オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

満天の星

 今週になって、秋田市内はいきなり暖かくなった。

 朝夕は未だに寒さを強く感じるが、昼間は信じられないぐらい暖かい。

 気温10度を超える日がほとんど。それに従い、3月に入ってからは夜空に星を眺められる日が数回あった。

 1〜2月の観望日は辛うじて2日程度で、ほぼゼロに等しい残念な状況だった。

 秋田への移住は、都会育ちの私には正直迷いがあったが、妻は私に対し何度かキラーワードを発していた。

「秋田は星が綺麗に見えるよ。天の川も」

「どうせ家を建て替えるんだから天文台でも作ったら?」

 これは大変魅力的な誘い文句だった。

 まあ、予算の都合で自家製天文台は叶わなかったが。

 自宅は秋田駅から車で30分程度の場所にある。

 最寄駅からも2Kmと少しの距離。

 車の通りは少ない。主要道路には面していないので通行量はほぼゼロと言っても良い。

 つまり星の観望には絶好の立地条件である。

 

 13日と15日は大変天気が良かった。

 そこで13日は自宅の庭から観望。15日は少し足を伸ばして川の土手まで行ってみた。

 そこには辺り一面の星空が広がっていた。

 季節柄シーイングがベストとは言えない。それでも神奈川に比べれば見える星の数は段違いだ。

 iphoneで撮った写真を掲載しておく。

 その場で何の工夫もなく撮ったものなので多少ぶれている。それでもこれだけ見える!

 

 北の方角はややぼやけている。

 でも5分も経つと目(瞳)が夜空に馴染んで来て北斗七星が見えてくる。北極星もおおよそ見当がつけられる。

 カシオペアが分かりづらかった。私の勘違いで本来の場所より天頂側を見ていたせいもある。

 しかし南側は大変素晴らしい景色。

 特にオリオン座が素晴らしい。

 3つ星の下の星雲が肉眼でもくっきりと見えていた。

 スバルもすぐ見つけられる。

 スバルの右側(西側)にはペルセウスと思しき星が2つは確認できた。

 であれば、そこからカシオペアまでの半分のところに双子の散開星団があるはず。

 少し分かりづらい。これかなぁ。それともこれか?

 ここを地平線の方向に行けばM31(アンドロメダ星雲)があるはず。

 ???

 M31はその日は見つけられなかった。次回、チャレンジする。

 それにしてもおおいぬ座の全形をこれだけはっきりと認識したのは初めてだ。

 「冬の大三角」がこんなにはっきりと見える!

 東の方角からは獅子座が登り始めていた。形は少し分かりづらい。しかし、あの明るいのがレグルスだろう。

 星座は色々と見えるのだが、形をはっきりと覚えていないと「これがそうだ」と認知するのはなかなか難しい。

 

 

オリオン座。大星雲がハッキリと見えている

真ん中のモヤっとしたのがスバル。右下は金星。ペルセウス座と天頂近くにぎょしゃ座の一部。左側は牡牛座のアルデバランとヒヤデス星団。


 

 私たちが見る(覚える)星座絵はそれが真南に来た時の形の時が多い。だからそれが東や西にいる時には、横にねているため思わぬ形になって見えることが少なくない。

 慣れない間は、星座盤だけを持って観望するのは結構厳しいかもしれない。

 地平線から天頂まで、北からぐるっと360度、つまり全天の夜空を何の障害物もなく眺められることは田舎の特権である。

 満天の星を眺められる季節が到来した。

 これからしばらくは星図とにらめっこだ。