ファミレスの生きる道
先日、夕食をとるため「ガスト」に久しぶり(数年ぶり)に入った。
その日、彼女が外出しており、夕食を作れないため「外食してきて」と言われていたためだ。
このようなことは、頻繁にあることではないので、私としても「さて、どこで何を食べようか」と、昼間から考えていることがある。その日は、結果として駅前の「ガスト」にした訳であるが、別に「デニーズ」でも構わなかった。
「ガスト」にした大した理由はない。単に、気軽に安く食事ができるのではないか、との思い込みからだ。
私としては、ハンバーグが食べられれば、それで十分だった。
さて、店内でオーダーしたのは、ハンバーグ+海老フライ+クリームコロッケがセットになっているものに、ライス+スープ(Aセットとか言っていた)のオプション。締めて、1200円くらい。
食べ終わっての感想は、
「・・・。何か、物足りない」
不味くはない。
しかし、極めて美味な訳でもない。あまりに、フツーだ。フツー過ぎる。
彼女が家庭で作る「ハンバーグ」は、これの5倍は美味しい。
なんだか、すごく損した気分になって、私は店を出た。
「ガスト」のハンバーグってこんなもんだったか・・・?
いや、「ガスト」というより「ファミレス」のハンバーグと言うべきなのか。
どこかの工場で作って全国の店舗に配送していることは知っている。この手のものに、過大な要求をしてはいけないことも。
しかし、私が食べたものは感覚的には「平均値以下の味」だった。イトーヨーカドーに売っているレトルトの「デミグラ・ハンバーグ」の方が明らかに美味い。
こんなもの出すようでは、「ファミレス」の将来は無いな、と思った。
1200円払うのであれば、個人経営のレストランでこれを上回るものを出す所はいくらでもある。
恐らく、今後私は、一人では2度と「ファミレス」には行かないだろう。
「ガスト」店内は、おばちゃん、高校生、おねぇさんたちで結構賑やかだった。
テーブルのあちこちには、食べ終わったあとの食器が片付けられること無く、そのまま放置もされていた。
店内には店員も少なく、「すき屋」ほどではないにせよ、スタッフ人数が客数に対して不足していることは明らか。店員の接客もあまり褒められたものではない。
なんだか、雑然としておりその喧噪の分、気分が落ち着くとは到底言えない場所だ。
1000円札を握りしめて、おっさんが一人夕食をとりに入るべき場所ではない。
今後は、ラーメン屋で十分だ。
独身時代、彼女と星川のデニーズによく行った。週末の夕食を一緒にとった。
「いらっしゃいませ!デニーズにようこそ」
いつも元気よく、おばさん(おねぇさん)が出迎えてくれていた。そこでは、今よりも遥かに時はゆっくりと流れていた。しかし、それは随分前のこと。今は21世紀だ。
・・・・・・
お昼ご飯用に、お弁当を買いに行った。
最近は、食事処の店頭で昼だけ「お弁当」を販売している店も多いが、その日は、「ライフ」に入ったら、たまたま「カツ丼」を見つけた。
手に取るとまだ暖かい。作って間もないようだった。
レジで代金を払って、オフィスで食べたら、大層美味しかった。
「恐るべし・・・スーパーのお弁当。これで十分じゃないか」
そう言えば、この間、駅前の「オリジン弁当」で買った「ハンバーグ弁当」も涙が出るほど美味しかった。
「お弁当の質が上がっている・・・」
日頃、コンビニ弁当なども買わない私には、大きな衝撃だった。
ライフで買った「カツ丼」は380円だ。
「ファミレス」は、ファミリーレストランを意味する。
その”意味”には、まだ価値が存続しているのだろうか。