オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

横須賀カレーと連合艦隊の面影

 先週、「よこすかカレーフェスティバル」に行ってきた。

 毎年、横須賀の三笠公園で開催しているらしい。日本全国から、ご当地カレーがやってきていた。

 今年、一番行列を作っていたのは、「会津地鶏カレー」と「門司港焼きカレー」。

 会津は、今年色々と話題を振りまいている地域であるので、注目度が高い事も頷ける。

 

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ゆず「門司港?ここのカレーって有名なの?」

彼女「このあいだ、TVで紹介してた。これが食べたくて来たんだけど、この行列じゃあ無理だね・・・」

ゆず「ありきたりだけど、海軍さんのカレー食べてみたら?」

彼女「うん、そうする。何種類か食べたいから、手分けして買ってこようよ」

 

 

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 食べてみたのは、「手羽先(カレー味)」、「お肉屋さんの海軍カレーとコロッケ」、観音崎京急ホテルの「じっくり煮込んだホテル特製カレー」、「富良野オムカレー」。

 もうこれで、お腹いっぱい。食べきれないぐらい。

 奥のテントでは、カレーバイキングをやっていた。500円で、海軍カレー4種類が食べられる。ここだけで海軍カレーは16店舗!もある。

 

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 しかし、満腹になってしまい、ここまでたどり着けなかった。

 初夏の日曜日であり、とても気分の良い日であった。

 帰りは、傍のヴェルニー公園で薔薇を見て来た。少し、時期的には遅かったらしい。

 元気な薔薇を見るのであれば、もう少し早い方が良さそうだった(ゴールデンウィーク辺り?)。

 

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 三笠公園には有名な「戦艦三笠」が展示されている。

 この日は、通常500円の観覧料が200円になっていた。せっかくなので、彼女を誘って観覧することにした。

彼女「三笠って何だっけ?」

ゆず「日本海海戦の時の連合艦隊旗艦だよ」

彼女「キカン?」

ゆず「フラグシップのこと。艦隊の司令官が乗っている船だよ。戦争に勝った記念に展示されている」

彼女「一体、どこと戦ったの!」

ゆず「日露戦争の時に、日本海で艦隊決戦があったんだよ。ロシアのバルチック艦隊と日本の連合艦隊が戦った」

彼女「バルチ・・・、艦隊・・・」

ゆず「坂の上の雲でやってたでしょ?本木君が秋山真之役をやってたじゃん」

彼女「知らん、知らん、見てない」

 

 彼女には全く意味が通じていない。公園に立っている銅像を見て「あれ、誰?」と言っていた・・・(知らなくても仕方ないよね、トウゴウさんなんだけど)。

 

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 三笠は、全長122m、15140t。当時は世界最新鋭の戦艦だった。でも、イギリス製なんだよね、これ。

 当時の日本には、このような船を造る技術はなかった。日本海海戦に参加した戦艦の多くは舶来品だった。輸入品で戦っていたんだね。少し不思議な感じがする。

 三笠の竣工は、1902年(日本海海戦は1905年)。

 日本が自前で超戦艦(いわゆる超弩級艦)を建造するのはこれから12年後、1914年、この横須賀の地、「横須賀海軍工廠」でだ。

 その記念すべき戦艦名は「比叡」。そして、この船は、実は太平洋戦争で最初に沈没(自沈だった)した日本戦艦だ。

 その後、三笠は軍縮条約にもとづき廃艦となったが、1926年に記念艦としてこの地に繋留された。

 太平洋戦争後は、雨ざらしになっていて、相当酷い状態であったらしいが、1961年に寄付金等により復元され、現在の姿になったそうだ。

 約100年前の船であり、びっくりするような装備や仕掛けが見られる訳ではないが、これが「闘う船」であることはよく分かる。とても、綺麗に保存されている事は日本国民として喜ばしい事だと思う。

 記念艦という性質上、連合艦隊の栄誉を賛美する部分が散見されるが、目くじらを立てる事でもないだろう。日本が明治維新後、海外の列強国に追いつけ、追い越せと必死になっていた状況と併せもって見ておけば良い。

 艦内に掲示してある「連合艦隊解散の辞」は、プロフェッショナルのあり方として、現代のビジネスパーソンの心構えにも通ずる部分があると思う。秋山真之が起草したと伝えられている。

 ここにくれば、100年前の連合艦隊の面影に会う事が出来る。

 それは70年前にあったものとは異なるのであろうか・・・

 

(おまけ)

 今日、彼女が覚えた海軍用語。「三笠」「バルチック艦隊」「イージス艦