オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

意外なヒット作

 シャープペンシルが、今熱い。

 学生時代は、大変お世話になったシャープペンシルであるが、社会人になるとその使用頻度は俄然低くなる。

 仕事上でも、メモはする。私の場合、シャープペンシルの使途の殆どはそれだ。

 ビジネス文書は、MSワード、あるいはエクセル、という方は多いだろう。その資料の添削も指摘点・修正点の見え易さの観点から、赤ボールペンを使う事は多いのではないだろうか。

 私の周りは、殆どがそのパターンだ。

 そうであれば、ボールペンは使っても、シャープペンシルは出番が少ない。よって、そのモノ自体にも、さして拘りを持たない方が多い、かもしれないことは予想がつく。

 ところが、今、小学生を含めた学生達の間では、シャープペンシルが大変良く売れているらしい。

 意外・・・、だった。

 

 「クルトガ

 三菱鉛筆の大ヒット策だ。

 発売から5年間で累計2000万本が売れたとのこと。

 凄い数だ。

 

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 このシャープペンシルは、芯をノックすると回転しながら先端が飛び出す仕掛けなっている。よって、いつも、”シャープペンシル” であることを維持している。

 些細なことであるが、このことが「爽快」であることは多くの人が自覚・共感するであろう。ヒットの理由もそこに尽きると思う。開発者に拍手。

 

 ゼブラの「デルガード」。

 これは、芯が”折れにくい”。

 折れない、訳ではない。

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 このシャープペンシルは、非常に凝った作りをしている。

 先端の内部、芯の軸受けに相当する部分にスプリングが巻いてある。だから、斜めに力が加わった際に、ビミョーに先端部が”曲がる”のだ。

 これによって、芯の耐加重を超えた力を受け止める事が出来、芯が折れにくくなる。

 素晴らしい。

 

 ぺんてるの「オレンズ」。

 これは、ペンの先端にパイプが付いており、芯をカバーしている。だから、折れない。だから「オレンズ」。安易で良いネーミングだ。

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 このシャープペンシルのもう一つの特徴は、「0.2mm」という超極細の芯を使っている事。

 これは、相当に細い。よって、本当に「シャープ」なペンシルだ。

 

 この3種は、とても良く売れているそうだ。いずれも、400円程度から購入出来る。上位機種になると1000円を超えるものもある。

 シャープペンシルとしては、従来機種よりも高価と思われるが、それを乗り越えて売れている。完全な「成熟市場」と思われていた文房具、その中でも「ローテク」の代表選手である「鉛筆」分野に革命的なムーブメントをもたらしたということになる。

 売れている理由は、大変分かり易く、大いに共感出来るものである。

 やはり「ヒット」には、理由、必然性がある。

 

 私は、「デルガード」を買った。

 「オレンズ」も気になったが、残念ながらサンプル品で試す機会が無かった事、「0.2mm」に興味はあったが、専用の替芯にならざるを得ない事から、「デルガード」を選択した。

 使い心地は「文句無し」

 確かに「折れにくい」が「折れる」。

 しかし、従来のものよりも格段に折れない。

 使い心地も「まあまあ」。

 売れる理由が良く理解できる。しばらく、シャープペンシルの出番が増えると思う。

 「鉛筆」は日常生活に欠くべかざる道具であり、また低コストで提供されている文房具でもある。私達は、無意識にその恩恵に浴している。

 それがさらに進化した。より、使い易くなった。

 関係者のGood Jobのおかげだ。