オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

お弁当大好き!

 私は、お弁当大好きな人間である。

 子供の頃から、お弁当が大好きだった。

 今日は、何が入っているのかなと思いつつ、ふたを開けるときのあの期待感。ワクワクドキドキする。

 そして、開けた時にプワ〜っと広がる空気の流れ。

 奇麗な色合い。

 お米をベースにしたおかずとのバランス、コンビネーション。

 そして、作ってくれた母の想い。

 全くもって豪華ではなかったが、私は母の作るお弁当が大好きだった。

 母は自分では「料理は苦手、下手」と言っていたが、妻は「お母さんの作ったお味噌汁はすごく好き。美味しい!」と言ってくれている。それが嬉しい。

 味付けの本質は、大阪でも横浜のものでもない。海の香りがする味付けだ。

 シンプルな中に、素朴な、少し塩辛い、朴訥な味付けがなされていた。

 両親は、特段、故郷に対する「愛」を発言しない。しかし、私は子供の頃からその美意識をさりげなく見続ける事のできた幸運な人間だった。

 さりげないコンビネーションと塩辛い味付け。

 今でも、母の作るお味噌汁(豆腐とアゲが中心)は大好きだ。

 

 TVで「コンビニ弁当の裏側を探る」みたいな特集をやっていた。

 見ていて驚いた。

 500円そこそこの商品に、あそこまで情熱を込めて商品開発をしてくれているのであれば、消費者としても俄然興味が湧く。

 「本当に美味しいのか?」

 購入動機としては十分である。

 私も食べてみようと思う。

 お弁当にはロマンがある。

 お弁当は、宇宙以上に身近なロマンだ。

 

 お弁当愛好家の私は、幸いにして料理上手、お弁当制作全く平気な女性と結婚した。

 彼女との結婚以降、私はず〜っと、お弁当持参だ。

 お弁当のふたを開ける時には今でもワクワクする。

 それは、毎日帰宅した時も同じ。

 「今日の夕食、何?」

 「ヒミツ〜・・。あっちに行ってな」

 

 先日、彼女と娘と3人で会食した。

 私の誕生日だと言う事で、お祝いの場を二人がセッティングしてくれたのだ。

 「今でも、今日の晩御飯は何かなぁ、と思ってワクワクしながら家に帰るよ」

と言うと娘が言った。

 

 「お父ちゃん、それ、イイね・・・」