窓を閉じる時
先日、マイクロソフト(MS)がWindows10をもって最後のバージョンとする旨の発表を行った。
理由は「定期的なバージョンアップに多大な開発工数がかかり、さらにはOS切り替えに際し、ユーザに多大な負担がかかっていた為」としている。
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実はそんなこと、MSは本当は1万年前から知っていた筈。
「誰得のVer UP?」との所感は、近年Windowsの新バージョンがリリースされる度に全ての利用者が感じていた本音であり叫びであった。
何の不満も不便もないのに、OSを買い替えなくてはならない理不尽に、メガ・ギガ級の規模のクレームがあがったのは、Windows XPのサポート終了の時。
あの一連のXP騒動は、「定期的なバージョンアップ」の功罪を如実に炙り出した。MSとそのユーザにとって、Windows95以降の20年間は、決してハッピーなことばかりではなかったのだ。
そして、ここへ来てのMSのビジネスモデルの大幅な見直し。
ライバルである、Apple(Mac OSX)、Android陣営の動向を踏まえても、CD-ROMやDVD-ROMによる新規バージョンOSの提供が「時代遅れ」であったことは自明だ。
MS自身がOfficeを始めとして、多彩なアプリケーションをクラウドサービスで展開している中で、OSだけが20世紀のビジネスモデルを継続している事は極めて歪、不自然な事であった。
今後は、MacOSと同様に、ネットからの配信になるのだと思う。
因に、Appleは、Mavericksを無償で配信している。
MSは、OS提供に際し、どのように課金するつもりなのか…。今後に注目だ。
そもそも、企業向けのビジネスを考えた場合、MSの主要収入源は「Office」関連製品であろう。
このアプリは、全世界の企業・官公庁において事実上の標準ソフトだ。そして、既にこのアプリは「クラウド」で利用可能になっている。
この標準ソフトは、ユーザサイドでVer UPの必要がない。
このクラウドビジネスは極めて効率が良い。今後もMSのビジネスの柱であり続けるだろう。
一方、コンシューマ向けのOSとしては、もはやWindowsは主流とは言えなくなってきている。
スマホ、タブレットのOSのメジャーは、Android、iOSだ。
タブレットの爆発的普及が、Windowsビジネスに引導を渡したと言える。
うちの彼女は今、でっかいiPhone6を使っている。
本当に大きく、画面も非常に見易い。これ1台でノートPCは不要になる。タブレットも不要だ。
因に、私はJcom Smart TVを契約したことで、LGの8inchタブレットを所有する事になったが、実はこれを全く使っていない。ネットアクセスは、Macで十分なのでタブレットの使い道が無いのだ(前も書いたがこれでTVを見るのは全く実用的ではない)。
しかし、もし、ネットをタブレットでアクセスするという前提であれば、逆に、Macが不要になる。
そもそも、一般家庭において、情報端末の使い道の90%は「インターネット」だろう。
で、あれば、OSは何でも良い。情報端末もPCでなくてはならない理由はない。
現に、彼女は最近ノートPCを使っていない。やりたいことの全てはiPhoneで出来てしまうのだ(通販はPCで、と言っているが)。
やはり、Windowsの提供形態の変革は必然であったのだ。
そう、永い命ではなかったビジネスモデルなのだ。
私が、Windowsを使う理由は下記の2つのソフトを利用するからだ。
①年賀状作成ソフト「筆まめ」
②天文シミュレーション「Stella Navigetor」
これだけ。
他のことは全てMacで出来る。
まもなく、iPadの新型が出るだろう。恐らく私はそれを購入すると思う。
そして、いよいよWindows PCとは、オサラバすることになる。
PCすら不要の時代に入ったのだ。
30年前には考えもしなかったことである。
「窓を閉じるべき時」がやってきた…