大きくなったら猫写真家になりたかった
子供の頃、天文学者になりたかった。
宇宙飛行士ではなく、望遠鏡を覗く人になりたかった。そして、「宇宙誕生の謎と理由」を解きたかった。
でも、成績優秀でもなければ頭脳明晰でもなかったので、普通のおっさんにしかなれなかった。
私の夢は叶わなかったが、他の優秀な方々によって今や「宇宙誕生の謎」は明らかになろうとしている。「宇宙誕生の理由」解明までは、まだ道程が遠そうだが・・・。
次になりたいと思ったのは、漫画家だった。
しかし、思春期になるとその思いも潰えた。知恵がついて、この職業が大変なものであることに気付いたからだ。とても、私のような半端もんには勤まらないことは分かっていた。自明だった。
JAXAが、日本人宇宙飛行士を募集した時、私も申し込みたかった。
でも、やめておいて良かった。
毛利衛さんや、向井千秋さんを見て、その夢は宇宙の果てよりも、もっと遠いところにある事がよく分かった。
その点、スペースシャトル、チャレンジャー号の事故を見て宇宙飛行士になろうと決意した山崎直子さんはエライ。そこから努力して東大に進学。そして最終的に宇宙飛行士になったのだから。
彼女は、宇宙飛行士になるには、まず東大に行ってその専門知識を学ぼうと考えた。そして、行こうと思って東大に行けるところが凄い。考えるレベルと到達点が常人を超越している。
結局、私はエンジニアになるという、さして珍しくもない目標を持った。「夢」と言う程のものではなく、とても現実的な方針策定だった。
今、エンジニアリングを仕事にしているとは言い難い。「夢」でもなかったのに、それすら現実のものとなってはいない。別に不満はないが。
いずれ今やっている仕事にも、一区切りをつけるときは来る。
できれば、その後は「猫写真家」になりたい。
本当に・・・。
猫の行動は機敏だ。そして、彼らは気分屋で意地が悪い。だから、上手く撮ることは思いの外難しい。
第2の人生を賭けるに相応しい。
心底・・・、そう思っている。