オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

着実に減速中

 映画「相棒Ⅲ」を見てきた。

 TVでは ”大ヒット上映中”、”相棒至上最高のミステリー”などと大々的に宣伝が打たれているが、内容は全くもって大した事なかった。

 面白く無い、とは言わないがフツーである。

 謎解きも平凡。

 TVシリーズの過去のスペシャル版の方が大作的で映画に勝っている、とは言い過ぎか。

 しかし、この程度の内容であれば、わざわざお金をかけて映画化する必要は無い。TVでスペシャル版として制作した方が効率が良い。

 この手の「がっかり感」で似ていたのは ”HERO” の映画版だ。キムタクと松たか子の出演しているアレ。

 ”HERO”の映画版も話は面白いのであるが、わざわざ映画で大層に制作する意味が分からんかった。

 ストーリーの舞台に韓国と有名韓流スターが出てくるところなど、支離滅裂。

 フジTVの ”ノリ” の悪い面、唯我独尊さが堪能出来るムービーだった。「つまらん」訳ではないが。

 ガリレオの映画「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」は、映画としての評価は微妙かも知れないが、ストーリーが良い。よって、劇場に足を運ぶ意味はある。しかし、同様にTVドラマでも良い。成り立つ。

 何が言いたいのか、と言うと

「この程度のものを何でわざわざ映画にするのか」

「大宣伝している割には、面白く無い」

「少し騙された気分」

と言うことである。

 特に、最近は試写会を見た聴衆の感想や、劇場から出てきた観衆の声をコマーシャルで流す事が多いが、あれは全くもって「信用出来ない」

 私に言わせれば「詐欺」だ。

 「嫌なら見るな」と言う事なので、今後はTVシリーズの映画化に早々に食いつくのは控えようと思う。

 

・・・・

 

 最近、2作目、3作目が初回作に見劣りするケースが目立ってきている。

 あちこちで再放送がされているので、容易に旧作と新作の比較が出来てしまうのだ。

 今「ガリレオ」の第1シリーズが再放送されているが、もの凄く面白いと思って見ている。柴咲コウさんは、やっぱり良い。

 吉高さんも悪くないが、今見てみると柴咲さんの方が良い。ストーリーも秀逸。

 吉高さんは「アンと花子」の方が適役だ。彼女は、毎朝某局のドラマで頑張って頂ければ良い。

 「相棒シーズン12」は悪くなかったが、「悪くない」だけ。辛辣に言えば、今過去の遺産を食い潰し中だと思う。

 「相棒」はピークを過ぎた、と思っている。今回の映画がそれを決定づけた。

 「ショムニ2013」には勢いが無かった。ショムニはファーストが抜群に面白い。あのシリーズに並ぶ事はなかなか難しいと思う。

 前作を上回る続編って、結構難しいことなのだと思った次第。

 スタッフは相当な努力をしているのだろうが、やはり脚本・構想というものは、回数を経ると消耗するものなのだろうか。特に相棒を見て思うのは、何だかストーリーがすり減っているようだ。

 その点、USAのTVシリーズは素晴らしい。シリーズを重ねる毎にストーリーに厚みが出てくるものが珍しくない。よその事を羨んでも詮無き事であるが。

 

 今、私達の見る国産TVドラマは着実に減速中である、と言わざるを得ない・・・