「艦これ」でもいいじゃん
M氏「艦これのおかげで、史実を少し勉強したので、戦争や戦闘のなんたるかが少しは理解できた。艦これをdisったT先生との違いが出ましたねw」
T先生「本気で言ってんのか。。。?」
ネットの隅(いや中央か?)で、バトルがあったようだ。
このお二人のこれまでの討論の経緯は知らない。しかし、お互いが相当に罵り合っている内容を見ると、今回が初めてではないようだ。
私が「ふ〜ん」と思ったのは、「艦これ」をきっかけに太平洋戦争の内容に興味を持つ人が出てきている、ということだ。
「艦これ」という珍妙なモノが世に出てきた際に、私も少しはその可能性を考えたのであるが、やはりそのような副産物も現出したようだ。
私は、父親の影響で子供の頃からミリタリーに興味があった。よって、「艦娘」は知らないが、艦船についてはある程度の知識がある。
ある意味で、マニア、ひょっとしたら”オタク”と受け取られるかもしれないが、好きなものは仕方が無い。
よって、これまで、周りの冷ややかな視線、批判は甘んじて受け入れてきた(つもり)。
きっかけは何であれ、自分が興味・趣味性を向ける分野に他の人の関心が向くことは嬉しいことだ。
「艦これ」大いに結構。
しかし・・・、凄い発想をする人がいるものだ。
「艦娘」とは。
少女が、大砲や魚雷発射管、飛行甲板を身につけて「何やら」と戦う・・・。
よく分からない・・・。
この違和感/異様感は、太腿が完全に晒された極度に丈の短い浴衣を、如何にも知性に欠ける化粧で身に纏っていたギャルを見たときを思い出す。
あの時感じたのは「この少女は一体何をしたいんだ・・・?」ということ。
日本の象徴的な衣装である浴衣を、あのように変形してしまうと、もはやそれは浴衣ではない。
「艦娘」にもそのような違和感はつきまとっている。
巡洋戦艦「金剛」は、悪くないし、よくデフォルメされていると感じる。しかし、「金剛」をあのように描写して、気を悪くする人はいないのであろうか。
まあ、実際に乗艦したことがある人は、ごく少数だろうけど(生存者はすでにいないかも)
「島風」などは、「艦これ」が注目されなければ、あのままず〜っとマイナー(日陰者)だったかもしれない。
造船技術上、エポックを提供した名鑑が陽の目を浴びることは悪くないので、批判する気はない。ただ、”やり過ぎ感”を感じているだけだ。
とは言え、ミニスカート浴衣のギャルにしても、そのような奇天烈な衣装が、事実、販売されているからこそ、着ることが出来るのである。
彼女は言うだろう。
「売っているものを買って、着て何が悪い!?」
何も悪くない。
ただ、お下劣で気持ちが悪く、不快感と嫌悪感を持たざるを得ないだけ。
あの浴衣を考案した人は「屈折した才能がある」と思う。下げパンをカッコいいと思えるような才だ。
天才とは思わない。
単に、ここまでやれば「目立つ」「面白い」と考え、デザインしただけ。やってしまうのが凄い。思考やセンスの深さ、奥行きは感じない。凡慮なだけかも知れないが。
そう言えば、「ドロロンえんまくん」や「地獄先生ぬ〜べ〜」に出てきた雪女はどちらも、ミニの着物を着ている。伏線はあった・・・
「艦これ」も同様。
「ポケットモンスター」が船に置き換わっただけに感じる。
戦闘艦の擬人化、少女化という趣味性に不快感を持つ人は一部にいるであろうが、それでも特定のコアな人たちにはアミューズメント対象に十分になり得ている。
これは嗜好の問題であり、善し悪しの問題ではなさそうだ。
オカマタレントの好き嫌いと大して差はないように思う。
そして、その趣味性から、何かしらを学ぶことも多いに結構なことだと思う。
ただ、着想・構想が少し行き過ぎた場合、「ゲップ」がでる。
気持ち悪くなる。
この気持ち悪さは「進撃の巨人」にも通じる。
日本の芸術でなければ文化でもない「サブカルチャー」というものには、世相を変える大きなポテンシャルが潜んでいると言える。
皆で、ほどほどに楽しめば良いではないか。
因に、私の家族は全員、この手(艦これ)のものはダメだと思う。「気持ち悪ゥ〜」と言っている。
話は戻るが、何からであっても、どのようなきっかけであっても「学び」はある。それは、尊いものの筈だ。
「知識の出自を咎める必要はない」というのが私の立場だ。
私の中東情勢に関する知識の多くは「ゴルゴ13」からだ。
ただ、この機会に”オタク”に忠告とともに、お願いしておきたい。
・電車の中で、聞こえるように独り言を言うな
・突然、一人でケラケラ笑うな
・風呂に入れ。お前らすごく「臭い」
・デイパック以外のカバンを持て
そのような振る舞いが「艦これ」「艦娘」の市民権を奪っているのだ。