オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

ドイツへのエール

 いよいよ、決勝戦。

 ドイツが、個人技と自由な閃きでサッカーを奏でるアルゼンチンと対決する。

 栄冠は、どちらに輝くのか。

 勝利の女神が舞い降りるのは、欧州サッカーの雄、ドイツか。あるいは、南米の華やかなプレーを演出し続けるアルゼンチンか。

 見逃せない。

 

 ドイツという国は、つくづく凄い国だと思う。

 スポーツ、科学技術、自然科学、芸術(特に音楽)、工業の各分野において、紛れも無く世界をリードし続けている。

 それだけではない。

 政治、経済においても、だ。

 欧州におけるドイツの政治的プレゼンスが、英国・フランスと何ら遜色無い事に異を唱える人はいないであろう。

 ドイツのリーダーシップが無ければ、ユーロ誕生は間違いなくあり得なかった。こと、この件については、英国は未だに全く歴史的役割に関与していない。傍観してるだけだ。

 このゲルマンという民族のもつ可能性・才能は、一体どこまで深いのか・・・。改めてポテンシャルの高さに驚くほか無い。

 しかし、この国の政治家・思想家は、英国やフランスほどには、他者に対し物言いをしないようだ。

 決して民族として、奥床しい性質という訳ではないだろう。

 恐らく、20世紀の2度にわたる大戦への想いからだと推測する。

 「出張り過ぎない」

 為政者達は、そう、心に刻んでいるように見える。

 メルケルさんは、大のサッカー好きだそうだ。サミットよりも、ブンデスリーガーの方が大切との事。

 いや、笑える。

 英国の首相の機嫌よりも、ミュラーのプレーの方が気になるらしい。

 明日の試合は、きっと見ていると思う。

 

 以前も書いたが、ドイツには2度行った事がある。

 歴史と伝統を感じる国だった。「質実剛健」のイメージがあるが、都市風景、そのものはそんな堅いイメージは無かった。

 連邦制をとっているが、その州の単位はざっくり言って昔の王家らしい。ハプスブルグ家とか?

 だから、歴史的建造物が多く、びっくりしてしまう。

 お城や音楽ホールは、本当に美しい。オーラを感じる。彼女は、それに甚く感動していた。

 食事は美味しい。ドイツ料理は、日本人にもマッチすると思う。

 気候は、やはり緯度の関係で寒冷だと感じた。冬は相当に厳しいと想像する(私が行ったのはどちらも初夏)。

 彼女が言うに、ドイツの人は一見冷たく見えるとの事。しかし、二人とも冷たく扱われた訳ではない。勝手が分からないので、とにかく聞きまくっていたが、多くの人はちゃんと教えてくれた。丁寧に説明してくれた。

 女性は、色白で堀が深く美しい。ステーキハウスで料理を運んでくれた彼女は、とびっきりの美人だった。店を出る時に彼女が投げてくれた笑顔が忘れられない。

 今、VWの車に乗っていることと、ドイツに対する想いには関連性があると思う。

 

 私は、子供の頃、初めて戦艦ビスマルクの写真を見た時から、ドイツに対して憧れを持っていた。この国の作る工業製品には造形美がある。ゴルフにもそれを感じる。

 やはり、明日の試合はドイツを応援する事になる。

 

 フォルクスブルグのフォルクスワーゲン・アレーナで一緒になったドルトムントファンの親父達を思い出す。

 「お前はジャパンか?香川は良い選手だ!」

 そう言ってくれた。

 そう。私も言いたい。

 「ミュラーも、結構良いよね」

 と。