オリオン座が沈む窓

azuyuz captain's log〜”ゆず”艦長の航海日誌

めでたいことばかりではない敬老の日

 今日は、「敬老の日」。

 世界、どこに行っても老人というのは社会から大切にされ、敬われている。それまでの、社会への奉仕とソーシャル・キャピタルのストックへの感謝の念からだ。

 この価値観に関しては「欧米では・・・」という比喩は正しいと思う。

 日本では、65歳以上のシニア層は3057万人、全人口の24%だ(2012/8現在)。

 4人に1人が「老人」。

 これは「年金受給権保持者」と同意義。ご本人達は「年寄り」とか「老人」と言われることは不本意らしい。

 では、何と言えば良いのだろうか。いつもながら、あの年代の人達は文句を言い、自己主張はするが、対案を出さないし問題解決を他人に委ねる性向がある。

 私は敬愛を込めて「ジジイ」と「おばあちゃん」と呼ぶことにしている。

 歳を喰った男は、今後も社会の役に立つことはないであろうから「ジジイ」で十分だ。雑音・ノイズを発する個体としての存在感はこれからも健在であろう。

 ああ、私も十分「おっさん」であるが、その頃がくれば「ジジイ」と呼んでもらって結構だ。それ以上の存在ではない。

 

 この老人にまつわる気になる数字は他にもある。

 0〜14歳までの人口は、1659万人(13%)、「ジジイ」達の約半分だ。

 全国の犬猫(ペット)を積算すると2150万匹と言われているのにだ(ペットフード協会:2011年度推計)。

 同じ扶養されているといっても、犬猫の方が多いのだ。因に、犬猫は成人しても働かないし、税金も納めない。年金保険料も、介護保険料も納めない。町中にウンコをするだけだ・・・。

 3057万人のうち、1511万人は75歳OVERだ。

 3000万人オーダーといえば、2012/6時点の正規労働者数が3370万人。一方、非正規労働者数は1775万人。これは、OVER75に近いか・・・。パート・アルバイト、派遣等で生計を立てている人の数と、長生きしている年金受給者の数は似たようなもの、ということだ。

 

 これは、どう見ても歪(いびつ)だ。

 企業の正社員と老人の数が同じ。後期高齢者とパート・アルバイトの数が同じ・・・。

 

 今や日本は「高齢化社会」ではなく「高齢偏向社会」だ。

 これから高齢化が進むのではなく、既に到達している。どうやって、この高齢に偏向した社会システムを維持・継続していくのか、当事者である「老人」の方々にも考えて頂かなくてはならない。

 社会が高齢者を敬い、保護することは重要であるが、それにも増して、子供達を育むシステムは必要不可欠だ。

 

 やや、高齢者に厳しい書き方をしているが、もはやこの国にとって老人は珍しくないのだ。マジョリティである。

 この人達を中心に社会システムを考えると、恐らく従前のシステムの多くは維持できずに崩壊するだろう。

 この人達の中には、相当裕福な方も存在する。応分の負担をして頂くことも必要であろう。これを考えるのは政治家と役人の仕事。さぼらず考えて続けてもらいたい。

 

 今年4月にドイツに渡航したことは既に書いたが、トランジットで立ち寄ったドゴール空港で一緒になった日本人観光客の殆どは老人であった。若い人達は、ほんの数組だけ。これは日本社会の縮図だと思った。そして、歪だ・・・。

 

 あと、”一部”の傲慢・不遜な態度を取る老人達に言いたい。

(公園/図書館を占拠している人達、列を守らず割り込む人、電車に乗ったら行儀の悪い人、自治会で何もやらず威張っている人、どうでもいいことでお店の人に喰い付いている暇な人、ゴルフ場を荒らしている人、アホみたいな車の運転している人、いちいち人のやることに口を挟む人、若い世代に時代を譲らない人、そこいらにタバコやゴミを捨てる人、何事も金で何とかしようとする人、etc)

 

 エラッそうに「私達を大切に扱いなさい」と言わんばかりの態度で世の中を渡らないで頂きたい。

 先ほども述べたが、既にあなた達は多数が社会に生息・繁殖しており、珍しくも何ともない。あなた達の我がままを聞いているとキリがない。

 それに、あなた達は「社会的弱者」ではない。とても元気そうだし、”生”への執着も凄まじい。あなた達は今後も大丈夫だ。死ぬまで、間違いなく生きていられる。

 弱者は・・・、他にいるのだ。