飛梅
日本ではものの序列、順位付けをする際に、単に「ベスト3」というのではなく「松竹梅」という表現を用いることがある。
和食の会席料理、コース料理などでよく「松コース7,000円」「竹コース5,000円」「梅コース3,000円」なんて例を見ることがある。
何で松が他の2つを差し置いて1位なのかは知らない。
しかし、この3点セットはやはりめでたいものの代表選手であるらしく、正月飾りの門松には全てが含まれている。日本人にとって松竹梅は生活に溶け込んだ身近なアイコンと言える。
さて、今はまだ冬。桜が開花するまでは1ヵ月ある。一方で、今旬なのが「梅」だ。
梅はそもそもは中国が原産で奈良時代に日本に運び込まれたとのこと。小学館の辞典によると686〜697年辺りらしい。おそらく遣唐使によるものと推測できるが、この時期に渡航があったとの記録はない。
事実は不明であるが、藤原京ができた頃から桜と並びこの落葉高木が日本人に深く愛されてきたことは間違いない。「遣唐使なんか意味ない」と言って廃止してしまった菅原道真が梅をこよいなく愛したというのは皮肉。
愛し愛された梅が時空を超えるなんてロマンだ。
私の近隣の小田原市は梅林でも有名だ。曽我梅林と呼ばれている。
曽我は「曽我兄弟」が所以らしい。
今の時期、休日は大変な賑わいになるらしい。なので、昨日(金曜日)妻に誘われ久し振りに行ってきた(30年振り)。西湘バイパスを使えば1時間ほどである。
旬である。満開状態だった。
↑ これはプライベート梅林
↑ 枝垂れ梅
↑ 丘の上から見た風景。正面に小田原駅が見える。左の遠方には伊豆半島/大島まで見える。天気が良いと真ん前に富士山が望めるはず。
↑ これは、ある方からいただいた「梅枝(うめがえ)」(伐採を疑われないようタグがついている)
実はこの話には前振りがある。
先日、妻が以前に漬けていた梅酒が物置から出てきたのだ。妻は事実を全く忘れていたようで、恐らく3年は経っているとのこと。
これを相伴に預かった。
素晴らしい香りと味!こんな尊いお酒を飲んだは初めてだった。
二人で大いに盛り上がったことが今回の梅林行のきっかけとなったのだ。
かの大陸から渡来した季節の贈り物。
桜も良いが、良いものは他にもあった…