橋下VSガラパゴスの業界人
今、TVは春の番組改編期。先週辺りから、どの局を見てもバラエティの特番ばかりが並んでいる。延々と・・・。
それにしても、くだらない番組のオンパレードで参ってしまう。お金と時間、電気代の無駄使いは、2年前の災害以降も、依然として続いている。
それにしても、今日は全く見たい番組がない・・・。一体どうしたことだろう。
番組制作サイドの怠慢と思考停止は続いているらしい・・・
しかし、私以外の皆さんは、今一体何を見ているのだろう?
芸人と局アナの結婚式がそんなに面白いのだろうか。俳優や歌手といった芸能人同士のビッグカップルならまだ理解できるが。
私のようなおじさんには、このような企画が成立する思考・理由が全くわからない。芸人のファンなら別であるが。
いや、見ている人に何か言うつもりはありません。人の勝手ですよね。
と言う訳で、TVは節電のため消した。
暇つぶしに、PCで何気なくTwitterを眺めていたら「(大阪市)橋下市長、週刊朝日に法的手続き」という記事が流れてきた。
以前のゴタゴタの際は、相手側の謝罪もあり一件を水に流したことになっていたのだが、今回改めて告訴に踏み切るようだ。
彼のタイムラインには、およそ政治家とは思えないような相手を非難する罵詈雑言の数々が流れていた。相当、ご立腹のようだ。
それにしても、下品・お下劣な表現の数々、隣国にも劣らない勢いの挑発的発言。ネットには、自らの立場をわきまえるべき、との冷静な助言も見られる。
いやはや、週刊朝日もまさか、ここまで直接的反撃を喰らうとは、思ってもいなかったのではないか?
「何でこんなことになるのか?」
「どうしてコヤツは政治家であるくせに堂々と我々に喧嘩を売れるのか?」
と当惑しているだろうね。
ここで、橋下氏の政治家としてのモラルは議論のイシューにはならない。そのことは、彼が明確に、論理的に主張している。他人が彼に「政治家としての立場」云々といって諭しても、彼は「個人の尊厳だ」と言っているのだ。
こう言われれば、誰だって退いてしまう。これには一理あると思うから。
時代が変わったことを、週刊朝日を始めとする、メディア、マスコミは未だ自覚していないのだと思う。
以前は、政治家は公人であり(今でもそうだが)、社会的人格を有するものだと妄信されていた。よって、自身の如何なる報道であろうとも、その内容を捉えてグダグダとは反論しないものだった。そう言われる職業なのだ、と半ば諦めていた。
それに加え、以前はそういうことをすると、メディアスクラムによって当人が総攻撃を受ける事になり、それは何よりも明確な不利益であることが予想できていた。全マスコミを相手に反論を続ける事には相当の無理があったからだ。
そう、メディアスクラムによる個人攻撃。
彼らは時の権力に対するチェッカーマンを(勝手に)自負しているのだから、為政者に対しては激しく厳しく大げさにクリティカルな対応をする。
それが報道人としての”道徳”だと思っている。
例え、その報道内容がプアで如何にみっともないものであっても。
彼らにとっては、結果として「ペンは銃よりも強く」なければならないのだ。
田中角栄や小沢一郎、この間亡くなった江副浩正氏の例を見ても分かるが、彼らは他人を貶める為には手段を選ばない。
当局のでっち上げであっても、権力者を抹殺するためであれば、その情報を確信犯的に利用する。彼らは目的の為であれば、時には悪魔に魂を売り渡すことがあるのだ。
「勝てば官軍」なのだ。
しかし、時勢は変わった。
何が?
それは、政治家が個人として、マスコミに匹敵する情報伝達手段を持ったということだ。
そう、インターネットだ。具体的には、ブログでありTwitterであり、SNSだ。
これらは、今や新聞・TVに引けを取らない強力な情報発信手段となった。
マスコミはこれまで、まさか個人から反撃されるとは思ってもいなかったはずだ。だって、政治家が何をわめこうが、これまでは黙殺すればよかったから。
誰も報道しなければ、国民には何も伝わらない。これまではマスコミの一方的な勝利だった。
しかし、今は勝負の土俵が違う。
いくら、都合良く情報操作し民意をリーディングしようとしても、現代ではそれは無理というもの。大手マスコミ以外のルート(ネット)から、必ず情報がもたらされる。
今後マスコミは、過去に味わった事のない屈辱的な論争の舞台に引きずり出される事だと思う。
以前の橋下氏VS朝日新聞(週刊朝日の親会社)の例を見ても、論争、ディベートでは彼に勝つことは難しいだろう。
彼(橋下氏)は、大手マスコミをバカ呼ばわりしているが、それが出来るほど彼は用意周到に論争の戦略を練れているのだと思う。
どちらが勝つ・負けるに興味は亡いが、インターネット以前であれば、戦いの土俵すら存在しなかった。
しかし、今はある。
如何なる権力者、特権階級であっても、ネット上であれば、論争の場に引きずり出される可能性がある、ネット上では、一個人VS巨大権力という構図もあり得るということ。
まさにこれは、国民にとっては、技術革新の大いなる成果でありパラダイムシフトでもある。
マスコミが多くの企業、産業界を揶揄してきた「ガラパゴス」という言葉は、今や自分達自身に向けられているのだ。
早く目覚めた方が身の為だとおもう・・・