待ち合わせの定番
若い頃、付き合っていたある彼女は、新宿にお勤めしていた。
誰もが知っている某大手百貨店。
私が仕事休みである土日に逢うとしても、彼女にとっては仕事のことが多く、当然、新宿で待ち合わせる事になった。
待ち合わせ場所は、田舎もんの私でも分かるように、「アルタ」にしてくれていた。
初めてアルタに行った時には、大層たまげた。
何と、待ち合わせの人で一杯だった(新宿通りまで人が溢れかえっていた)。
彼女は、それを見越していて、「アルタで待ち合わせだけど、場所は地下1階のホットドックのお店で」と言っていた。
行ってみると、そこはスカスカ。
なるほど、皆、アルタを待ち合わせに使っているだけで、アルタに用は無かったようだ。
そう言えば、渋谷のハチ公前も待ち合わせの定番らしいが、あそこも人で溢れかえっているので、待ち合わせている人を見つける事は大変だと思う。一体、皆、どうしているのだろうか。どうでもいいけど。
何で、待ち合わせと言うとアルタなのかは分からない。
ただ、見つけ易いし、どんな田舎もんでも行ける場所だとは思う。
行き交う人、誰に聞いても知っていて教えてもらえるし。
今、思うに「流行(はやり)」だったのだろう。若者にとって。
今時の人達もアルタで待ち合わせるのだろうか。
彼女(今の奥さん)と横浜で待ち合わせる時は、「ジョイナスのインフォメーションのお姉さんの隣り」としていた。
一見、「?」であるが、地元の人であればOKのはず。
今では、「そごうの時計の下」のほうがポピュラーだろうか。どうでもいいけど。
ずっと前であるが、大阪にいる姉が「一度、アルタに行ってみたい」と言っていた。
姉は私と違い、オシャレでトレンドには敏感な人だ(妻がそう証言している)。
そうか、アルタはTOKYOの象徴だったんだ。
「笑っていいとも!」の創り出したトレンドは偉大だった。どうでもいいけど。