EVの描く未来
「英政府は18日までに、ガソリン車とディーゼル車の新車販売を2030年に禁止すると発表した。気候変動対策強化の一環で従来目標を前倒しする。ハイブリッド車(HV)についても35年に禁止とする。英政府は今年2月、販売禁止の目標時期をそれまでの40年から35年に前倒ししたばかりだった。英国の動きは日本メーカーの販売戦略にも影響を与えそうだ。」
〜by 共同通信
VWや他の欧州自動車メーカーも近い将来、化石燃料を使う内燃エンジンの製造を止めると表明している。
素晴らしい。
夢のようだ。
未来は、着実に私達に近づいて来ているように見える。
しかし… 疑問は残る。
今の技術では、EVは1回の充電で1000Kmも走れない。
せいぜい、500Km程度。
東京から大阪まで走ったら「シュ〜ン」と言ってEVは停止し動かなくなる。
東名の厚木インターから走り出したとしても、恐らく神戸辺りで「シュ〜ン」だ。
私の目的地が神戸のその先だったら、例えば赤穂だったら、その時どうすればいいのだろうか?
SAのGSで充電?
(果たしてその時代、SAにGSは存在するのか?もうガソリン使わないんだよね…)
GSでの充電…。
それって、急いだら一体何分間くらいでEVへのチャージは完了するもんなの?「急げ!」って急かしたら早く出来るの?
例えば、私と同じ境遇の「EV電気エンプティ人」がいて、私の電気不足EVの前に10台の待ち行列が出来ていたら、これってあと何時間、GS前で待てばいいの?
化石燃料であれば、遅くても10分/台もかからない。
技術革新により、1台あたり3時間で満充電できるようになったとしたら、10台いたら待ち時間は30時間だ。
さらに技術革新があって、30分/台で満充電できたとしても5時間待たないとダメ。
…これって旅行工程を考えると非現実的だ。
ちょっと待て。
じゃあ、今高速道路を走ってる長距離バスはどうなる?
クロネコのトラックは?
あんな重量車に一体どんな巨大なモーターとバッテリーを搭載するの?
彼ら、長距離運転の時、一体どこで充電するの?
いや、そもそも、自動車会社がEVを製造するための部品って、誰が製造工場まで運ぶのよ?
今、陸上輸送の大半は車(トラック)だよ。
トラックが長距離を走れないと経済の前提が成り立たないんでないか?
今のうちにEV型トラックが一般道や高速道路のどこでも好きな時に充電できるインフラを構築しておかないと、全ての物流に破滅的な影響が出るんじゃないか?
全国の道路網に大型EVの充電施設を揃えることが、本当にあと15年で出来るの?充電が必要なのは何も自家用EVだけじゃない。
言っとくけど、電池って半導体じゃないからね。あの手のモノって意外と技術革新遅いよ。
「ゼロエミッション」の話題が華々しく飛び交っている。
しかし、それって現実の話なのだろうか…
この心配は「再生可能エネルギー」についても似たようなもの。
エネルギーの変換効率を無視して政策論が一人歩きしているようにも見える。
「変換効率を上げる」って、そんな簡単なことじゃない。
未来かぁ…