新監督にエールを
松井秀喜がジャイアンツを去って以降、野球に興味は無くなったと以前書いた。
しかし、今回改めて野球に関する話題でブログを更新しようと思った。
それは、サプライズがあったからだ。
ドラフトのことではない。
賭博のことでもない。
阪神タイガースのアニキのことでもない。
読売巨人軍の新監督に高橋由伸が就任するとのニュースが入ったからだ。
これには、本当に驚いた。そして、野球ファンにとってはグッドニュースであろうと感じた。いや、アンチ巨人の方もいるので特定球団の監督人事のことを言いたいのではない。
一球団にとってではなく、球界にとって、良い意味、価値をもたらすのではないか、ということ。
彼はまだ40歳。いやもう40歳。
そして、現役続行を当然のこととして考えていたのが彼らしい。
しかし、彼はフロントの”オファー”を受けた。それは同時に希代のスラッガーの引退を意味する。
彼は、受け方も潔い。ウダウダ揉めない。
彼は、絶対に監督ではなく”スラッガー”として生きたかった筈だ。しかし、ほぼ即答に近い形で受諾した。
敢えて言う。
「男らしく」だ。
フロントが彼を新監督に推す理由の一つはこの人格であろう。
彼はまだ若く、兼任コーチの経験はあるがマネジメントについては未知数だ。
しかし、この一件を見て明らかなように、彼には人徳が感じられる。もちろん、それは現役時代の彼のプレースタイルに如実に現れていた。
あのファイト溢れるプレーに魅了された人は多い筈だ。
彼は2000本安打を達成していないし、本塁打を444本以上打っている訳では無い。
しかし、少なくとも巨人ファンは彼がその資質を持っていると信じている筈だ。
これは、矛盾している表現になるが、彼は”高橋由伸”であったからこそ、2000本安打が達成出来なかった。長嶋以上の本塁打が打てなかった。
しかし、巨人ファンはその ”未達成:高橋由伸” が大好きな筈だ。
何故なら、彼が大記録を持たない理由が「怪我を恐れない気合い溢れる全力プレー」にあったからだ。
残念なことに、彼はこれまで欠場がしばしばあった。
その多くの理由は不振ではなく、負傷だ。特に、守備におけるものが多い印象を持つ。
彼は外野手であるが、フェンス際のプレーが素晴らしい。壁を全く恐れない。
何度もフェンスに激突して負傷しているのに、そのプレースタイルは全くと言っていいほど変わらなかった。私はそんな彼にプロフェッショナルとしての敬意を感じていた。
もっと、無難に守備をこなしていれば間違いなく大記録の一つや二つは成し遂げていると信ずる。これは贔屓目ではない。彼の実力で40歳までプレーが継続出来ていれば誰でも考えることだ。
だが、彼は「無難な守備」をやることは断固としてなかった。そして、イチローほどの神業的な守備技術を持っていた訳でもなかった。だからその代償として幾多の負傷を被った。
しかし、彼は怪我から復帰したその後も恐れること無く、100%の力を出し尽くしてプレーしている。
私は、一野球ファンとして彼のプレースタイルを尊敬している。あのような選手は滅多に現出するものではない。
同じ雰囲気を感じたのはダイエー(現SOFT BANK)から巨人に一時移籍していた大久保くらいだ(JAPANの監督)。
そんな彼は、現役への拘りを吹っ切り監督就任を受諾した。
球界最年少の監督とのこと。
それもいい。
さて、どんな采配を見せてくれるのだろうか。
楽しみだ。
来シーズンは、開幕戦くらいは巨人戦を見てみようかな、と思っている。
これが先に言った「球界にとっては良い話題」の根拠。
彼には求心力がある。そして、ライバル球団には”アニキ”が監督就任するとのこと。あちらもいいじゃん。
巨人・阪神戦が楽しみになってきた。
新監督のスラッガーとしての評価には言及しない。ただ、彼を評した堀内恒夫の言葉を紹介しておく。
高橋由伸が打撃不振であった時期の言葉…
「どうした? 天才…」
余談であるが、監督候補に江川卓を指摘してたマスコミ関係者がいる。
本気で言っていたのであればアホだ。あり得ない。
恐らくその根拠は前監督との親交であろうが、巨人が近年そのような人事を行った事例を私は知らない。
江川氏の知見は否定しないが、直近でのコーチ経験もない者をいきなり監督招聘するようなことを巨人はしない。阪神はあり得るが。
江川と高橋では、現役選手から見た時の ”求心力” ”権威” ”訴求力” が全くと言っていいほど違う。
これは、監督としての資質や知識の問題ではない。
選手が ”本気” になるかどうかの問題なのだ。
恐らく、彼のヨタ記事を書いた者はスポーツ経験が全くないか、話題を作りたいが故の確信犯だ。全く笑わせてくれる。
球界の新進気鋭のリーダーの采配に期待したい。
久しぶりの明るいニュースだと思う。