シン・ゴジラを見て
先日、シン・ゴジラを鑑賞した。
妻を誘ったのであるが「NO!」との回答。やはり、以前「クローバーフィールド」を無理矢理誘った反動なのか、後遺症なのか…。SFに付き合ってくれなくなった。
息子に「シン・ゴジラいかねぇ?昼飯おごるよ」と言ったら
「ムリ!」
誰も付き合ってくれない。
結局、私と妻、娘夫婦と4人で一緒に出向き、各々好きなものを見ることになった。
私は「シン・ゴジラ」
妻と娘は「PET」
婿殿は「ゴーストバスターズ」を見ることになった。
Hahaha…、見事にバラバラだ。
でも、各々の嗜好を表していて興味深い。皆が皆、ゴジラを見たい訳では無い。当たり前だ。
ラゾーナ川崎の109シネマに行ったのであるが、3種の映画はほぼ似たような時間に始まり、同じ頃に終了した。
結果、4人で映画に行ってきました、というのと同じである。別々のを見ているのだが…
上映終了後、「つばめグリル」で4人揃って遅めの昼食をとった。
各々の見た映画の感想を述べあった。どれも、大変面白かったらしい。
私は婿殿から「ゴジラどうでした?」と聞かれたので、
「良かった。自分の中ではシリーズの最高傑作だと思う」
と答えたら、彼は大層驚いていた。
「エヴァンゲリオンみたいですか?」
「ハハ、同じBGMが流れてたよ。とにかく映像が凄い。凄くリアル。ストーリーも面白い。庵野が監督するとこういうゴジラになるんだ、と思った。やられたよ。やっぱり彼は天才だ。」
以上は、私の正直な感想だ。
印象的であった部分にもう少し触れておく。
・目的の60%は、石原さとみさん(好きなんです)。彼女のスーツ姿は抜群に良かった。流暢な英語を話すのには驚いた。そう言えば、英会話のCMやってたなぁ
・長谷川博己さんの臭い演技は庵野監督は織り込み済みなのだと思う。あの臭さが良いのだ。あんな政治家は日本にはいない。ゴジラも彼も日本では架空の生き物だ。
・自衛隊がカッコ良かった。幕僚長の「お礼の言葉は無用です。仕事ですから…」のセリフにしびれた。
・防衛大臣が突き抜けていて良い。「いいんですね?総理。許可があれば自衛隊は首都の真ん中でも徹底的にやりますよ!」たじろぐ大臣達…。小池百合子都知事がモデルか?との風説もあるが、私は違うと思った。小池さんは、もう少ししなやかに言う(見せる)と思う。
・環境庁の課長補佐は確かに良い!
・エスプリの利いた皮肉があちこちに散りばめられている。石原さとみさんのセリフに思わず笑ってしまった。「私の国では重要事項は大統領が決めるわ。あなたの国では誰が決めるの?」
・京浜急行とJRの扱いの差が面白い。
・武蔵小杉は、本当に破壊しても良いと思う。あそこさえ無ければ、湘南新宿ラインは混雑しないのだ。
・シン・ゴジラに超兵器は登場しない。純粋に人と "シン" の闘いを描いている。それが良い。人には知恵がある。同志がいる。日本を救おうという決意がある。ヤツと闘えるのは自分達だけだ。自分達が何とかするんだ。そういうメッセージがヒシヒシと伝わってくる。「日本も捨てたもんじゃない」。このセリフに救われる。長谷川さんが自衛隊員に激を飛ばすシーンは「インデペンデンス・デイ」のホイットモア大統領の演説を彷彿させる。泣けるシーンだった。
・ラストシーンでゴジラのシッポの先に溶けた人らしきものが映っている。これは何の暗示なのだろうか。ゴジラが人を食べているという意味か?はたまた、ゴジラの正体は人類だとでも?まぁいいや。考えても仕方が無い。庵野氏がよくやる謎掛け、揺さぶりだ。
当日、ゴジラを上映する劇場は混雑していた。満員だった。
私の右隣に座ったのは小さな女の子2人を連れたご夫婦だった。左隣はカップル。そのまた左はじいさん3人。
このような方々と同席したのは、たまたまかもしれないが、ゴジラヒットの理由を見た気がしている。
以外と、多くの世代にファンがいるのだ…