煙の向こうに見えるもの
2兆2891億円。
これが何を意味するものか、想像できるだろうか。
タバコ税による年間税収だ(2013年度予算)。
凄まじい規模だ。およそ消費税1%分の税収に相当する。
JTによると、喫煙率は20.9%、喫煙人口は2195万人とのこと(2013年)。
ご存知の通り、喫煙率は年々下がってきている。一方で、たばこ税は上がるばかり。
たばこ税が上げられれば、喫煙者が減少し、税収が減っても良いものだが、実態はそうではないようだ。
現実として、この10年間、たばこ税による収入は、非常に安定し手堅いものとなっている。
政府は、「メタボ」などという訳の分からん概念を導入するとともに、「健康増進法」とやらまで作って国民医療費を下げようとするフリをしているが、一方では「たばこ」を専売体制で国民に売りつけ国庫を潤わせるという矛盾した政策をとっている。
国の理屈(やり方)であれば、売春も覚せい剤も賭博も、専売体制で行えば「合法」と言っているようなものだ。つくづく、ええ加減な国だと思う。
本当に国民の健康を憂いているのであれば、「禁止」にすれば良い。これは、お金(税収)の問題ではない。
しかし、今更そうも行くまい。そんなことやったら、「反乱」が起きるだろうし・・・
税制改革の度に狙い撃ちされる「たばこ税」。
しかし、私は愛煙家には同情していない。
色々と迷惑しているし、実際、関連する事で被害にあったこともある。
・ラーメンに吸い殻が入っていた(大森駅の傍にある中華店。ご注意!)
・ダウンベストやジャージに穴を空けられた
・目に灰が入った事がある
等々・・・
道を歩いていて、落ちているゴミで最も多いのが吸い殻だ。
たまに公道を掃除することがあるが、たばこの吸い殻を拾う事は大変多い。多い、なんていうレベルではない。
全く、いい加減にしてもらいたい。
よって、たばこ税は幾らでも上げてもらって構わない。
「1000円になったら止める」と言っている友人がいるが、そんなの嘘だ。
そんな軽薄な意識でたばこは止められない。1000円程度では絶対に吸い続けると思う。
本当に値段次第で禁煙できるのであれば、「勿体ない」と思えば今すぐ止められる筈だ。
「減少」しても20%もの人が吸っているのだ。
あの「習慣性」は半端ではない。何かきっかけが無ければ、舐めた考えでは、たばこは止められない。
以前、彼女に紹介されて、ある寿司屋に行った。
そこで、カウンターに座りたばこを吸いながら刺身を食べているおっさんがいた。
そこの寿司屋は「禁煙」「分煙」をしていなかった。
いくら寿司が美味しくても、客のレベルと店主のポリシーが気に喰わない。
煙は隣りにも流れていくのだ。一体、どういうデリカシーをしているのだろうか、と思う。
たばこを吸いながら刺身を食べるとは、一体その人の舌は、鉛で出来ているのだろうか?
他人の嗜好について、とやかく言うものではないが、他人の迷惑になることはやるべきではない。
それが、マナー、公衆道徳というものだ。
その観点では、愛煙家に向けての世間の風当たりはますます厳しいものと成らざるを得ない。
それでも「吸う」のであれば、誰も無理してまで止めない。
しかし、今の時代、「百害あって一利無し」をこれだけ見事に具現化しているモノも珍しい。
好きにすればいいけどね・・・