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オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

業界の常識

 「自分たちにとっての常識は、世間にとっては非常識だ」

 この言葉は社会人になって10年ほど経った頃、先輩から教えられたものだ。

 自社の文化や業界常識という、狭い空間や枠組み、既成概念だけで物事を捉えていてはイノベーションは生まれない、よって、事業継続もあり得ない、というような会話の中から派生した言葉だった…

 

 私達から見ると、非常識、あるいは犯罪的、とも思えるようなことが平気で行われる例を最近幾つか目にした。

 

・食品の賞味期限の偽造

・食材の偽装表示

・他者(社)デザインのコピー(パクリ)

 等々

 

 そして、今回のVWの排ガス不正…

 名門とも言えるVWが何故このようなバカなことをしたのか、事件を聞いた当初は全く理解出来なかった。

 わざわざ、排ガス試験をクリアするためだけにエンジン制御プログラムを切り替えるなど、技術のある会社がやることではない。

 バレたときの影響を考慮すれば、全くもって破滅的行為だ。このような愚劣なことを確信的に行うこと自体が理解出来なかった。

 しかし、その後の報道や、専門家の解説を聞いていると、事実はそんなに単純なことではないようだ。

 VWが何故このような行為に走ったかについての技術的な考察は下記の記事がとても参考になった。

 

VW排ガス不正 ディーゼルは終わりなのか? 日本は大丈夫なのか? (THE PAGE) - Yahoo!ニュース

 

 つまり、多かれ少なかれ、皆がやっていることだ…と、受け止めることも出来る説明内容だ。

 車の燃費や排ガス量の測定レギュレーションは、メーカーにとっては周知のことであるので、それに合わせた対策を一定の範囲でとること自体は、どこの会社でもやっていること。

 恐らく、自動車業界にとっては、今回の一件は、「VWはやり過ぎた」との認識なのかも知れない。

 つまり、業界にとっては、国毎に定められた規制をクリアするための技巧(全能的技術ではなく)は ”常識” なのかもしれない。

 私達一般人にとっては「不正」に見えても、業界人にとっては「当たり前で、程度の問題」という領域が存在するということ。

 その点では、東芝の粉飾会計も、技巧的にはどの製造業でも実行は可能であり、事実、グレーゾーンの範疇で行われていると想像している。

 つくづく、「業界の常識」とは困ったものだ。

 VWは、当面、全世界からのバッシングを受けるであろうし、業績への打撃は深刻なものになると予想する。

 

 私がまだ学生の頃、姉の彼氏が(初代)GOLFに乗っていた。

 そのせいか、ずっと以前からVWは知っていた。

 いつか、GOLFも買おうと考えていた。

 かねてからのVWファンであり、ユーザー(UP!)でもある私にとって、今回の事件は本当に残念。

 以前も書いたが、私はVWディーゼルを評価していた。しかし、今回の一件でそれも修正せざるを得ない。

 技術者にとっての「常識」には、とんでもない落とし穴が潜んでいる。

 

 

 

 

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