オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

この国には変な人達がいる

 W杯の会場で、試合後のゴミ拾いを行う日本人サポーターへ世界からの反響があったそうで・・・。

 ところが、欧州滞在のとある方(コラムニスト?)が「お掃除を請け負っている方々の仕事を奪う行為であり、外国ではマナー違反だ」と言っていた。外国に住み始めた頃、友人からそう助言されたとのこと。一部に、これに賛同される外国通の方々がいらっしゃった。

 私も以前、それに関連する経験をしたことがある。

 ウィーン空港でトランジットの合間、タバコを吸おう(当時は愛煙家でした)と空港係員の方に「喫煙所はどこですか?」と聞いたら「その辺りで吸っていいですよ」と言われた。

 いや、良いとは言われても、そこに灰皿もなければ、それに相当するような設備も無い。こんな、奇麗なフロアでタバコなんて吸えないでしょ。と、思ったのであるが、本当にそれで良かったのだ。

 そこに、タバコの吸い殻を無造作に捨てて行っても、即座にお掃除係の方が来て、奇麗に掃除して下さるのだ。

 だから、私達だけでなく、他の旅行者の方も皆そこで吸っていた。

 しかしながら、灰皿の無い場所でタバコを吸い、そのまま灰と吸い殻を捨てるという行為に当時は相当の抵抗感があった。

 「掃除をする人がいるから捨てても良い」

 「掃除をする人の収入源を奪ってはいけない」

 などと言うが、本来あるべき道徳から見るとおかしくはないか?

 何でもかんでも経済学の視点で解決しようとするのは卑しい考え方ではないのか?

 自分の事は、自分でやるべきではないの?

 自分が排出したゴミくらい、自分で片付けろよ。

 そんなこともできない/しないで、金で代行させるなんて、頭おかしいんじゃないの?

 私は今でもそう思っている。

 そんなことに社会コストをかける必要なんてない、と思う。

 

 東京都議会で「早く子供を産め」という趣旨のヤジが独身の女性議員に投げつけられた。

 エスプリの効いたヤジは「議会の華」なんだそうだ。

 ほう!これが華ですか?

 また、政治を良くご存知の方がおっしゃっていたが、議会制民主主義の根本原則を堅持・維持するためにも少数意見を反映させる意味で、例え非合法的(超法規的?)であっても、その不規則発言は、それは容認されるべきなのだそうだ。

 議席数の多い会派に、より多くの質問時間が割り振られるのが今の議会ルールのため、少数政党の不規則発言は、民主主義の理念上「必要な手段」なのだとか。

 不規則発言の抑止は「民主主義の死」を招くそうだ。

 ふ〜ん。

 「早く子供を産め」「お前が先に結婚しろ!」という類いの発言を抑止すると「民主主義が死ぬ」んだ。

 じゃあ、死ねば良い。

 そんな民主主義はいらない。

 私達が咎めているのは「ヤジ」ではない。話の内容だ。

 

 日本国憲法のどこを見渡しても「集団的自衛権は認めない」とは書いていないそうだ。だから、集団的自衛権使っても良いことは自明らしい。それを今回、閣議で確認しただけだ、との事。

 解釈改憲も今に始まったことではなく、戦後何度も時の政府により行われたそうで、今回特段に目くじらを立てることは論理的ではないとの事。

 また、「時の内閣が今後、都合良く憲法解釈をすることはあり得ない」そうで。

 ありゃ、じゃあ、今回の「解釈変更」は何を根拠に行ったのか?

 今後も憲法の条文に対し、異なる解釈をしたくなれば同じ事をするんじゃないの?

 それとも今回だけと言い切れる根拠があるのか?

 憲法は、「国家権力を制約するもの」なのだから、少なくとも「〜しない」と表記された事柄を「〜できる」と読み替えてはいけないだろう。そんなことOKにしたら、誰が国家の暴走を止めるのか?

 

 今の自衛隊法の元で日本国を防衛する事は難しい、と政治家や好戦的な国民は言う。確かにそうかもしれない。

 私のように「解釈変更ではなく憲法改正の手続きをとるべきだ」との意見を持つ人間は、真の国防を考えない「お花畑」の脳みその持ち主なんだそうだ。

 改憲には時間がかかるので、そんな悠長なことをやっていられない、と与党政調会長が大変正直な意見をおっしゃっていた。だから、「解釈変更」なんだそうで。

 それでは、一体法に定められた憲法改正手続きとは、どのような時に使われるのであろうか?

 私だって、中国の脅威は感じている。

 アホな隣国に一撃食らわせたい感情もわからんでもない。

 「空母保有」もやむを得ないか、と密かに想像している。

 しかし、だ。

 正規の改正手続きを無視しておきながら「日本国民が今後も紛争に巻き込まれる事はあり得ない」と根拠もなく発言する政治家を信頼している人の方が「お花畑」ではないのか。

 「まさか、そんなバカことはしないだろう」

 解釈改憲容認派は、そう言いたいのであろうが、では70年前の戦争は何故起きたんだ?性善説だけで国家運営ができるとでも思っているのか?

 

 ルールを無視した「積極的平和主義」とは詭弁以外の何物でもないと思うのであるが、違うか?

 

 「原発再稼働なくして日本経済の発展無し」だと?

 原発を動かす事は認めるから、ちゃんとしたプラント管理をやれよ、と言いたいだけ。経済コストのことくらい分かってる。

 言っておくが、福島原発はunder controlにはない。

 根拠のない期待感で「原発事故はもうない」と思い込んでいる方がいたら、その常識は疑った方が良い。「逸脱」を放置しておいて「事故なんて起こりっこない」と考える方が異常だ。タイタニックが何故沈んだか知っている筈だ。

 

・・・・・・

 

 この国には変な人達がいる。

 話の論点をいつの間にか、すり替えるのだ。その人が、確信犯なのか無意識なのか、は知らない。

 しかし、その上から目線での「偽装」は結構気にかかる・・・