やり過ぎプリウス
新型プリウスはめでたくも絶好調の売れ行きとのこと。
紛れもなくTOYOTAのハイブリッドシリーズのフラグシップカーであり、ハードウェアの先進性という意味では国内最高峰に位置するものであろう。
注目の燃費は、何と40.8Km/ℓにまでなっている。初代が28.0Km/ℓであったことを考えるとその進化は著しい。
初代は、発売当時で見れば、その開発コンセプト、設計・品質、完成度、デザイン、実用性は他を圧倒していたが、現行モデルもその先進性のアドバンテージは維持されていると言って構わないだろう。
インテリアが良い。抜群だと思う(2代目のインテリアはBooであったが…)。
あのフロントに配置されたメーターは視線移動が少なく相当見やすいと想像する。実用性が高い。
…だが、気になる面も幾つかある。
まず、値段。最安モデルで243万円。最高モデルで320万円。相当高価なシロモノである。因に先代(3代目)は、205万円〜327万円だ。ベースが高くなっているのは一目瞭然。
燃費も細かいことを言えば40.8Km/ℓはEモデルで、その他のグレードは37.2Km/ℓ。
先代は36.5Km/ℓ〜38.0Km/ℓであるから進歩はしているが、実際にそのアドバンテージが給油時に実感出来るかはビミョーだろう。
何よりも、40.8Km/ℓはカタログスペックであり、実用燃費は良くても7割程度であろう。それでも街中を走って25Km/ℓ以上も出るのであれば、それは凄いことではある。
一番気になっているのはスタイリングだ。
あのフロントマスク…ブサイクだと思う。好みの問題であろうが。
先進的なデザインであるとは思うが、やり過ぎ…だ。
私は恥ずかしくて乗れない。
さらに、致命的なのは後方視界だ。
フロントからリアにかけてなだらかに競り上がるボディラインを引いて、それをハッチバックにしている。
一見、リアウィンドウは大きいが、極度に寝かせてあるため、運転席から見る後方視界は絶望的に狭くなる。
2代目、3代目もそうであったが、プリウスを運転していて一番困るのは首都高速への進入だ。
後方の見切りが悪いため、大変進入し辛い。特に首都高速には右側レーンに進入させるランプ(例えば羽田)があるため、その度に恐ろしい目に遭うことになる。
これに、大雨が加わると、これはもうアトラクションだ。
以前も書いたが、大雨の日にプリウスは運転するべきではない。その弱点は、今回、さらに強化・拡大されてしまっている。
とても素晴らしい車であるのだが、残念な車でもある、と思う。
だからと言って、4ドアセダンでプリウスを作ってほしいと言うと「それじゃぁ、SAIを買いなさい」と怒られるだろう。
因にプリウスを好きで買っている人を挑発しているつもりは無い。ただの感想だ。
注目のプリウスであるが、その存在がTOYOTAの先進性を誇示する時代は既に終わっているかもしれない。
「MIRAI」に未来があるかも怪しい。
ハイブリッドはあくまでも燃料電池への繋ぎ。
しかし、水素が環境性能の到達点であるかは、未だ結論は出ていない。
テスラの存在は不気味だ…