オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

ラーメンは地球を救うかもしれない

 とあるラーメン店が4月末で閉店した。

 理由は分からない。知らない。

 私が知る限り、このお店は90年代前半から価格改定を行っていなかった。しょうゆラーメン一杯、500円。

 消費税8%への引き上げ時、何度かの小麦価格高騰時においても、このお店のラーメンは500円だった。

 一時、店内に「安易な価格改定は行いません。世間に迎合することはありません」旨の張り紙をしていたこともある。

 最近は、開店時間も一時休憩時間を設定し短縮していたようだ。

 経営が上手くいっていなかったのであろうか。

 

 私は、この店のラーメンが好きで、通りがかる度に寄っては昼食をとっていた。

 安いことも魅力であるが、横浜家系ラーメンとしてのこのお店を贔屓にしていた。

 横浜家系は、他に幾つでも存在するが、恐らく一杯500円のお店はここだけであろう。

 一般には、600円〜700円はする筈。横浜駅そばにある「吉村家」もそうだ。

 そのお店は、ずーーーーっと、500円。

 ファンだった・・・。

 価格改定してでも、続けてほしかった。

 もう、あのラーメンは食べられない。

 味には個人の嗜好がある。

 皆があのラーメンのファンになるかは分からない。

 ・・・、でも私は好きだった。

 たった500円で味わえる、提供してもらえるあの満足感。

 素晴らしかった。

 今時の言い方をすると、「ワンコインで食べられるラーメン」となるのであろうが、この比喩は、お店とスタッフに対し失礼というものである。

 遥かに超える価値があった。

 

 「ラーメンは地球を救う!」

 大ヒット漫画、美味しんぼの某エピソードで発せられたセリフだ。

 名言だと思う。

 私はこのラーメンに救われていた、と思う。

 

 この偶然、経験、巡り合わせに感謝します。