オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

大晦日に

 1月1日0時、銀河系オリオン腕、中心からおよそ2万8000光年の場所に、中規模(主系列星の中で)の恒星とそれに従う幾つかの惑星群が誕生した。

 その恒星は、それからずっと後、その周辺惑星に誕生した生命体から”太陽”と呼ばれることになる。

 元旦に誕生した太陽系ファミリーであるが、それ以降、長らくこれといった変化はなかった。ずっと、何も起きなかった。単なる岩石やガスの塊のようなものがそこに存在しただけだった。

 

・・・・

 

 11月20日、太陽系第3惑星”地球”と呼ばれるところに、水性無脊椎動物のようなものが誕生した。この時期を後にこの惑星を支配した”人類”と呼ばれる種は「古生代」と名付けている。

 12月14日、これまで地球上で一つであった大陸が、地殻内部のマントル対流の変化により移動を始める。「ジュラ紀」の頃だ。

 ゆっくりとであるが、確実に陸は移動を続け、やがていくつかの大陸に分離することとなる。

 地球上での生命の進化は加速度を増していく。

 12月18日頃には、地上を巨大な爬虫類が闊歩するようになる。

 その爬虫類を人類は、「恐竜」と呼んだ。

 

 12月25日、突如、空に閃光が走った。

 巨大な火柱が立ち、灼熱の炎が全地表を覆い尽くした。

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 多くの生物が絶滅した。

 恐竜達と共に。

 完全なる破壊が終焉して以降、長い冬が地球を支配した。

 

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 今日は、12月31日。

 大晦日だ。

 朝から大掃除をした(やらされた)。

 既に風呂にも入った。

 あとは、紅白歌合戦を見るだけだ・・・

 今年も、何とか一年を無事終える事が出来た。

 来年も、良い年でありますように・・・

 

 先ほどの時間レンジでいうと、「人類」の誕生は、12月31日午後10時過ぎだ。

 今年の紅白歌合戦で例えると、石川さゆり中森明菜が歌っている頃か・・・

 

 私達はまだ生まれたばかり。

 輝かしい未来が存在する、と信じたい。