離婚率について
「今、日本では結婚した3組に1組が離婚している」というような話を聞いたことがある。
げっ、凄い世の中になったなぁ〜、と能天気に捉えていたのだが、ちょっと待てよ。
私の周りにも離婚した知人・友人は何人かいるが、3人に1人などという恐ろしい数ではない。
幾らなんでも、そんなにポンポンと別れてはいない。ほとんどの方々は不満はあろうとも、平和に結婚生活を継続している。ご近所の皆様方を含めて…
では、一体「3組に1組」という数字の根拠は何なのだろうか。暇だし、少し調べてみた。
厚生労働省が「人口動態統計」というものを出している。これを見てみると、平成26年の離婚数は22.2万件とある。そして、それに対して婚姻数は64.9万件。
「離婚率」という言葉があるが、政府が出している数値は1.77。これは、人口1000人あたりの割合を算出したものだ。因にUSAの離婚率は3.6、ドイツ2.19、フランス1.97だ。これを見るに、日本の離婚率が特段高い訳では無い。
では、「3組に1組」という衝撃的な数値はどこから来たものかと言えば、
離婚数22.2万件÷婚姻数64.9万件=34.2%
であろう。
しかし、この計算、おかしくないか?
その年に結婚したカップルが次の年までに、その中の34%が離婚するのか、と言えばそういうことでは当然ない。
こんな計算に意味は無い。
「人口動態統計」には、恐らく国勢調査の結果を反映したと思われる「家族類型別一般世帯数」という数値が掲載されている。それによると平成22年の世帯数は5184万だ。
その中で、「夫婦のみ」「夫婦と子供」世帯を合計したものは、2468万世帯。
因に、母子家庭、父子家庭の合計は452万世帯。
この年の離婚数は25.1万件。
本来、離婚の度合いを計るのであればこの数値を用いるべきであろう。
25.1 ÷ (2468.4+25.1)=1.00%
これが本当の「離婚する度合い」に近い数値だ。
100組に1組程度。
これが多いのか、少ないのかは分からない。また、ただ離婚さえしなければ、それでハッピーという単純なことでもないだろう。
昭和に比べれば離婚するカップルが増えていることは事実だ。
お互いが人生を共に生きていく最良のパートナーであることが何よりも大切なことだと思う。