夏休みの工作教室(考)
「そんな細かい事、どうでもいいじゃん!」という人の方が恐らく世の中では多いのだと思う。でもいけません。これを間違えては。恥です。
日産サニーをプリンス・スカイラインの原型というくらいに恥ずかしい間違いです。
基本的なことを間違えるというのは、物事の根幹的なことがらを見過ごす、あるいは蔑ろにする姿勢(傾向)があるからこそ、起きるのだと思う。日経新聞は、ウラを取らずにあの配信記事をコピペした。私は、この姿勢を怒っている。
プロダクトの源流とは、突き詰めれば意匠権にも繋がるものだ。その取扱いがあまりに軽薄すぎる。
もう一度言っておく。日経新聞は恥を知りなさい。
世の中、便利になった。ネットを検索するとapple-1の回路図がヒットした。今からでもその気になれば、夏休みの宿題として apple-1が作れる。
MPUの6502やら、バスドライバに使っているICが手に入らないかもしれないが。
回路図を見ると、構成は非常にシンプルだ。
MPU、バスコントーラ、バスドライバ、メモリ(RAM)くらいしかない。電源は、3種類必要だ。5V、+12V、−12V。今時3種類もめんどうくさいな。これは、パソコンショップで買えば良いか。
しかし、この通りに組み立てたとしても、このコンピュータは動かない。OS(オペレーティングシステム:基本ソフト)が無いからだ。
「何とかせねば・・・」
そして、さらにネットを検索する。
あれ、apple-1のマニュアルまでUPされているではないか。
これを読むと、モニタプログラムが掲載されている。これをROMに書き込めばシステムのイニシャライズ、コマンド入力待ちまでは行きそうだ。
しかし、メインルーチンはあるけど、サブルーチンの記述がないじゃん。どうするんだよ・・・。半端だな。
あれ?
どうやって、ROMにマシン語を書き込むんだよ。今時、ROM Writerなんて売ってるのか?秋葉原までいくのは面倒だし。
でも、それが出来たとしても、その後が大変だな。コンピュータはプログラムがなければ、ただの箱、だ。何のプログラムを突っ込めばいいんだよ。OSまで作ってられないぞ。
そういゃ、apple-1ってBASICを搭載していたのかな?
ええい、面倒だ。やめた!やめた!
・・・・・・・。
どうせなら、TK-80を作れないか?
ネットを検索してみる。あった!
ふ〜ん。apple-1に比べると、パーツが多いし、配線も複雑だ。基盤もユニバーサルを使ったしても結構大きくなるぞ。だいたい、これ、何に収納すればいいんだよ。現実的じゃないな。PCを組み立てた方が早いじゃん。値段も結構かかりそうだ・・・。
えっ!エミュレータがあるの?
TK-80の?
す、凄い。モニタプログラムまでついている。
これで、マシン語の勉強できるじゃん。便利な世の中になったもんだ。
工作はあきらめて、マシン語の勉強を夏休みの自由研究にするか。組込み技術者が国内では不足していると聞いたことがあるし、将来何かの役に立つかもしれない。
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Mac OSは、Unixをベースに開発されている。apple-1にOSはない・・・。
MacのMPUは、当初モトローラの68000シリーズを採用していた。このプロセッサはVAX-11(UNIVAC)に似たアーキティクチャを持っている。まさにスーパープロセッサだ。i80486よりも圧倒的にプログラムしやすい。
その後、Macのプロセッサは、IBMのPowerPCとなり、今はIntel。OSは、OSX。これ、オーエスエックスではなく、オーエステンと読みます。
apple-1は、キーボードでの操作。Macはマウス操作。だいたいapple-1にグラフィック機能なんかないだろ。キャラクタディスプレイしか当時は無かったぞ。Windowの概念がない時代だ。Unixだって、x-windowをサポートしていなかった。
apple-1は、先の例え話のように6502を使っている。当時はマイナーなプロセッサだった。この石は、任天堂のファミコンにも使われていた。
関係ない話だが、SonyのTVリモコンで当時のMacの電源のON/OFFができたそうだ。モニタがSony製だったらしい。TVを消したらMacも一緒に死んだ、というのはユーザの中では有名なエピソードだ。
因に、私はMacユーザ。このblogもMacBook Proで書いています。
ね?
日経のバカ!