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オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

朽ち果てた民主主義

 安保関連法案を巡る与野党の論議は混迷を深めている。

 極めて重要な答弁を担うはずの担当大臣が「現在の憲法をいかにこの法案に適用させていけば良いのかという議論を踏まえて、閣議決定をおこなった」と、本末転倒、軽薄この上ない発言をした辺りから、事態は凄まじい勢いで混乱していった。

 国会の与野党討論を全て見ている訳ではないが、ニュースのぶつ切り報道を聞いている限りでは政府側の答弁は矛盾だらけだ。

 日頃は、あまり頭が良いように見えない野党議員達(実は皆さん、結構、高学歴)であるが、今の所、聞き応えのある論戦をしかけていると思う。

 そもそも、現政権は論理矛盾を通そうとしているのだから、攻め所、ツッコミ所が満載なのは当たり前。

 当面は、政府・与党側は国会審議においてサンドバッグになるものと予想する。

 

 しかし、野党が論理矛盾だらけの政府を、論戦でいくら弄んだとしても、結果として、会期延長後に待っているのは…「強行採決」だ。

 彼は、ABEは ”やる” と思う。

 信念の人だから…と受け止めるつもりは全くない。

 単に馬鹿らしい ”意地” からだ。

 彼は、今、「議論を尽くした」と言い切れるアリバイ作りをやっている。

 USAで「今年夏までに法案を通す」と、大見得を切っておいて、今さら後には引けないだろう。かなりの高確率で強行採決」を行うと私は予想している。

 野党は彼を止めきれるであろうか…

 

 野党も足掻いてはいる。

 先日、衆院厚生労働委員会渡辺博道委員長が、労働者派遣法改正案の審議をめぐって、入室を阻止しようとした野党議員ともみ合いになって首に怪我をしたとのこと。

 「いかなる理由があろうと暴力を許すべきではない」という正論が一部で叫ばれているが、そんな大層な事件ではない。過去から永田町ではよくあることだ。

 あそこは、特別な場所であり、あの人達は「特権」をもった特別な人達なのだ。

 だから、国会審議のためには命を惜しんではいけない。

 渡辺委員長は、派遣労働者の首を切るための法案を通そうとしたのだから、自らの首が捻挫することくらいで文句を言ってはいけない。逆に、自らの首を差し出すべきであろう。「このつまらない首と引き換えに法案を通して下さい」と。

 

 また、あそこでは決定に至るプロセスが重視される慣習があり、通常の手順を踏んでいない決議は「無効」と解釈されることがままある。

 だから、委員長が「開会します」と宣言しなければ、審議は始まらないし、書記は議事を取れない。

 委員長の使うマイクを奪ってしまえば、開会宣言が議場に行き渡らないので、委員会が開かれない(という解釈)。

 議場に入れなければ審議・採決は行えない。だから入り口を実力行使で封鎖したりする。

 今時、小学生でもやらない「いやがらせ」が永田町で横行するのは、それが限定的であっても有効だからだ。

 怪我をした渡辺委員長は、当局に傷害罪で訴えるのであろうが、実行犯が出てこなければこの事案はお宮入りだ。

 そして、都議会でのセクハラまがいのヤジの時もそうであったが、犯人は出てこない。

 それが永田町の常識。

 維新代表の橋本市長はこれを見て「民主党は旧態依然としており手は組めない」と言っているそうであるが、それは言っても詮無きこと。

 今時、このような古典的な戦術を恥も外聞も無くやれるのは民主党だけだ。これこそ、無責任野党の真骨頂なのだ。

 私はこのくだらない抵抗を支持する。何もやらないよりはマシ。

 政府・与党を心身ともに痛めつけてもらいたい。

 殴られて蹴られて、さらには罵られてもやむを得ないことをやっている、との自覚を彼らに与えてほしい。罪の意識を植え付けてほしい。

 それができるのは、恥も外聞も無い民主党だけだ。

 

 現内閣は、憲政史上類のない暴挙を行おうとしている。

 野党は、ここに至っては手段を選ばず断固阻止すべきだ。数では与党には勝てない。

 暴力的行為も混乱国会の中では存在し得る。それは歴史が示している。

 多少のけが人が出た際は、反社会的組織にならって、若手の突撃要員を当局に差し出せば良い。何、裏社会ではよくあることだ。

 55年前の安保闘争では死者が出ている。

 ご存知の通り、日米安保条約は「USAが日本を防衛する」条約であり、日本が他国と交戦することを意味していない。それでも、当時の混乱の中で民間人の死者が出ているのだ。

 今回は、正式な手続きを踏んでいない政府が、違憲状態で選出された多数議員を使って、強行採決により「交戦」するための法案を通そうとしているのだ。

 与党議員達は、そこに正義があると確信しているのであれば、それこそ命をかけるべきではないか?

 本件は、本来であれば、憲法改正、そうでなければ解散して「信を問う」べき事案であるのだ。

 消費税をどうするかごときで解散している場合ではない。戦後、70年間守り続けた理念を時の政府が勝手に変えようとしているのだ。

 ABEは、多数議席を武器に、堂々と「憲法違反」の法案を作ろうとしている。

 現政権に、歴史的汚点を被せずに現法案を通させてはならない。

 少なくとも、最大限の返り血を浴びせないと、彼らは後年になっても自らの不徳を認めないと思う。

 憲政史上、最悪の愚行であり最低の政権であったことを歴史に刻んでおくべきだ。

 その上で、強行採決でも何でもやらせればよい。

 このような重大事案を「強行採決」で決定した際は、さすがに政権支持率も大幅下落すると予想している。

 大方の国民は、自民党政権を消極的に支持してはいるが、解釈改憲については「反対」のはずだ。

 そのリバウンドは必ず来ると思う。もしかしたら、ABEにとっては、最後の国会になる可能性すらある。

 あの男の首と憲法9条の価値は比較にすら値しないが、「政治生命」を賭けてやるのであれば、止めはしない。腐っても、彼は総理大臣だ。

 勝手に自爆すれば良い…

 

 これまで、不謹慎を承知で書いた。

 しかし、この不道徳を誘発させたのは、彼の権力者達だ。

 私は腑が煮えくり返っている。