の課題ではないのか?国民が復興増税に面と向かって文句を言わない理由を分かっているのか?

 ロリータを追っかけ回す変態教師を早急に何とかすべきだ。

 何でイジメが無くせない?

 何々〜特区を早いとこ始めよ。経済に加速力を与えよ。矢が何本であるかなど、興味は無い。

 「アベノミクス」は ”買い” なんだろ?量的緩和だけでなく、興業に目を向けるべきではないのか?

 一体、彼にとって何が大切なのか。

 全く理解出来ない・・・

 

 中国、韓国がウダウダ言っている事は間違いなく「内政干渉」だ。過去の戦争がどうであれ、常識を知っている国家であればやらないことだ。

 だから、来年はもうあの2国との関係修復を気にする事は無いのではないか?

 こちらから、関係改善の姿勢を放棄すれば、少なくとも「嫌がらせ」レベルのセコい行動は無くなるだろう。国際社会に訴えるべき、派手なパフォーマンスに出て来る。しかし、その時こそ、我が国もあの2国も、「国際常識」に照らした分別ある行動をとる義務が発生するのだ。どうせ、言い合うなら、喧嘩するなら、土俵の上で堂々とすれば良い。

 リバウンドは当然あるだろう。経済的損失も相当あると思う。日本の現下の成長路線にいくらかのマイナス影響があっても当然だ。

 しかし、それこそ、多くの「国民」は甘受すると思う。

 今のような、ねちっこい攻撃は、もう沢山だ。

 

 と、考えた上での首相の「靖国神社参拝」なのであろうか?

 「相手の感情を傷付ける意図は毛頭ない」

 「理解頂けるよう、丁寧に説明する」

 

 ?・・・

 

 ならば、最初から参拝など止めておけ。それが「国益」だ。

 一国の総理の信条より「国益」が優先する。

 あんたが、伊勢神宮に行こうが、北野天満宮に行こうが、勝手だ。しかし、靖国は違う。中国・韓国と正面切って喧嘩する度胸が無いのであれば、靖国に行くべきではない。これは国家レベルで見たときの「便益」の問題であり、単なる損得の問題だ。

 狭量な政治家魂とは別次元の問題だ。

 「アベノミクス」などと言う恥ずかしい和製英語もどきを発するくらいであれば、その経済政策にこそポリシーをもってもらいたい。下手をすると、自らの政策をみずからの勘違いで水泡に帰する可能性があることを強く認識すべきだ。

 もう、うんざりしたので、中国・韓国との関係など、どうでも良い。

 100年でも争っていればいい。

 しかし、1国の総理は、最高責任者として「喧嘩の仕方」くらいは知っておくべきだ。

 今回の彼の行動に「利益」は皆無だ。