オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

ロータリー・エンジンの復活

 ANIMAXは、好調である。

 この数ヶ月間は、「イニシャルD」に見入っている。しげの秀一氏によるカーバトルものだ。

 昨日、4th stageが終了した。来週からは5th stage、最終シーズンが始まる。

 舞台は、いよいよ神奈川県。何処の峠でバトルが展開されるのか楽しみだ。

 このアニメのストーリーは、ある意味でストイックだ。

 ただひたすら、峠のバトルが延々と続くだけ。

 たまに女の子が出てくるが、それは、あくまでも付け足し。話は、あくまでも、徹底して、車同士の峠バトルが主役。とても潔い。

 そして、ストーリーは全然飽きないし退屈しない。

 映像、そして特に音声(エンジン音)が素晴らしい。

 CGを駆使しているが、描写は極めてリアル。音楽も良い。

 かなり、視聴者を選ぶ作品ではあるが私は気に入っている。

 さて、Project Dはどのような結末を迎えるのであろうか。来週からが楽しみだ。

 

 この話の主人公が乗る車は「スプリンタートレノ」。AE-86だ。

 このややクラシックともいえる車を使って峠の下り(ダウンヒル)を専門に走る。

 「レビン」ではなく「トレノ」。

 何でトレノなのかは分からない。

 私の友人にAE-86乗りは何人かいたが、全てレビンだった。理由は「トレノのリトラクトヘッドライトは嫌」との理由。

 リトラクト構造は当時の女子が珍しがった。注目を引いた。

 一方で、それを少々軟弱と捉える向きもあったようだ。

 私はイニシャルD」を見ている間に、トレノがスタートする際、ライトをアップさせるシーンが気にってしまっている。

 トレノ…、いいなぁ〜、と思っている。

 イニシャルD」がマニアックな理由の一つは、主人公の乗る車がAE-86である、ということだ。

 GT-Rではなく、レガシィでもなく、セリカGT-4でもない。AE-86。

 これは、オールドファン・FR原理主義者たちにとってはたまらない設定だ。

 

 一方、ライバルの高橋兄弟は、RX-7に乗っている。

 劇中では「FC」と呼ばれている。

 私の友人には「FC」乗りもいた。2人。

 正確には「FC」と「FD」。

 「FD」乗りは、以前も話題にしたことのあるM先輩。

 M先輩は、レビンGTV(APEXではない)に乗った後、FDに乗り換えた。

 先輩曰く。

 「ロータリーはモーターみたいだ。アクセルを踏んだら、高回転域までそのままブ〜ンって回る」

 しかし、低回転域は「めっちゃトルクが細い」

 とも言っていた。

 何度か乗せてもらったことはあるが、助手席ではそのフィーリングは分からない。

 

 MAZDAがフォードと資本提携した時、ファン達は気を揉んだものだ。「メリケンの社長にロータリーの良さがわかるのか」と。

 同じようなことは当時の日産にも言えた。「カルロス・ゴーンGT-Rなんかに興味は無い(単なるコストカッターではないか)。生産中止になる」と。

 結果はどちらも杞憂であった。

 RX-7GT-Rは生き残った。

 今、RX-7RX-8)は生産されていない。2012年にその生涯を終えている。天寿を全うしたと言って良い。

 ロータリーは、コンパクト・高出力・超スムーズなエンジンである。

 捨てるには惜しい技術だ。

 そう思ってイニシャルD」を見ていたら、「MAZDA東京モーターショーRX-7を出品する」とのニュースが流れてきた。

 2015年なのか、2017年なのか、詳細は知らないが、私は少なからず驚いた。そして嬉しくなった。

 最近のMAZDAは元気だ。

 ダイナミックなフォルムを纏ったRX-7が華麗に再登場する。

 ワクワクしている。