消費税の正しい道
政府が、増税負担の根拠として、国民向けに打ったメッセージ、コマーシャルだ。
このような文句に果たしてどれだけの意義、意味があるのだろうか。
政府に聞いてみたいのだが、では所得税は何に当てられているのだろうか?
法人税は?
平成26年度予算における社会保障費はおよそ30兆円。それに対する消費税収入は15兆3000億円だ。半分しか満たしていない。
つい、この間、消費税率が8%になったばかりであるが、来年は10%へ、そしてそこからのさらなる引き上げ論議が既に起きている。
消費税は、ものを購入した際に支払い額に上乗せされるため、国民の納税意識が俄然高いものである。ある種の抵抗感もあるだろう。税金を必要以上に治めたくない、というのは当然の庶民感情だ。
よって、冒頭のような「大義名分」が出てくるのだろう。
年金を始めとする社会保障にのみ使われる、それは、国民全ての人への恩恵となる、と国は言っているのだ。
先の名分は、大変危険なものだ。
消費税を目的税化すると、その税収額は本来30兆円以上必要という理屈にもなる。つまり、税率に換算すると20%〜25%になってもおかしくない、ということだ。一部の官僚や有識者は、その辺りの数字を既に言い始めている。
「年金に使われるのだから仕方が無い」と考えるのは、いささか人が良すぎる。
平成26年度の予算は、概算要求の段階で既に前年度水準を遥かに上回っていた。決定された予算はご承知の通り98兆8000億円と過去最大のものだ。
内容を見れば、国債、借金なんて何も減っていない。消費税増税を見越して、各省庁はその中身を膨らませて要求し、そしてそれを勝ち取っている。
消費税を上げても、国家財政が健全化するなんてことは短期的にはあり得ないのだ。
本来は、各省庁の努力によって、歳出の無駄を削るべきであるのだが、彼らは「使うこと」には長けているが、節約・削減には全く意識が向かない。
役人にとっては「予算=仕事」なのだ。
税金による財源がなければ、仕事もない。金がなければ、何も出来ないことも役人とっては、また逃れられない事実なのだ。これは仕掛けの問題であり、彼らのせいではない。
そして、国会議員が無能でアホなのは、今に始まったことではない。
彼らのアホさ加減が、日本という国の、私たちそのものの知的レベルを指し示している。
空前とも言える浪費、無駄使いを続ける国の有り様を変えたい、無能な関係者達の野放図な財政運営と無責任に悔しさを感じ、何とかしたいと望むのであれば、私たち自身が彼らに替わるしかない。
このままでは、この国は変われない。
3年前の天災にあっても、この国の役人、政治家達は何も変わらなかった。
役人達は、復興財源にハイエナのように集り、今やそれを食い潰そうとしている。いや、たらふく食べたらしく、前年度は使い切れなかったとも聞く。信じられない事であるが、未執行の財源があるそうだ。
使う事に長けた彼らが、使い切れなかったのだ。
如何に根拠の無い財源処置であったかが分かる(大した論議もせず、所得税を上げている)。
今後、名目をつけて消費税をいくら上げても、それだけで、この国の財政が健全化される事は望めない。
無駄使いを是正する知恵が無い限り、無尽蔵に財源は必要なのだ。
そして、その財源は税金であり、税金にタグを付けても大した意味は無い。
「これは、〜用の税金ですよ」と言ってみても、国庫に入ってしまえば皆同じ1万円札だ。どれを何に使おうが、INとOUTが均衡していなければ、いずれ枯渇する。
そんなこと、小学生だって知っている。
もらったお小遣いは、頭を使わないと1ヵ月間はもたないのだ。
何と虚しい言い訳だろうか・・・