愛する百科事典
百科事典が好きだ。
理由は自分でも分からない。
いつも、見て読んでいる訳ではない。しかし、たまに気が向いてあれやこれやの項目をランダムに読んでいると、とても楽しい。
小学生の頃、同級生の家に遊びにいった時、彼の部屋でジャポニカ(大日本百科事典)を初めて見た。
20冊を超える大辞典だった。
彼は、色々な事を知っている男の子だったが、その知識の源泉の一つは恐らくこの百科事典だったのだと思う。
よく、日曜日に彼の家に遊びに行き、私も一緒に読ませてもらった。時間はあっという間に過ぎ、夕方になった。
このことがきっかけになり、どうしても百科事典が欲しくなった。
母に相談したら、何と無理をしてまで(月賦で)買ってくれた。
私としては、モノは全く同じ、ジャポニカで良かったのであるが、本屋に「小学館から今度新しい百科事典がでる」と勧められたことから、それを購入する事になった。
「万有百科大事典」だ。
これは従来の百科事典とは編纂方針が抜本的に異なっていた。何と、各巻が「専門分野別」になっているのだ。
ジャンル分けは、文学、美術、音楽・演劇、哲学・宗教、歴史、地理、政治・社会、経済・産業、生活、医学、化学、物理・数学、科学技術、宇宙・地球、植物、動物。
全21巻。
当時は、同じ小学館の代表作、大日本百科事典と区別するため「ジャンル・ジャポニカ」と呼ばれた。
内容は素晴らしいものだった。
今でも所有している。
とてもじゃないが、捨てられない。子供の頃の貴重な想い出の品であり、両親への感謝もある。
これは、一生手元に置いておく。
今でも、何かの機会があるとエンサイクロペディアものは欲しくなる。
カシオの電子辞書をもっていたのに、わざわざシャープのものを買ったのは「ブリタニカ国際大百科事典」がバンドルされていたから。
色々と見ていると、やはり「ブリタニカ」も良い。
英語版の百科事典も持っている。
「Compton's Encyclopedia」。これは、CD-ROM。
国産では、平凡社の「世界大百科事典」を持っている。これは、書籍とCD-ROMの両方。
書籍を持っていれば、CD-ROMはいらんだろう、と言われそうだが、辞典好きであれば、やはりPC上で動くものも欲しくなる。
PC版辞典の日本大百科全書(ニッポニカ)もある。
これは、小学館の発刊であるが、ジャポニカと内容はどう違うのだろう。
こんなに持っていて、どないすんねん・・、と自分でも思う。
・・・・・・
百科事典は、当代きっての専門家達が集合し、長い時間をかけて丁寧に編纂される ”知” の集合体であり、人の叡智が統合された宇宙のようなものだ。
よく出来た百科事典は人類の「文化遺産」に匹敵する、と思うのだがどうだろうか・・・