EU、そしてドイツの壮大な社会実験
昨日、街を歩いていて「日本未来の党」の政権公約パンフレット(マニフェストではない)を手渡された。詠われている公約は次の通り。
・卒 原発
・活 子ども・女性
・守 暮らし
・脱 増税
・制 官僚
・誇 外交
小沢一派が合流しているだけあって、以前の民主党のビジョンが生き残っているようだ。政策の善し悪しを言う事は止めておく。もはや、議論の価値を見出せない。
しかし、しなやかな、優しい政策であると思う。
党首のカラーが出ているのか・・・
政策の実現性については、マスコミの論調は厳しい。
世論の支持も思うようには伸びていないようだ。
皆、信じられないのだと思う。
本当に、こんな優しい社会が、平穏な、住み易い社会が作れるのか?
今の経済力を維持しながら、原発を卒業する事が本当に可能であるのか?
絶対間違いなくできる、100%実現できる、と証明(約束ではない)してくれれば支持する。国民の本音はそのあたりか・・・
しかし、そんなことは無理だ。
誰もそんなこと、証明できない。そして、既存政党、多くの有識者とやらも、「原発なしの社会は考えられない」旨の発言をしている。
恐らく、この国の指導者達(誰?)は、もう一度原発事故を起こさないと、既成概念、価値観から卒業できないのだと思う。
それも、ある意味やむを得ないのかもしれない。
そんな中、70年間、他地域のどの政治家、為政者、指導者達が考えもしなかった壮大な理想を追い求めている人達がいる。
EUだ。
この緩やかな国家共同体は、冷ややかな視線を送るUSA、ロシア、イギリスを尻目に、今回の経済危機を乗り越えようとしつつある。
そして、ゴールはさらに彼方にある政治統合、国家統一だ。
ドイツのメルケル首相は決して諦めない。フランスにどれだけ皮肉を言われようがめげない。あくまでも、優等生を演じ切る決意のようだ。
あの悪夢の大戦の結末を国家統合という歴史上、類を見ない壮挙で飾ろうとしているのだ。
そして、このEUの紛れもないリーダーは、脱原発も指向している。
ドイツの脱原発政策は、財源問題から曲がり角にきているとの話も聞く。しかし、彼女達は諦めてはいないようだ。
果たして、この国は楽天家の集まりなのであろうか。それとも、誇大妄想狂が国家体制を率いているのであろうか。
この人達は、自分たちの描いた理想を信じている。
必ず国家統一はできる、やらねばならない、もう2度と戦車で国境を越える事はない、と決意しているようだ。
夢は、行動に移さないと実現する事はない。
難しい、無理だ、と言っている間は夢は夢のまま。
彼の北の大地で行われている壮大な社会実験は、果たして結実するのであろうか。
私達、日本人には論評する権利はない。
私達の国のリーダー達は、ただ単に”無理だ”と言ってるだけ。夢に向かって行動する事すらない。
私達に口は挟めない。この人達を冷笑できる立場にはない。
ただ、じっと傍観するのみだ。
この計り知れない程の理想を追い求める人達に、今日、ノーベル平和賞が贈られる。