想像力が絶望的に足りない老人に率いられる集団
今朝、ルネサスのことを書いてUPしたので、ブログは打ち止めのつもりであったが、どうしても気になることがあったので今日中に書き留めておきたい。
日本のエネルギー政策に関する政府の閣議決定の件だ。
何だかよく分からない文章が閣議決定されたとのことで、政府の姿勢が厳しく非難されているようだ。国民にさんざん議論させておいて、この他人事のような対応は何事かと。
マスコミも稀に正しい批判をするんだ、と思った。
原発ゼロの政府方針については、海外からも否定的な意見があったと聞く。そりゃ、ドイツ以外の国は”ゼロ”とは言ってないし、日本は原発プラントの輸出国でもある。ゼロはいくら何でも極端な方向転換だ、と言われても仕方ないとは思う。
経団連会長の米倉氏も「ありえない」と厳しく批判、反対した。お決まり文句の「電力料金が上がると企業の国際競争力が損なわれる」「企業は安定電力を求めてますます海外シフトし国内雇用は益々厳しくなる」という趣旨のことを言っておられる。
しかし、本当にそんな昭和のビジョンを維持していて良いのか?原発をベースにした電力コスト、国際競争力を主張していて。
”安定電力を求めて外国に”って、電力供給は、日本が一番安定してるんだぞ。この人、USAに行ったことないのか?あそこでは、フツーに停電がおきる。アジア諸国もそうだ。つまらん恫喝は止めてもらいたい。一理あるが、日本の製造業の全てを海外に持って行ける訳がなかろう。そちらに合わせて例えるなら、原発ゼロと同じくらい無茶な方針だ。
この方はもう75歳だ。
失礼ながら日本人の平均寿命を考えると、ご自身がこの国のエネルギー供給の現実と将来について語る資格はないと思う。
会社のことではなく、自分の孫の世代の持続成長可能な社会のあり方を考えるべきだ。一体、幾つまで生きるつもりなのだろうか。この国の現実を、あと何年見続けることができると考えておいでなのか。
だいたい、75歳にもなって、まだ企業経営に関与するって何事だ。想像力が無いというだけで、国民にとっては著しい老害だ。
エラッそうに現実論を言ってるように聞こえるが、この人が選んだのは未来の無い”現状維持”だ。
原発ゼロは、現状、確かに電力の安定供給の面で根拠がない(足りない)かもしれない。しかし、前にも触れたが、この国の組織と電力会社には、危機管理能力が足りない。また、絶対安全な原発プラントも作れない。ウランの核分裂を止める技術はまだない。
つまり、私達は、原発を完全に制御する技術とマネジメント能力がないのだ。
代替エネルギーの開発には時間がかかる。だからこそ、早く本気で取り組まなければならないのだ。
”電力の安定供給”なんて言ってると、永遠に政策シフトはできない。
経団連の会長は、企業経営者の代表であり利益誘導のロビイストであることは事実だ。しかし、このタイミングで政府の後押しをしなければ、永遠にゼロシフトへの機会はこないのではないか?
他に一体どのようなシチュエーションでエネルギー政策の転換の機会があるというのか。次の原発事故まで待つつもりなのか?
あなたは、それでいい。
もうそんなに長くないから。
私もいい。似たような時間レンジだ。
しかし、子供達は違う。
彼らの人生は、生活はこれからなのだ。一体彼らの将来、未来をどうするつもりなのだ。
「それは次の人達が考えるから。今、政策転換されたら経営者が困る」とこの人は言っているのだ。
冗談じゃない。
年寄りは将来を語る資格はない。語るべきではない。
我々は、自分達が生み出した”鬼っ子プラント”(原発)の将来に対し責任がある筈だ。
廃炉するだけで30年以上が必要な設備だ。今からどうするかを真剣に考えないとダメだ。
この経営者団体のトップは、論理的なこと、現実的なことを言っているつもりであるが、実は思考停止している。
選択したのは「未来の無い現状維持」だ・・・。
何の役にも立たない団体=経団連。
未来を考えなくても構わない人達の集団。
企業の利益だけが社員の将来を担保すると信じている創造力の足りない人達の集団。
22世紀が今の枠組みで迎えられるとこの人は思っているのだろうか?
信じられないくらい、想像力・変革能力が足りない老人だ。
早く引退して欲しい。
一方的な書き方になってしまった。しかし、どうしても、本日(2012/9/23)書き留めておきたかった。
視野狭窄は、果たして、私か?
それとも、あの老人達か?