誤ったイノベーション
Windows10がいけない。
まだ、8.1の方がマシだった。
UIが変わってしまって、私からすれば操作性が悪くなった。どこに何のアプリがあって、どうすればしたいことができるのか、さっぱり分からない。
そもそも、IEの「お気に入り」はどこに行ったのだ。
Siriではなく、コマンド実行用の窓はどこにあるのだ。
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このマシン(Acer V5)はしばらく触っていなかった。
業務用途を除けば、世の中の人たちのPCの使い道の大半はインターネットコミュニケーターであろう。私の妻もその通りで、普段はiphoneを使ってメール、LINEをやっている。
妻がPCを使うのは、Amazonでの買い物だ。他のことは全てiphoneでできるのでPCは使わない。
そのため、相当の期間、PCを立ち上げていなかったようだ。
用があって、私は久しぶりに、PCを預かって電源を立ち上げてみたのだが、これがいけない。
更新プログラムのダウンロード、インストールの繰り返しで、マシンがまともに走っていることがない。ほとんどの時間が更新プログラムの動作に支配されている感じだ。
電源を立ち上げれば、いつの間にかローディング…、落とそうとしても勝手にインストールで何十分間もマシンを占有。いつまで経っても電源は落ちない。
アプリがなかなか立ち上がらない。立ち上がっても…遅い。バックグラウンドで、ず〜っと何かが走っている。重い。凄まじく重い。
放っておいたら、いつの間にかブルースクリーンになっている。
「修復をしています(XX%完了)」
この状態で、数十分間占有状態が何度も続く。
この2週間ほどで、Windows10がまともに動いている時間は、マシンが立ち上がっている時間の半分もない感じだ。
大げさに言っているのではなく、バックグラウンドジョブを意識させられている時間を含めれば、本当にそうなのだ。
こんなマシン、使えない。
いや、ハードが不良なのではなく、搭載されているOSがPCを使用不能にしているのだ。意味不明。
・・・
日常の用途は、Macで十分だ。
私のMac Book Proは、Mid2010であるが、Sierraは何でもなく動作している。結構、古いマシンであるが最新OSの動作に何の支障もない。
それに対して、Windows10のこの体たらくは何なのだ。
動かないコンピュータ、アプリを動かせないオペレーティングシステム(OS)を開発しているマイクロソフトという会社は一体何者なのだろう?
当たり前のことであるが、OSはアプリを動作させるためのプラットフォームだ。目的はコンピュータを使って何らかの仕事をすることで、OSを動かすことが目的ではない。
OSがコンピュータを占有するなんて、本末転倒。何をやっているのか、さっぱり分からない。
OSが本来の仕事をそっちのけで、更新プログラムをローディングし続けないといけないことが止むを得ない現実であるというのであれば、それは設計が実用に耐えないのであって、商品として成り立っていないということだ。
マイクロソフトがMS-DOSを世に出したのが1981年。それから、この会社はイノベーションを重ね続けた。
この会社が開発したOSがPCを単なる文房具にした。この功績は偉大だ。歴史に残る偉業と言える。
しかし、この会社はOSというものを公共財ではなく ”商品” としてしまった。
そして商品だから、売るためのVerUPを繰り返した。本来、不要であったとしても、だ。
イノベーションが本来の目的ではなく、売るための ”改変” である(勿論、中には必要なイノベーションもある)。
そして、今やこの会社の売っているOSは、継続的にセキュリティ・パッチを当てないと正常な動作を保証できないクズ技術で出来てしまっている。
Windows10は、間違ったイノベーションで出来ている。
本来不要な機能、実装技術が、発揮されるべき性能をスポイルしている。
残念至極。
今一度、Unixを触ってみてほしい。
本来のOSとはこのようなもののはずだ。
ケータイやタブレットでインターネットコミュニケーションは十分にできる。
で、あればPCに求められる機能とは何なのか?
ゴテゴテした映像・動画表示機能ではない。
”仕事” を成し遂げるための環境を提供することだ。
今のWindowsは、評価する価値がないゴミクズだ。