不機嫌ワーゲン
VWを取り巻く疑惑は、まだ払拭されていない。
問題は、ディーゼルエンジンの排ガスだけではなく、ガソリンエンジンにまで拡大している。
先進技術を誇る同社が喪失したブランド価値、信頼は計り知れない。
ユーザーである私にも不機嫌なトラブルが続いている。
7〜8月の間、UP!はトランスミッションのトラブルでほぼ1ヵ月間近くディーラーの整備工場にいた。原因は、クラッチ、アクチュエータの障害だ。この2つのアッセンブリは結果として交換したので、ミッションを除いて総取り替えとなった。
営業に国内・国外に同様の事例はあるのか確認したところ、「どうやら少なからず同類の障害例があるようです」とのこと。
UP!は初期型なので初期不良としてやむを得ない、と諦めている。
営業は、3年目の車検(色々な補償が切れる)が迫っているがディーラーとして「トランスミッションのトラブルについては、補償期間後であっても対応する」と言っていた。
10月に車検を通したが、その後、トランスミッションのトラブルはない。
ところが、先週、高速道路上(PA内)でパンクに遭った。
パンクはあまり経験がない。それも、まだ3年しか乗っていないタイヤだ。
タイヤはブリヂストン製なので、VWの責任とは言えない。しかし、私は不機嫌になった。閉口した。
「ついていない」
「やってられない…」
仕方ないのでパンク対応のため、「VW緊急アシスタンス」に連絡をとった。
3年車検後で殆どの補償サービスが切れていたので、何をやっても有償と言われた。
近くにあるVW販売店も営業時間外なので緊急対応は出来ない。レッカーを派遣すると数万円の移動費がかかる。その日どころか、2〜3日、UP!はお蔵入りになる運命だった。
状況を救ったのは、損保ジャパンのロードサービスだった。
ICの傍にあるガソリンスタンド(GS)で無事タイヤ交換をすることができた。
対応可能なGSを探してくれたのは「VW緊急アシスタンス」、無償でレッカー車を出してくれたのが損保ジャパン。
絶望的な状況であったが、「VW緊急アシスタンス」のスタッフは私の相談に親身に対応してくれた。結果として、無事目的地に到着はできたが、酷い目にあった。
不機嫌ワーゲンである。
私は正直、トラブルに見舞われた際、UP!を売り払ってしまおうか、と考えた。
しかし、冷静になった今、もうしばらく乗り続けようと思い直している。
UP!は今トラブル続きであるが、VWの顧客対応自身は悪くはない。
VWが何か悪さをした訳でも無い。因に、トラブったクラッチ/アクチュエーターはBOSCH製だ。例のソフトウェアを作った会社。
悪いことが続くこともある。
今、私とVWをつないでいるのは、彼らの「顧客対応力」だ。