オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

飛べ!

 小学生の頃の幼馴染との会話。

 「ゆず、エキスポランドのダイダラザウルス(ジェットコースター)って4号車と5号車があるらしいけど、どっちに乗る?どっちも、相当ヤバイらしい。」

 「どう違うの?」

 「4号車は”急旋回型”だって。振り落とされるくらい、右左に揺れるんだって」

 「えっ…」

 「5号車は”高速型”。めっちゃ、早いんだって。時速70Km以上らしい」

 「うっ…」

 「どうする?」

 「…、どうせ怖いなら4号車…」

 「え〜!やめようよ。」

 「5号車は怖くないと?」

 「いや、分からん…」

 「そもそも、怖くなければ乗る意味あらへんよな」

 「そやね…」

 

 と、いうことで私と彼は4号車に乗った。

 とにかく、我々は手摺にしっかりと捕まって乗った。2人は走行中、叫び続けた。

 しっかりとバーを掴んでいたが、コースターは右に左にローリングしたため、体は大きく揺れ動いた。横Gは凄まじく冗談ではない怖さだった。

 ほんの数分の時間であったが、コースターから降りた際、足元がふらついていたのを鮮明に覚えている。

 当時のエキポランドのコースターは、全国一のスリル乗り物だったと思う。その頃、富士急ハイランドにどのよなコースターがあったのかは私は知らない。

 

・・・・・

 

 以前、友人から聞いたことがある。

 「ジェットコースターが下りに差し掛かるとき、両手を挙げるとすごく気持ちがいいよ」

 「?」

 私には意味が分からなかった。何で、わざわざ、そんなことするの?それでなくとも、怖いのに。

 そういえば、遊園地で見てみると、そうしている人が結構いた。

 私は、今でもそんなことはしない。

 しっかりと、バーを持ってコースターに乗っている。それが、自分の流儀だ。何で、わざわざ手を離す必要があるのだ…。意味不明だ。

 

・・・・

 

 八景島シーパラに「free fall」という恐ろしい乗り物がある。

 私と息子はこれには乗らなかった。

 二人の意見は同じ。

 「これはヤバイ」

 100mの高さから、自由落下するという代物だ。

 これに乗る人の理由が分からない。

 何かあったら、どうするんだ…

 

・・・・

 

 この間、どこかの遊園地で、バンジージャンプの紐が切れて、飛んだ人が怪我をしたそうだ。

 

 私は同情しない。

 エレベーターの紐が切れるのとは意味が違う。

 バンジージャンプに安全装置はない。そんなこと、子供だって分かるだろう。

 私は同情しない。

 ジェットコースターで両手を挙げるのとはレベルが違い過ぎる。

 何故、人はバンジージャンプを好むのだろうか…

 「まさか、紐が切れるとは思っていなかった」という人は、真剣に自らの頭脳、思考力、危機管理能力を疑った方がいい。

 それ…、どんな根拠だ?