オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

愚者が政治家をやる時代

 「政治と金」

 この言葉は、マスコミが政治家を批判する時によく使われる”ワイルドカード”であるが、相手を陥れるために根拠なく闇雲に発せられてばかりいる訳でもない。

 このワードをもって責め叩かれる対象となった政治家の中には、身に覚えがある者もおり、結果として「身から出た錆」になったケースは多い。

 昭和の超有名な疑獄である「リクルート事件」において、当時(今でもあまり変わらないかも知れない)の自民党の金権腐敗構造が強烈に批判された。

 この事件を反省に作られた規制法・禁止事項は相当数あると思う。

 このとき、社会・国民が求めたのは「クリーンな政治」という、ごく当たり前のもの。

 そもそも、国会議員や政治家というものは、会社勤めの人とは異なり、活動範囲・形態が千差万別だ。

 よって、公的経費の支給対象となる活動内容は、本来、あらかじめ文書で定義しておくことが望ましいが、それは大変煩雑な作業であり、実務面での有効性判断が難しい。

 当局には、政治活動に安易な制約をかけたくない、という性善説も働くだろう。これがくせ者なのであるが・・・

 

 現状、国会議員の場合、政治活動にかかわる公的経費負担は、その多くは「渡し切り」だと思う。支出の記録は必須だとは思うが。

 彼らも、お国入りした際の後援会活動を初めとし、種々、ちまちまとした活動経費がかかっていることは、何となく想像出来る。

 だから、彼らには、お金は幾らあってもじゃまにはならないだろう。もらえるものは、何でももらっておきたい、との発想が湧くのもやむを得ない。

 しかし、このような発想が、やがて議員事務所や公設秘書の経費流用、政治資金の不透明な運用等の不適切な経理を招いたことも事実。それでも、単なる個人の遊戯・娯楽に政治経費をモロに充てるというのは、なかなか聞いたことが無かった。

 どうしてもクリーンにならない/なれない「政治家」というものを、私達は以前から見せつけられてきたのであるが、その背景には、彼ら(代議士)の置かれた特殊な、やむを得ざる環境がある、と私は一定の理解を示しているところだった。

 少なくとも、国会議員については・・・

 

・・・・・・

 

 最近、地方議会議員たちが賑やかだ。

 とある議員が「政務活動費の流用、不正支出」でTVを賑わせた。

 「政務活動費」とは、つまり調査費のことであろう。この類いの手当は、裁量的な仕事をやる人にはつきものだ。支出を予め明確には定めていない。

 しかし、当たり前であるが何にでも使っていいものではない。これは、必要な政治活動を行った際の経費補填だ。公的活動の全経費を個人にのみ負担させることが忍びないため、このような支給形態をとっている。

 よって、それを何に使い、議会に費用請求するかは、政治家当人の判断が前提となる。当人の倫理観、価値観、道徳心が関与する訳だ。

 当然であるが、政治家は高邁な職業倫理観、社会道徳を備えていなくてはならない。それを具備していることが、この制度を成り立たせ、そして、適切に運用・維持させる前提だ。

 

 個人あるいは夫婦での温泉旅行が、如何なる内容・形態のものであれ、「政務活動費」の支出対象となるかについて、果たして社会的議論は必要なのであろうか?

 当人が、その要否を判断できていないということは、相当のアホである。

 何で、そのような低レベルの人物が議員をやっているのだろうか。 

 信じられない。

 不適切を指摘され、号泣記者会見をした議員もいた。この人、これでも関西の有名大学の法学部を出ている。評論すら、する気になれない・・・

 この2人、支出を監査されることを考えなかったのだろうか?

 支出の記録、領収書も全くもってデタラメだ。

 同じ金額、同じ用途、日付まで同じ内容の領収書を何十枚も作るとは、小学生の夏休みの絵日記にも劣る内容だ。「書けばいいんでしょ」と言わんばかり。自分の政治活動記録だ、という意識が全くない。

 偽装、ごまかしすら行わないのは、ある意味で潔いが、だからと言って清廉である訳では無い。うがった見方をすれば「何の工夫も無く税金を流用・浪費した」ということ。

 昭和の自民党を真似て、巧妙な経費流用や受託収賄をやれ、とは言わない。

 しかし、これでは、あまりにも無造作で無防備で無頓着で無思慮だ。

 まさに愚者。

 ひょっとしたら、現代は「政治と金」という言葉が警鐘する以前に、政治家としての資質、倫理意識をおざなりにした無知な人間達がその職業についているのだろうか?

 だとすれば、これは深刻な事態だと思う。由々しきことだ。

 

 今は、LINEで仲間はずれにされた議員が、中学生相手に恫喝をしたと話題になっている。

 この人の場合、行動形態は、まさに中学生レベルだ。「大人げない」という日本語はこの人のために発明されたと言える。

 しかし、これでも「府議会議員」だ・・・

 

 これは、選挙を行う前には、立候補者の知能検査と思考・思想鑑定を行わねばならない、ということを意味しているのか?

 

 そんなこと、バカバカしくてやってられない!