オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

ポーランドという国

 ずいぶん前の話になるが、ポーランドに行った事がある。

 日本人にとって、ポーランドとはどういうイメージの国であろうか。

 ワルシャワという都市が思い浮かぶが、それ以外は「ワルシャワ条約機構(WTO)」ぐらいしか繋がらない。

 オリンピックで体操の強い国。

 寒そうな国。

 きゅうり、いやキュリー夫人の国。ショパンもそうであったか?

 この国は、実は歴史上、何度も国家としての体制を失っている。

 占領や分裂の繰り返しを経て現在に至っている。近代では、第2次大戦がドイツのポーランド侵攻で始まったことが印象的だ。

 ドイツと隣合わせのおかげで、歴史上、相当な災厄にあっている国と言える。

 

 10数年前に行った私の印象は、のどかで静かな歴史のある国、といったものだった。小さい頃見た絵本に出てくる外国の風景だ。

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 聞くところによると、この国の多くの人は敬虔なカトリックであるらしい。

 やはり、街全体にそのような雰囲気が漂っている。

 旧市街地は、大戦時にナチスにより徹底的に破壊し尽くされているはずであるが、今は見事に復興している。

 カフェテリアでコーヒーを飲んでいたら、見知らぬ人が声をかけてきた。何だろうと、思ったが返答してはいけないと同伴者から言われた。相手をすると、相当面倒な人達らしい。

 実は、今年4月にベルリンに行った際も、この手の人達がいた。

 手にメモをもっており、「このかわいそうな子供のため、お金を下さい」と英語で書いてあった。ヨーロッパではよくあることらしい。

 

 ボヘミアグラスが安価で購入できると聞いたが、当時興味がなかったので買わなかった。少し後悔している。ロイヤルコペンハーゲンもこの辺りで買うと安いらしい。

 

 旧市街地を歩いていると教会があった。

 前にオープンカーが止まっている。

 缶詰にひもが括りつけられている。ああ、結婚式をやってるんだ。教会の扉を少しだけ空けて、若いカップルが中を静かに覗いている。

 私も、彼らと一緒に中を覗いてみた。

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 とても厳粛な空気の中で、真っ白なドレスを着た女性が立っていた。

 映画で見る教会の結婚式のシーンとは少し違った。

 もっと地味だ。

 しかし、花嫁はとても奇麗だった。

 カップルは静かに、それをじっと見ていた。あの場で「次は僕たちだ」と彼は彼女に言ったのであろうか。

 

 ポーランド、というか、東欧の女性は色白で大変美しい。

 オリンピックで有名になったナディア・コマネチさんは、東欧の典型的な美人だ(彼女はルーマニア)。

 皆さん、スタイルも抜群で、男性は皆メロメロらしい。

 こちらの男性は、とても紳士だ。公園では、男性が必ず女性の手を引いてエスコートしている。ベンチに座っているときも、必ず女性の手の上に自らを重ねている。

 こちらの女性は25歳までは、皆天使のように美しいらしい。その後、おばはんに変質するらしい。

 現地の人に「騙されてはダメだ」と言われた。しかし、ご高齢になった夫婦は、皆仲睦まじく見え微笑ましかった。

 

 女性が太るのも合点が行く。こちらの主食は肉だ。それも、幅が相当太いもの。

 日本人は醤油なしにこのステーキは食えない。デザートもドでかいケーキが出てくる。こんなもの、毎日食べてんのか、と驚いてしまう。

 ポーランドの人達には英語は通じない。しかし、あるお店の老婆がドイツ語を話したのには驚いた。これは占領時代の名残であろうか。

 戦争の記念碑、それを守る警ら隊、ずっと灯火続けるロウソクの炎が、今でも印象に残っている。

 

 韓国も一時期、日本に併合されている時期があった。

 自国の文化を捨て、無理矢理日本語を使うよう強制されたという。その呪縛から解放されたのは1945年8月15日だ。

 この日は、私たちにとっては終戦・敗戦の日であるが、彼ら(韓国、中国)にとっては解放記念日だ。自国のアイデンティティを取り戻した日だ。

 占領された側の言い分は当然あるだろう。

 

 心から謝罪せよ、天皇陛下も土下座せよと、今年は言われた。

 

 日韓併合からは、100年以上が過ぎているが、謝罪や誠意というものが両国間ではまだ現実のものではないらしい。

 どうすればいいのであろうか・・・